「インドネシアでは、eコマース市場は伸びるのか?」
これに関する予測は、すでにいろいろなところで論じられています。
今回、インドネシアの有力メディア「Tempo」が、それにまつわる2つのコメントを紹介していたので、ここでご紹介します。
インドネシアの政府高官による将来展望コメントと、ネット通販大手「ブカラパック」(Bukalapak.com)の創業者、ムハンマド・ファジリン・ラシド氏によるコメントです。
目次
インドネシアのeコマース、成長性と有望性は?
【画像:「携帯電話を使ったeコマースのトレンドは、ひきつづき上昇へ」というTempo誌の記事より】
「携帯電話を使ったeコマースのトレンドは、ひきつづき上昇へ」Tren Jual Beli Online Menggunakan Ponsel Naik Terus | Tempo Bisnis(09 FEBRUARI 2016 | 15:23) |
なお今回の記事は、とても軽い内容です。深い分析はされていません。はっきり言えば、異なる2人のコメントを紹介しただけで、分析が無いどころか、あまりつながりもありません。(「お前のブログも単なる翻訳記事だろ」と言われてしまうとそれまでですが)
ただ、この分野に詳しくない人でも、「ほー、やっぱり伸びていくのか・・・」と、なんとなく感じることができる内容にはなっているかなと。
インドネシア語がわからなくても、映像を見るだけでも、その勢いがわかる・・・、そういう内容の「ブカラパック」のテレビCMもいくつかあるので、そのYoutube映像も含めて、本ブログでご紹介します。
「ブカラパック」が制作する映像は、かなりレベルが高いですよ。
ネット通販大手、ブカラパック代表と政府高官によるインドネシアの将来展望
まずは、Tempoの記事内容について。次のようになっています。
(本当に内容が薄いので、びっくりしないでください)
Arief 局長は昨年のデータを示して、世界における携帯電話の普及率は98%だと言う。東南アジアの普及率は119%。一方でインドネシアはすでに121%に達している。携帯電話を利用したビジネスの上昇(渡邉注:具体的に何を指しているするかは不明)は、2016年に18.6%になるだろうと見る。
さらに続けてArief氏が語るところによれば、2015年時点で世界のインターネットユーザーの60パーセントにもおよぶ人々は、25歳から29歳の若者たちで占めている。オンライン上での商取引という市場は、非常に可能性にあふれていると見る。彼が言うには、インドネシアにおけるオンラインビジネスの取引の価値の潜在力は、2016年には200億ドルから280億ドルに達する可能性があるという。
オンラインのマーケットプレイス、ブカラパック(PT Bukalapak.com)の創業者であるムハンマド・ファジリン・ラシド(Muhamad Fajrin Rasyid)氏が語るところによれば、インドネシアの中小企業事業者で、マーケットプレイスのサイトを活用している企業はすでに多く、少なくとも60万の中小企業が利用しているという。
ムハンマド・ファジリン・ラシド氏によれば、「アセアン経済共同体(AEC)」時代は、中小企業にとっては、競争力をもつ機会にすることができるという。2015年において、商取引のためにブカラパックのサイトを利用したユーザーは、すでに約250万に達している。彼が言うには、ブカラパックで商品を販売している中小企業の多くは、インドネシア全土に広がっている。「アップロードして販売している人が増えるにつれて、ますます競争力をもつだろう」と語る。
という内容の記事。はい、それほど深い記事ではありません。
ネット通販大手のマーケットプレイス「ブカラパック」とは?
