インドネシアでは、いわゆる「スタートアップ」企業が次第に存在感を示すようになってきています。
インドネシアといっても、首都ジャカルタがメインですが、小さなベンチャー企業から始まって、大きな会社へと急成長していく存在。インドネシア政府も、スタートアップ企業の誕生と育成に対し、今後さらなる力を注いでいきたいとする姿勢を明らかにしています。
(今まで、何度かブログで取り上げました)
そんな中、インドネシアの主要メディア「Kompas」が、スタートアップ企業の新しいオフィス概念や、新たな「働き方」、一緒に同じスペースで仕事をする「コワーキング」といったものが、インドネシアでも注目され始めていることを記事にしていました。
インドネシアのスタートアップ企業の動向や、それを支援するビジネスの行方なども、今後気になるところ。そこで今回は、この記事をご紹介します。
スタートアップ企業のニーズを探り始めるインドネシアの不動産市場
【画像:「不動産業のビジネスマンも、スタートアップ企業のニーズを狙っている」とのKompas記事より】
よくよく読むと、特に不動産ビジネスに関心がなくても、ベンチャーやスタートアップに関心があれば(特に初心者)、おそらく興味がわくはずの記事になっています。
「不動産業のビジネスマンも、スタートアップ企業のニーズを狙っている」 Pebisnis Properti Mulai Bidik Kebutuhan “Startup” – Kompas.com(2 April 2016 | 13:28) |
記事内容は次の通りです。
インターネットのおかげで、スタートアップ環境の中で多忙にしている若いビジネスマンたちは、リモートで仕事をすることができるようになった。しかし、彼らの多くは、一緒に働くための場所にいるということの重要性を理解している。
この問題は、Ciputra Incubator and Accelerator Office of Internal RelationsのディレクターであるIvan A Sandjaja氏が、3月31日に、 Citra Towersで開催された「2016年におけるチャンスと挑戦」というディスカッションで明らかにした。Ivan氏以外にも、このディスカッションでは、Men’s republicの創始者である専門家のYasa Singgih氏も含めて、スタートアップ関係者や若手起業家が招かれている。 彼によれば、ブレインストーミングやプロブレムソルビングの過程は、スタートアップにとって重要なプロセスとなる。この2つの作業は、イノベーティブなアイディアを生み出すよう、より効果的なプロセスとするためには、同じ場所で一緒に行うことが必要になる。 「それに加えて、スタートアップをやっている人たちとアイディアを分け合うといの相互作用がとっても必要なんです」とIvan氏は語る。 さらには、スタートアップをやっている人たちは、その若さゆえに、よりカジュアルなスタイルを選択する。彼らはフォーマルを好まない。「仕事」に行くということは、快適な服装でなくてはいけない。そのために、彼らが毎日使っているオフィススペースもまた、そうしたスタイルを反映させたものではなくてはいけないのだ。 必要とする部屋は広いなくても構わない。仕事をするのに快適であれば。それに加えて、彼らはリフレッシュするためのラウンジやカジュアルな会議室、レセプションなどを必要としている。 そうした需要をつかまえるために、Ciputra Residence 社は、ジャカルタ・クマヨランにあるCitra Towersを紹介する。オフィスの部屋面積は18平方メートルからあり、スタートアップをやっている人たちの嗜好に沿うように設計されている。また、ここで目玉となるのは、複数のインターネットプロバイダーから構成されるインターネットインフラのネットワークにある。 「ここに用意されている様々な設備は、スタートアップからの需要にefisiensiに応えるものです。このオフィスは、日々のオペレーションコストを下げることにつながる「green concept Excellence in Design for Greater Efficiency」の認定をすでに取得しています。エネルギー消費の節約は、27%にまで至り、水の節約も45%に達するのです」と語る。 実際、小売業やサービス業だけでなく、不動産業においてもインドネシアのスタートアップの成長の可能性に目を向けるようになっている。ビジネスチャンスは、ますます広くなっている。 彼が語るには、スタートアップは、そうしたたくさんのビジネス機会の中の一つにすぎない。この比較的新しい専門用語は、新しい事業が社会に新しい様々な価値を与えていくためのイノベーションを招来することを意味している。 「キーワードはイノベーションです。それがなければスタートアップと呼ぶことができないのです」とIvan氏は語る。 しかし、Men’s republicの創始者であるYasa Singgih氏によれば、今日の積極的なスタートアップ関係者にとって最も大事な問題は、様々な関係者がお互いにコラボレーションしなければいけないということだ。適した場所で会話をすることは、彼らの急速な発展のための大きな手助けになるに違いない。 「広いネットワークの中にいることで、投資家から資金を調達するためのコネクションを構築することも容易になるはずです。しかし、スタートアップにとって最も大事なことは資金調達をすることだけではありません。社会にどのようにインパクトを与えるか、ということです」とYasa氏は語る。 将来において、インターネットの進歩は、ビジネスの変化をおさえつけてきた様々な制限を、ますます削り取っていくだろう。様々なオンラインショップが誕生し続け、製品を展示するためのスペースを新たに借りる必要もない状態で競争する時代になっている。彼らはもはやセールスプロモーションガールを必要とはしていない。1つの場所で働くことだけで、充分に消費者はやってくるのだ。 |
スタートアップ支援を鮮明に打ち出すインドネシア政府
インドネシアが、国をあげてスタートアップ支援を鮮明にしていることは、以前のブログでもご紹介してきました。
インドネシアの格差:先端を行く人たちは世界レベルで意欲的
インドネシアは、いろいろな点で「格差」が大きく、貧富の差、意識の差、などなど・・・。
インドネシアというと、「のんびり」「遅れている」などのイメージがもたれがち。でもその一方で、先端を行く人たちは世界レベルで本当に意欲的に走っているな、というのが私の印象です。
ベンチャーやスタートアップという点で言えば、ジャカルタでその業界に集う人たちの姿を見ると、日米の同業界人と肩を並べるレベル。今回の記事を見ても、その雰囲気の片鱗はなんとなくつかめるのではないでしょうか?
もちろん分野にもよりますし場所によっても異なります。しかしながら、先端をいく人たちは急速に前に向かって走っています。
そうした領域について言えば、もはや「日本がインドネシアに教えてあげよう、育ててあげよう」という時代ではなく、「一緒に成長していこう」という時代になりつつある・・・と私は感じます。
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オフィス環境という点で言うと、私も、ジャカルタのインターネット系の会社を訪問したことがあります。
小さく地味に頑張っているオフィスもありますが、一方で、開放的でオシャレな雰囲気のオフィスもありました。
レンタルオフィスもいくつか見学させてもらいましたが、「時々、同じフロアの別の会社の方と会話をしたりして、刺激を受けたりするんですよ」なんて話を聞くと、インドネシアでも、こういうオフィス環境が生まれてきたんだなぁと、新たな時代の到来を実感させます。
インドネシアの今後は、ますます注目ですよ・・・。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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