『小さなニュースに火をつけて売る!(パワーブロガーはお客をこうつかむ)』

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小さなニュースに火をつけて売る!(パワーブロガーはお客をこうつかむ)
(松本 拓也 著、技術評論社(2008年7月23日発行)  → アマゾンで購入する!
 
☆ 今回のポイント ☆ <簡単な内容紹介>

■内容紹介(「アマゾン」より)
いい商品なのになぜ売れない……。ビジネスで悶々としている方におすすめしたいのが、ブロガーの力を借りるパワーブログプロモーションです。ブログ、 SNSを利用した販促活動の第一人者の著者は、「ブログ、SNSと騒いでいるけれど本当に売れるのか?」「ヒットを出すことなんてできるのか?」と、今のあなたと同じ疑問を持ちながらスタート、試行錯誤を重ねて成功事例を生み出し続けています。いい商品だからこそ売りたい、話題になりたい。そんな気持ちに応えるパワーブログプロモーションのノウハウを惜しげもなく公開します。
■内容(「MARC」データベースより)
ネットが騒ぎ出す「話題の商品」は、どうやれば仕立てられるのか? 大企業から中小企業までブログプロモーションを幅広くしかけ、売上増・集客増をもたらしている成功請負人が、「勝ちパターン」を明かす!

 


 
 
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ブログプロモーションの権威、
株式会社EA代表取締役の松本拓也さんが書かれた初の著書。
ブログを使ったプロモーションを草創期から手掛けられ、
御自身もまた、SNSやブログをフル活用してきた経験から、
プロモーションでブログを活用することの本質についてを
まとめられた本です。
ぜひ、おすすめの一冊。
 
 
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具体例の紹介が豊富、かつ詳細。導き出されたノウハウも多数。
サムスルが携わった事例も紹介いただいています)
「ここまで書いてしまって、良いのでしょうか?」というのが、
正直なところです。
そして、ぜひ一読していただきたいなと思うのは、
(1)ブログプロモーションに関わっている方々
(2)ネットを取り扱う広告代理店関係者(特に若い方々)
(3)パワーブロガーの世界をのぞいてみたい、仲間入りをしたいという方々
です。
 
 
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まず、第1章で、
御自身がSNSとブログをヘビーに活用されてきた4年間を振り返り、
どのようにして、現在の地位に至ったのか、
そこにSNSとブログが、どう活きてきたのか、という話を展開されます。
そして、第2章以後で、
EAさんが2年3ヶ月の間に手がけられた223の事例を振り返り、
ブログプロモーションの成功法則を導き出しています。
 
 
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ブログプロモーションに関する詳細な事例、
そこから導き出される成功法則などについては、
本書を読んでいただくとして、
私が本書を通じて、改めて深く考えさせられたのは、
「広告」の意味、「広告代理店」の意味についてでした。
 
 
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広告の世界に携わる者としては当然のスタンスなのですが、
本書で紹介されている事例は、そのどれもが、
顧客企業の課題を抽出し、
その課題を解決するための最大限の方策を考えていくというスタンスに
あふれています。
顧客企業のメリットを最大化することだけでなく、
掲載する側であるメディア(本書の場合がブロガーがほとんど)だったり、
それを読む側であるネットの一般ユーザーのメリットにまで
丁寧に目配せしている姿勢に、とても好感が持てます。
(なんだか「上から目線」みたいな表現になってしまって、すみません・・・)
 
 
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例えば、
ブロガーを、成果を生み出すための共同成長パートナーとみなすところなどは、
サムスルがメディアを
顧客の成功を実現させるための使い捨てツールではなく、
顧客の成功を実現させるために欠かせない成長パートナーと見なすスタンスと
一致するものです。
サムスルでは、これを「成長縁(R)」という企業理念として表現していますが、
この姿勢は、今後も強く持ち続け、また、
さらなる発展をさせ続けなければいけない点であることを再確認させられました。
 
