漠然とした課題があるとします。そして、それに対する抜本的な解決策が思い当たらない場合、皆さんは、どうされますか。 私は、とにかくわかりやすい目標をつくってアタックしてみるのも、一つの有効な方法になることがあると思うのです。
先日、野田聖子さん(元郵政大臣)と小渕優子さん(小渕元首相の娘さんで、後継の代議士)のラジオ対談を聞いていました。
小渕元首相は、首相就任時、支持率がとても低い状況でした。きっと悩まれたことと思います。そのような環境下で、小渕さんはこう考えます。「会えば必ずわかってくれるはず」と。そして、「首相在任中に、少なくとも1000万人の人たちに会おう」という目標を立てたというのです。
これを、あまりに単純すぎる! と見下すのか、面白い!と思って、自らの人生に活用できないかどうか考えるか、ここが、新たな一歩を踏み出せるかどうかの分かれ目になるのではないでしょうか。
小渕さんは、目標を達成するために、例えば土日の空いた時間などは、できるだけ人の多い施設などを訪問するようにして、毎日どれくらいの人たちと会えたか(厳密には「目に入った人数」「想定来場者数」などでしょうが)を、帰宅してから、本当に毎日記録していたとのこと。
支持率はいろいろな要素で決まってきます。一時的に支持率を上げる方策は思いつくかもしれませんが、長期的に支持率を上げていくには何をすべきかという課題への単純な解決策は、一概には言えないものだと思います。かと言って、何もしなければ事態は変わりません。
彼はそこで、単純な小課題、「会えばわかってくれるはず」というテーマを設定するわけです。非常に単純です。しかし、単純だからこそ、継続してアタックできるし、自らを鼓舞できるという側面もあるのではないでしょうか。そしてそれは、課題解決への序章として、非常に重要な段階であると思うのです。
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ビジネスにしても、仕事で思うような成果が出せない、独立したいがネタが見当たらない、等々、いわゆる漠然とした課題というのは、いろいろあると思います。
小課題を設定し、アタックしてみる。笑われてしまうような単純な小さな課題であっても良いと思います。
入社したての方であれば、近年は、新卒さんでも即戦力が要求される時代です。例えば、入社して2ヶ月しか経過していない中で、仕事の実績が上げられないと、悶々とする人もいると思います。
だとしたら、例えば「朝7時に出社する習慣を始めてみる」とか「毎日上司に、何でも良いから●件の質問と提案をしてみる」とか、本当に単純なテーマでも良いのです。
複雑な問題ほど、単純な小課題の必達から、課題解決の道が開けることがあるのだと思います。逆に、ごくごく単純な小さなテーマが達成できないようであれば、複雑な問題解決ができるはずがありません。大きな課題も、小さな一歩の貫徹から。単純な習慣化が、大きな実績への意外な突破口になるのではないか、そう私は思うのです。