起業家ブームの甘い夢と厳しい現実|その落とし穴や倒産事情を考える

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起業というと、元気で華々しいことばかりが語られがちですが、その一方で数々の失敗が繰り広げられていることも事実です。今回取り上げた2誌は、そうした部分に焦点が当てられています。

(1)「起業家ブームの甘〜い夢と厳しい現実」 『週刊SPA!』
(2)「起業の落とし穴、徹底研究」 『アントレ』

前者の副題は「国を挙げて大騒ぎした割に、起業環境は旧態依然。起業家になるのが自己目的の『気分はビル・ゲイツ』君も」というもの。そして後者には「倒産!? 切り抜けた人、墜ちていった人……ここが違ってた! すぐそこに潜む危機」という題が付けられています。それぞれ参考になります。

設立期・創業期・成長期・安定期という四つの段階に分けて、それぞれの時期においてどんな問題が発生しやすいか、といった解説や予防策がまとめられています。また、夢やロマンだけで安易に起業してしまった人が、いざ起業してみると、地道で厳しい雑用だらけに直面したり、弱小ゆえに何か問題が発生しても、助けてくれずに泣き寝入りせざるを得なかったり、といったことも紹介されています。

要は、会社を起こすという意味での「起業家」になるのは誰でも簡単にできるけれども、本当に会社をうまくまわして成長させ、人を育て、社会に貢献できるという意味での「企業家」になるのは至難の業なんだ、ということなのだと思いますね。

日経BP社の『倒産の研究』が好評を博してから、「倒産」に関する本がたくさん出版されています。なかには倒産させたことを誇るような本まであって(たとえば「25億の負債をつくった男」といった感じの題名)「おいおい、それは違うだろ」と言いたくなるものもあるほどです。

倒産した中小企業の経営者たちが集う会として有名な「八起会」の野口誠一会長は、今月に入って、中経出版から倒産事例の検証を中心とする本を出版されています。二冊ほど刊行されていて、今後続刊が出るとのことです。ちょっと見てみたところでは、倒産事例が多く収められているので、どうしても一社あたりの分析に割くページが少なくなっていますが、全体的に見ると、割と良質の本なのではないかという印象を受けました。近々読んでみたいと思っています。

かつてビスマルクは「凡人は自分の失敗に学ぶ。私は他人の失敗に学ぶ」と言ったそうですが、いずれにしても、成功だけでなく失敗も、きちんと謙虚に受け止めて分析をし、そこから自分なりの教訓や参考点を見つけだすということ。これは、本当に大事なことですよね。

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