数日前の日経に、違和感のある記事がありました。「違和感」というか、正直な話「びっくり」ですよ。
それがこちら。
■投資用マンション最高値 17年、「老後の備え」需要:日本経済新聞 ワンルームマンションなど投資用マンションの価格高騰が続いている。情報サイト大手の健美家(東京・港)が集計した2017年の平均価格は、記録がある06年以降の最高を東京と大阪で2年ぶりに更新した。老後への不安から賃料収入を得ようとする30~40代サラリーマンら投資家の根強い需要が背景にある。 |
昨年、「宅建士」試験に合格したこともあり、不動産に関する記事には敏感に。この数年の不動産の活況はご存知の通りですが、よく「買ってはいけない」とされる「投資用マンション」ですら、勢いがとまらないとの記事。
「買ってはいけない」とされてきた「区分所有=マンション投資」
投資用マンションは、毎月の「管理費」が発生する点、管理組合の良し悪しによって自由にならない部分があること。また、特に新築の場合には買った瞬間に値段が下がる点が顕著だと思うんですよね。
また、マンションという区分所有の物件を「1部屋」投資するということは、入居率が0%か100%か、極端にぶれてしまう点でリスクが大きくなるという側面もあります。毎月の管理費が発生する負担があるにもかかわらず・・。
私自身、投資用マンションや、投資用アパートについては、もう15年以上も前から興味をもって見てきました。実際に複数の業者に接触したり、セミナーも受けたり、自分なりに研究もしたり・・・・自分なりに詳しく分析した結果として、また、私の周りの不動産関係者に話を聞いてみても、「買ってはいけない」で共通しているんです。
それが今回の日経記事では、投資用マンションすらも活況だと。今までとは異なる別の現象が起きているのだろうか・・・と違和感を感じました。いったい何が起きているのか、心を新たにして、また分析してみたいなと。
ある投資用マンション専門業者と議論をした時に
投資用マンションについては、昔から「ホントに儲かるの?」と違和感をもって、自分なりに研究したことがあります。
むかし、ある投資用マンション専門業者にアプローチして、営業資料も拝見し、実際に営業も受けて、本当かな?と調べつくしました。よくよく分析してみたところ「あれ?」と思うところがあり、こちらからアポをとって、先方のオフィスにお邪魔したことがあります。
会社の入口に到着。受付からアポの約束を伝えると応接室へ。
営業担当と名刺を交換。和やかな雰囲気の中、私がかなり資料を読み込んできていることを知ると、相手の態度が変化。もしかして、詳しく研究して望んでくるお客様は少ないのかな? とも思い。
詳しく話を聞いて、また、私なりの疑問もたくさんぶつけていきます。相手の反応も変わってきます。
5年先、10年先、15年先・・・と、収益予想がどう変わってくるか。金利の変動によってどう変わるか。また入居率の変化がどう収益に影響するか・・・などなど。フルにローンを使う場合、また、一括現金で買う場合、その他いろいろなシュミレーションをリクエストして、その度に印刷して出してもらいました。
そんなエクセルの収益予想グラフを参考にしながら、さらに質問や意見を出して議論。面倒くさいお客ですよね・・・(笑)
そして最後に私が見つけた点がありました。
「これ、最初の頭金を大きくして、融資を限りなくゼロに近づけて・・・・という投資でないと、ほとんど儲からないスキームじゃないですか?」と。
担当者が困った表情になり、「たしかにおっしゃるとおりで・・・」とつぶやいたのが印象に残っています・・・。
にもかかわらず、なぜ「マンション投資」は活況なのか?
マンション投資というと、入居率が予想通りにいかず、一方で管理費や返済負担がかさみ、月次で赤字を抱えているような投資家もいるというのが実情。毎月の赤字を垂れ流したまま、損切り処分ができずに困っている人のケースも話に聞きます。
この日経記事のように「活況だ」というのは、本当に違和感が・・・。
「成功者?」が出ているとするならば、たまたま現在の、バブルとも言われる不動産好市況ゆえに、「売り逃げ」可能な余地が発生しているから? なんて、うがった見方もしたくなります。あるいは、たまたまの極端な低金利で、利益を生み出しやすい奇跡的な状況が発生しているから? でしょうか。
もちろん、時代が変わり、私の環境認識が間違っている可能性もあります。また数年ぶりに調べなおしてみようかな・・・という気になりました。
「手っ取り早く儲けたい・・・」とか「分析したり考えたりは面倒だから、効率的な投資先を教えて」とか、そういう声は聞きますが、でもちゃんと分析をして、数字のシュミレーションもしてみて、自分の納得がいくまで考えることって、すごく大事なことだと思うんですよね。
というわけで、今まで本ブログでは「不動産ネタ」を書くことはありませんでしたが、今後は「これは」とう記事やトピックがあれば、とりあげていきたいと思います。
■追伸:こんな記事も見つけました。参考までにどうぞ。
■分譲マンション、所有者不明物件が急増…管理費等を徴収できず建物全体が劣化 | ビジネスジャーナル 深刻なのは、分譲マンションで所有者不明物件が増加していることだ。 所有者不明の部屋が増加することにより、管理費や修繕積立金等が足りなくなる、あるいは埋め合わせのために支払金額が増加する。管理が適切に行われないために建物が劣化し、資産価値が下がる。建替えを行うにも、建替え決議ができないため、建物の劣化・老朽化が進む――、という最悪の事態になる可能性があるということだ。 |
■参考:このテーマに関連するブログ記事です。こちらも、どうぞ。
|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログの更新情報のチェックは、こちらからどうぞ!
時の運と人の縁を極める日々の記録 Twitter: @_samsul
時の運と人の縁を極める日々の記録 Facebook: /samsulcom
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━