 
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また、最近のノウハウ本にありがちな、
「これで解決! これで万能!」みたいなスタンスをとっていないことも
好感をもって読むことができた大きなポイントです。
「ブログプロモーションで、すべてを解決!」
「口コミを起こして、売上上昇ウハウハ!」
みたいなスタンスの本では決してないということ。
万能ではないが、非常に可能性を秘めた分野であり、
その未知の可能性も含めて、大いなる活用法を切り開いていこうという
スタンスなのです。
これは、ブログだけでなく、
インターネットという新しいツール全般を扱う我々にとっても、
大事にすべき姿勢だと思っています。
 
 
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ネットだけで完結するものではないという点については、
例えば第1章で、
「リアルミート」が一つの成長発火点になることを紹介されていることや、
第2章以降の事例においても、
ネット以外での細かなやりとりが、ブログプロモーションの成功度合いを
高めていることが、よく伝わってきます。
実際、ネットだけで完結するものではないということは、
この業界の草創期から携わっている人間なら
誰でも痛感するところだと思います。
例えば、私が昔、現場の営業をやっていた頃も、
プロモーションのプランニングをする時に私が心がけていたことの一つは、
可能な限り、
その会社のホームページなどばかりでなく、
封筒や便箋や名刺、チラシ、スタッフ対応、その他、
アナログ面での部分をいろいろとチェックさせていただくことでした。
そうでないと、成功するものも成功しないということがあるからです。
(なんと当時はURLを記載していない会社も意外とあったのです)
 
 
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そういう意味で、本書を通じて伝わってくるものは、
顧客の課題解決のための広告プランニングというものは、
科学的に合理的でなければいけないものの、
と同時に、
繊細なアートでもなければいけないということ。
広告活動全般の本当の意味は、
単に顧客とユーザーとの「縁を創る」だけでなく、
その「縁を深める」というところまでセットにしたものでなければ、
効果の最大化はできないということ。
(これは、私が社員向けのスピーチでも話していることです)
この点において広告代理店は、
「広告の販売をする代理会社」ではなく、
「企業とユーザーとのコミュニケーションデザイナーとしてのエージェント」でなければいけないということ。
購買コンサルタントとしての機能を持ち合わせていけないということ。
営業プロとしてよりも、購買職人としての機能がなくてはいけないこと。
などなど。
いわゆる「代理店不要論」は、本書をもって一掃されると言っても
言いすぎではありません。
 
 
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本書の要点は、ずばり、ここにあると思います。
長くなりますが、抜粋して引用してみます。

「ブログプロモーションは商品開発やユーザーサポートなど、より広範囲なビジネス領域でこそ有効なのではないかと考えています。
ブログを単なるメディアとしてとらえていると、一般ブロガーはできるだけ多く、パワーブロガーはできるだけアクセス数の多い人を起用すればOKと考えがちです。ところが、その考え方でプロモーションしてみても、「いかにも企業に依頼されて宣伝しています」という感じが読者に伝わってしまい、広く認知はされるものの、「やらせっぽい」と否定的に受け止められてしまうことがよくあります。
ブログは企業が運営するメディアではなく、ブロガー個人が能動的に発信するメディアです。ブログプロモーションで非常に重要なことは、企業に依頼されたことがきっかけであっても、ブロガーに能動的に発信してもらうことです」(p212)
「ただし、お金を払えば(ブロガーが)なんでもやってもらえるというわけではありません」(p230)
「パワーブロガーを起用するときには、プロモーション案件とブロガーのマッチングが重要になります。ひらたくいえば、そのパワーブロガーがプロモーションすることにリアリティがあるかどうか、事実であるかどうか、ストーリーがあるかどうかといったことを重視することです」(p230)
「マッチングよりも、まずパワーブロガーがリーチする読者ターゲットを気にする広告主もいます。ですが、ブログは個人メディアです。ブロガーが自ら発信しているように読者が感じられなければ効果が出ないメディアなのです。
プロモーション案件とブロガーとのマッチングに重きをおいて、ブロガーが商品やサービスを能動的に情報発信することで、より多くの成功事例が生み出されていくと確信しています」(p231)

