『いらないヤツは、一人もいない』(45歳で「含み損社員」にならないための10ヵ条)

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■本書の内容(amazonより)

・内容(「BOOK」データベースより)
本書では、ビジネスマンとしていかにして幸せに生きていくかということを示したつもりです。会社のなかでいかにうまく出世するかという“成功”のための方程式ではなく、“幸せ”なキャリアを送るための方程式を示しました。

・内容(「MARC」データベースより)
会社の中でいかにうまく出世するかという”成功”のための方程式ではなく、”幸せ”なキャリアを送るための方程式を示す。ビジネスマンが、自ら道を切り開く勇気が出る本。

株や不動産の場合、帳簿上の値段(簿価)と、市場価格(時価)があって、例えば簿価の方が時価よりも低い場合、売却すると利益が出るので「含み益」があると言いますよね。逆に、時価の方が低い場合、売却すると損益が発生するので「含み損」があるというわけです。

著者は、これを人材市場にも当てはめて説明します。つまり、Aという社員がいて、会社から受け取っている給料が、市場価格(転職した場合に、平均して転職先の会社から得られそうな給料)を上回っている場合、その会社はAさんに対し必要以上の給料を払っていることになるので「含み損社員」である、と呼ぶわけです。うまいこと言うなぁと感心しました。

「終身雇用」と「年功序列」があった時代では、含み損社員でも生き残ることができた。しかし、これからはますます競争が激化していく。そうなると、会社は一斉に「含み損社員」の大償却を開始することになる。だから、含み損社員にならないための対策をねらなくてはならない、と。それが本書の主題です。

こうしてみると、ごくごくあたりまえのことを言っているわけですが、このあたり意外と盲点になっているのではないでしょうか。実に整然としていて説得的です。なるほどな、と思いました。ここの部分だけを読んでも充分役に立ちます。

そのための10ヵ条を著者は開陳しているのですが、この具体論のところは、まぁ基本的なことかな、という気がします(と言っても、一般に流布する自己啓発本よりは、はるかに良いことが書かれているように思いました)。

「上司に認められさえすれば安泰」という時代でなくなるということは、競争も激化し能力本意に近づいていくわけですから、いろいろ厳しいことも出てくるだろうと思います。ですが、そうであるにもかかわらず、社内だけを自分の世界において働くよりは、社外をも視野に入れて生きていくことの方が、いろいろな意味でよっぽど幸せなのではないか、と感じさせられた一冊です。おそらく口述筆記されたものなのでしょう。講演を聞いているような感じで、軽く読み通せます。

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