2017年も残り一ヶ月を切りました。新たに来年の手帳を買って、どんな年にしていこうかと思案をしている人もいるでしょう。また、これから自分にあった手帳を探したいという人もいると思います。
そんな中、今回ご紹介する書籍はいわゆる「手帳術」の本、「超一流の手帳はなぜ空白が多いのか?」です。出版社から献本いただき、拝読させていただきました。
3000人以上の手帳を見てきた経験から、「超一流」の手帳に共通するのは空白が多いことだという著者。本書ではその秘密が書かれています。単なるテクニックとしての手帳活用術だけでなく、手帳を通じた自己啓発本にもなっているのが特徴です。
目次
手帳の活用で、未来を変えることができる!
Amazonに掲載されている「内容紹介」では、このように書かれています。
■内容紹介(amazonより)
仕事の生産性が劇的にアップする超・手帳術 「ビジネスパーソンの手帳は、予定やタスクでびっしり埋まって一人前」そう一般的に思われているが、じつは、超一流の手帳はむしろ「空白」が多い。 そこで本書では、高級外国車業界で、その圧倒的な実績から伝説の存在となり、現在コンサルタントとして活躍している高塚苑美氏を著者に迎え、超一流の手帳の空白の秘密を解き明かしながら、仕事ができるビジネスパーソンになるための手帳の使い方を解説する。 |
空白の秘密については本書を読んでいただくとして・・・。
「手帳」の使い方は人によって様々で、「こうあるべし」というのも人によりけりだと思いますが、私が本書で賛同できるのは、手帳は単に過去を記録するものでもなければ、業務管理をするだけのツールでもなく、未来を変えていくためのツールにもしていけるのだという点です。
手帳の活用目的は、日常のスケジュール管理だけ?
もちろん「日常のスケジュールを管理するツール」としても大事なのですが、そうすると手帳の予定欄を埋めることで満足してしまうという結果にもなりかねません。毎日の予定に支配されて生きる・・・という感じでしょうか。いわば「指示された予定を管理する」というやり方ですね。
一方で「未来を変えていくためのツール」としては、例えば半年後、あるいは1年後に「こうなりたい」という自分があって、そこから逆算して今月は何をすべきか、今週は何をすべきか・・・と。そこから考えて、「自ら予定を作る」というスタイルです。
本書は、「指示された予定を管理する」という側面に加えて、「自ら予定を作る」というスタイルを提唱している書籍だ・・・と私は受け止めました。
著者の経験を通じて生み出された手帳の活用術
著者紹介に「高級外国車業界で、その圧倒的な実績から伝説の存在となり」とありますが、多忙を極めるキャリアウーマンとして、予定の効率的な管理をしなければいけないという状況から「手帳」を見つめるようになります。
また、さまざま人物との出会いから、著者が「超一流」と感じた人たちの手帳を見せてもらうという過程で、自分なりの手帳活用術を発見します。その中では、いわゆる「手帳マニア」にもなり、いろいろな手法にチャレンジしては軌道修正をしていって・・・となるわけですが、それらもひっくるめて、自らの経験に基づいた手帳活用をまとめているのが本書の特徴といえます。
そういう意味では、もっともっと手帳をうまく活かしていきたい!と思う20代、30代の皆さんには、刺激になるところがありそうです。読みながら「自分だったらこうだな・・・」と考えさせられる、そんな材料が豊富に提供されている、という感じですね。
手帳活用のポイントは「超一流の人は」に縛られないこと!
ただ、私が気になったのは、「超一流の人は・・・」という記述が非常に多いこと。「超一流の人は、・・・・です」という表現が多く、「超一流は、こうしています。だからそうすることが大切なんです」と、その手法の良さの根拠が明確でない部分が多いように感じられました。
特に本書の後半部分に多く(私が気にしすぎなのかもしれませんが)、うがった見方をすれば、年末の手帳セールシーズンに間に合わせるため、執筆を少し急ぎすぎてしまったのかな・・・なんて感じもしました(間違っていたらすみません)。
でも根拠が明確であろうとなかろうと、自分で読んでみて「これ、いいかも」と思うところがあれば、どんどんやってみたらいいと思います。自分でやってみて、軌道修正して、また自分なりにあったかたちにしていけばいいのですから。
自分の頭で「手帳の有効活用」を考えるきっかけに
いずれにしても、本書を通じて主張されていること。つまり「日々の時間を管理するためのツール」を超えて、「将来なりたい姿に近づくための行動計画ツール」にしていくと、もっともっと人生が楽しくなるよ、というのは非常に共感。単なる時間管理だけでなく、目標達成のための行動管理へ、です。
「目先の対処をするためのツール」にするだけではもったいなくて、「未来を作り出すためのツール」にしていくべきだよと。だから、「毎週必ず2時間は手帳を見つめる時間をつくり、これから1ヶ月の予定をじっくり考える」とか、「常に今から3ヶ月先の予定までを構想しておく」とか、そういう習慣は非常に大事ですね。
内容は複雑ではなく、講演を聞いているような感じでサラッと読めます。それこそ本書も「空白が多い」と感じられなくもないのですが(毒舌ですみません)、逆に言えば、自分の頭で「手帳の有効活用」を考えるきっかけを与えてくれる本だなと感じました。
スケジュールはアナログの手帳で管理する? デジタルで管理する?
さらに言えば、本書ではあまり触れられていませんが、「スケジュール管理は紙の手帳かデジタルか」という問題について、「デジタルだと時間管理ツールにとどまるものの、紙の手帳だと時間管理ツールに加えて、未来を変えるための行動管理ツールとしても活用しやすい」ということが言えるのではないかなと感じました。
手帳を活用することで将来の自分をさらに大きくしていきたい、そんな若者の皆さんにオススメしたい一冊です。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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