インドネシアは日本語学習者の数が多いことで知られています。2015年度の調査によれば、インドネシアの日本語学習者の数は、745,125人で世界第2位!!
「人口10万人あたりの学習者数」で見ると289人となり、世界ランキングでは12位となってしまうものの、全体的に見ると、インドネシアでは「日本語を学びたい!日本文化が好き!」という若者が多い印象を受けます。
インドネシアの東ジャワ州マラン(Malang)。秀才が集まることで知られる地元のキリスト教系の進学校(中学・高校)を訪問し、その「日本語クラス」にお邪魔する機会がありました。今回は、インドネシアの地方都市における日本語教育の現場をご紹介します。
インドネシアの日本語学習者、勉強を始めた動機は?
【写真:日本語クラスの教室の様子】
私の住むマランというエリアは、ほとんど日本人がいない地域。「日本人が来たー!」と、みんな緊張気味の様子でした。
インドネシアで日本語を学習している若者の多くは、日本に対して、ある種の「憧れ」を抱いています。そんな彼らにとって、ほとんど触れ合うことのない日本人が、いきなり部屋に入ってくるのですから、きっと、かなりの驚きだったに違いありません・・・。
この学校に限ったことではありませんが、私はインドネシアの日本語学習者(若者)に出会うと、良く質問することがあります。それは、学習の動機です。「なんで日本語を勉強し始めたの?」と。
もう、ほとんど10割近くと言ってよいほど共通しているのが、「アニメ」の影響です。日本のアニメが大好きで、その影響で日本語を勉強したいと思った・・・と答える若者が、インドネシアには非常に多くいます。
あっという間に打ち解ける!! インドネシアの若者たちの素直さ
今回のクラスの生徒たちも、やはり「アニメ」。この写真の女の子は、日本のアニメが本当に大好きで、ノートにもたくさん書いていると教えてくれました。
「じゃ、見せてよ!」と言ったら、「えーっ」と恥ずかしそうに。
(こういう素直さは、日本ではなかなか見受けられないかもしれません)
【写真:ノートに書いたマンガみせて!】
でも、恥ずかしながらも、ノートのマンガを見せてくれて、そして、一緒に来た日本人メンバーと一緒に「すごいね・・・」とベタ褒め。
すると、彼女のずっと緊張してこわばっていた表情は、わずか、ほんの一瞬で、一気にこんな表情に(笑)
【写真:満面の笑顔に】
インドネシアの学生は素直に反応を返してくれる人が多くて、「人間味」があるというか・・・、それこそ「接しているだけでも癒される」という感じすら受けます。
そもそも私が半分インドネシア人だという点は抜きにしても、彼らとのコミュニケーションには、癒やし効果がある気がしています。
「いつか日本へ行きたい!」という憧れ
今日のクラスは、主に、ひらがな、かたかななどの文字を中心にした授業でした。
一生懸命に日本を勉強するインドネシアの若者たち。「いつか日本に行ってみたい!」と彼らは言います。その素直な姿勢を失わずに、貪欲に学習してほしいなと思いました。
彼らの先輩には、日本語に熟達した結果、奨学金を得て日本への留学を実現させた人が何人もいます。そんな先行事例があるだけに、彼らの「日本に行きたい!」には、熱いものがあるはず。
彼らの素直な姿勢を見て、私もまた、彼らに対してどんなことができるだろうか?と、考えさせられるきっかけにもなりました。こういう心の美しさをもった若者には、本当に思い切り成長してほしい。心からそう思います。「親日国インドネシア」の一端を垣間見ることができた思いです。
■追伸:
これは今年の3月に訪問した記録なのですが、ブログに書き忘れていたので、3ヶ月ぶりに思い出して書きました。
なお、このテーマに関するブログ記事を集めました。こちらもどうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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