ただ、上記をふまえて、ぜひとも見ていただきたいのが、マーケットプレイス「ブカラパック」のテレビCMです。
その前に「ブカラパックって、どんなサイト?」について。2014年2月にアイレップが資本・業務提携をしているのですが、当時のプレスリリースでは、「ブカラパック」についてこう説明されています。
PT Bukalapak.com は、インドネシア大手ECサイトの一角であり、中小企業や個人事業主が同サイト上に出店し、一般消費者向けに物品を販売するC to C のマーケットプレイスです。インドネシアのEC市場を牽引するECサイトとして、自転車、玩具、電化製品、家具、カメラ、PC、ファッション等、同国最大規模の商品を多数扱っています。
インドネシアの旺盛な中間所得層の消費市場の立ち上がりとインターネット・モバイル普及率の向上を背景とし、同サイトの訪問者数は対前年で250%を超える成長率を誇ります。
インターネット場でモノを売りたい人が気軽に売れて、インターネットユーザーであれば、安心して買えるサイト・・・。とイメージすればわかりやすいかなと。
ちなみに「ブカラパック」(Bukalapak)の「Buka」は「開ける」、「Lapak」は、「売店・露天」という意味です。
マーケットプレイス「ブカラパック」のテレビCM
では、次の3本の30秒CMをご覧ください。「ブカラパック」のサイトについてだけでなく、「インドネシアはECが伸びていて、今後も伸びそうだな」ということが、イメージとして、なんとなくの雰囲気や勢いがわかるかと思います。
オンラインで買いたいなら「ブカラパック」で買いましょう。
売り手が信頼できるから、偽物をつかまされることはないよ!と。
「ブカラパック」で買えば、ちゃんと迅速に届く!
4日以内に届かなかったら、100%返金保証!
(決済手段に「ブカラパック」経由を選択した場合)
オンラインで買いたいけど、詐欺が怖い・・・というあなた。
ぜひ「ブカラパック」で! 保証があって安心。
売るのも買うのも簡単だよ! と。信頼性アピール。
そして、こちらはテレビCMではなく、1分半の説明映像です。インドネシア語がわからなくても、見ているだけで、なんとなくイメージはつくかなと。買い方と売り方の解説で、すごくわかりやすいです。
ちなみに、「ブカラパック」の活用をめぐる、コミカルなドラマもあるんです。毎週水曜更新の5分ドラマ。ネットを使って、モノを売ったり買ったりする悲喜こもごもを、ドラマ形式でまとめているのですが、これ、クオリティー高いです!
例えば、インドネシア語がわからなくても、この第15話は、わかりやすいです。
今後も成長が期待されるインドネシアのeコマース市場
インドネシアでeコマースが伸びるという予測は、いろいろなところで言われていること。でも改めて、こうした映像を見たり、こういうCMがインドネシアで流れているのかとわかると、どこなく肌で感じられるところがありますよね。
また違った角度から、インドネシアのeコマースについての理解が進むのではないかなと思って、ブログで取り上げてみました。
インドネシアのeコマース事情については、本ブログでも、引き続きウォッチしていきたいと思います。
【追記】2018年のインドネシアのeコマース市場の成長率は78%に!!
イギリスの金融サービス会社「PPRO」がまとめた報告書「Payments & e-commerce reports」によれば、インドネシアのeコマース市場の2018年における成長率は78%としています。調査対象とする10ヶ国の中では、インドネシアがナンバーワンだったようです。
インドネシアの現地英字新聞「ジャカルタポスト」の2018年10月29日付の記事「Indonesia tops global list of e-commerce growth: Study」でも同レポートが紹介されています。
インドネシアにおけるeコマースの高い成長率は、東南アジア圏で見てもナンバーワンであるようです。
・インドネシア:前年比78%増で、市場規模は72億USドル
・フィリピン:前年比51%増で、市場規模は16億USドル
・ベトナム:前年比32%増で、市場規模は26億USドル
なおインドネシアはナンバーワンの数字を出しているものの、人口規模からすると、まだまだ小さいとも指摘しています。将来のポテンシャルは大きく、引き続きの大きな成長が見込めると見ているようでした。
インドネシアの場合、広い国土と数多くの島があることから「物流」の整備が喫緊の課題となっています。多くの人口と高い若者比率、購買力の上昇や急速に伸びるスマホ浸透率などもあり、市場としては有望です。物流インフラの伸びが進めば、さらなる成長をもたらすことになるでしょう。
なお、イギリスの調査会社であるマーチャントマシーン(Merchant Machine)は、同レポートを活用するかたちで、以下のようなとても見やすいウェブサイトを開設しています。ぜひ御覧ください。