科学的に合理的でなければいけないものの、
繊細なアートでなければならず、
かつ、
可能性を追求し続ける職人でなければいけないというスタンス。
その私の思いは、
上記の抜粋部分からだけしても、片鱗をつかんでいただけるのでは思います。
「可能性を追求し続ける職人」という観点からすると、
例えば、218ページで紹介されている、
映画「ハンティング・パーティー」プロモーションの事例。
自身で築かれた成功法則に則った合理的プランニングでも十分なのに、
それに飽き足らず、それに加えて新たなアイディア提案までこなしてしまい、
新たな成功事例を創り上げてしまっているところなどは、
そのスタンスが顕著に表れている実例だと思いますし、
新しいメディアを扱う広告マンが、
常に大切にしなければいけないスタンスだと思うのです。
 
 
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だいぶ長くなってしまいましたが、
上記のように、もろもろ書いてきたことからして、
私は、ネット広告の世界に入り始めた人には、特に読んで欲しいなと思いました。
(しかも、難解なところがなく、わかりやすく読めます)
インターネットは機械です。ツールです。
でも、その周りにいるのは人間たち。
広告の仕事は、簡単なものではないし、
機械をいじるような仕事ではなく、生き物をいじるようなもの。
もっと言えば、生き物とともに成長させていただくような仕事だということです。
(理想的過ぎるでしょうか?)
 
 
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そこまで紹介していくというところは、
今回、松本さんが意図したところからは、はずれることなのかもしれません。
ただ、本書を拝見して、
また、松本さんの過去のご活躍を拝見させていただいた身としては、
そういうところまで考えさせられるだけの、
いわゆる「にじみ出てくるもの」があったということは、
お伝えしておきたいと思いました。
それはおそらく、
業界の草創期より、他に振り回されることなく、
また安易に迎合することもなく、
しっかりした御自身のポリシーをもって活動されてきた結果から、
おのずとにじみ出てきたものなのではないかと推察します。
 
 
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ネットを愛し、広告を愛する・・・。
御本人いわく「不器用」などと過度に謙遜されますが、
芯のある哲学をもって、雑音に迷わされずに、まっすぐに歩く方。
そういう強いスタンスをもち、
ネットを愛し、広告を愛する男。
だからこそ、こうした本が生まれたのではないかとすら思います。
偉そうなコメントで恐縮ですが、
広告の仕事に携わっている人たちは、
その仕事の難しさに、もっと想いを馳せるべきだし、
その奥の深さに、もっと真摯になるべきだし、
安易さとか、気楽さとか、
急がば回れの逆を行く合目的的ショートカット発想などを捨てて、
職人としてのまじめさを、改めて追求すべきではないかと、
私は思うのです。
(もちろん自分や自社に対する自戒も込めて書いています)
 
 
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広告の仕事に携わる人間としての感想は以上です。
一方で、ブログを生活に活かしている者としては、
「仕掛ける側」視点の本書の次に期待したいのが、
本書の第1章を軸とした、「ブロガー側」視点の書籍です。
ここのところ、おそらく需要はあるでしょうし、
松本さんならではの骨太な成功法則が、
きっと期待できるのではないかと思うのです。
冒頭に記載した、ぜひ一読していただきたいなと思うターゲット
(1)ブログプロモーションに関わっている方々
(2)ネットを取り扱う広告代理店関係者(特に若い方々)
(3)パワーブロガーの世界をのぞいてみたい、仲間入りをしたいという方々
のうち(3)向けの本ですね、
結果として、(1)(2)にも、新しい刺激が提供されると思うのです。
いやぁ、この本、とても良い本でした!
■追伸:
ちなみにこのブログ記事は、
著者や出版社から依頼されて書いたものではありません(笑)。
なお、上記(3)視点からのおすすめ本を、以下に紹介しておきます。
  
 

 
 
 
 
 2008年7月24日             渡邉 裕晃
 
 
サムスル
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【 1×1×1=100を創る「成長縁(R)」創出カンパニー 】
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