「下積み時代」の意味を考えてみたことはありますか?
お笑い芸人で、「お笑いタレントスクール笑学校」の初代校長でもあった、はらみつおさん。私は、はらみつおさんから実にたくさんのことを教わったのですが、その一つは「下積み期間の重要性」でした。
言い換えれば、「地道な努力や継続することの大切さ」とも表現できるかと思います。
私は、毎月社員に給与明細を手渡す際に、コラムを同封するようにしているのですが、ふりかえってみると、2005年の9月に書いたコラムは、はらみつおさんから教わったことを題材にしたものでした。
まだブログにアップしていない内容だったので、紹介したいと思います。
(一般公開にあたって、一部加筆修正しています)
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「だって、彼は十年選手だからね」
「彼らは地味だけどさ、でも、ちょうど十年も地道にやってきているんだもの・・・」
これは、私にいつもいろいろなことを教えてくれる知人で、
お笑い芸人養成学校「笑学校」の校長をつとめる、
はらみつおさんが、よく口にする言葉です。
一発屋のお笑いタレントであれば、大した修行はいらない。
けれど、本当に実力を伴った息の長い芸人になるには最低でも十年は必要で、
十年間、地道に基礎をこなせばそれなりの存在にはなれる
というのです。
いかに面白いネタをつくれるかはそれほど重要ではない。
例えば、きちんと声が出せるかどうか。
こういう基本的なことがきちんとできるかどうかが、
一つの分かれ目だと言います。
下積み期間中に、どれだけ基礎を集中してこなしてきたか、
身体にたたきこんできたかがポイントだと。
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一人前になるまで十年もの時間をかけているわけにはいかないのが「営業マン」ではありますが、「基礎をどれだけ愚直にたくさんこなしてきたか」という点は、営業マンとしてのスキルアップの意味でも共通しているように思います。
私の知人の部下は、とても仕事のできない人でした。
営業からスタートしたものの、営業成績は同期の中でいつも最下位。
まともに敬語を使えないというだけでなく、
お客様の前では全く話せず、電話もきちんとこなせない。
そんな彼にも一つだけ、
上司からとても高く評価されていたポイントがあったそうです。
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指摘された注意は必死になって改善しようとする。
失敗を繰り返しても、とにかく虚心になって数をこなす……。
仕事ぶりではいつも最下位の彼ですから、
基本的な部分ですら毎回のように躓きます。
でも、彼は基礎だからといって無視したり軽んじたりすることなく、
とにかくいつまでも愚直にこなしていったのです。
目茶苦茶な敬語を使いながら、
上司から「止め」と言われるまでいつまでも電話をかけつづける姿は、
周りにも驚きをもって見られたようです。
彼は今、その会社の子会社の社長を任されるまでになったそうです。
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基礎をきちんとこなすことがどれだけ重要か。
芸人の世界でプロになる上でも、
サラリーマンの世界でプロになる上でも、
共通したポイントであるように思います。
スポーツの世界でプロになる上でも同じことが言えるのではないでしょうか。
基礎がこなせるようになれば、
いざという時にいくらでも応用が効く人間に、
いつのまにか成長してしまうということです。
お笑いの世界で言えば、
基礎が完璧にこなせる人は応用がきくようになるし、
その段階までいけば、
多忙ゆえに自分でネタをつくることができなくなったとしても、
ネタを用意してくれる別のプロ(脚本家)が現れてくれるそうです。
基礎ができない一発屋は、
そういうネタが提供されてきたとしても、
それを演じるだけの実力がないから成立しないのです。
助け舟が来ても退場することになります。
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そして、これを逆の視点から見れば、また面白いことがわかります。
毎日の仕事の中では、
時には自分の行き詰まりを感じる局面が出てくるかもしれません。
でも、どうしようもなく行き詰まったように感じても、
基礎固めをひたすら続けていけば、
その困難な状況を一点突破できるまでの時期を短くすることはできる
ということです。
そして、基礎を完璧にこなして応用がこなせるようになれば、
営業の領域を越えて、
子会社の経営という別領域の役割を任されたとしても、
なんとか頑張って活躍していけるということです。
でも、
基礎をないがしろにして、運良くはいあがってしまった人は、
あとで使いものにならない状態になってしまうわけです。
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さて、一般的にいわれることですが、
「どんなにつらくても、少なくとも3年は同じ会社でチャレンジしてみろ」
という言葉があります。
基礎をたくさんこなしていけば、
いつの間にか、地に足の着いたかたちで応用の効く人間に成長できます。
今日は2007年3月16日。
3年後は2010年3月16日です。
小さな努力であってもきっちり継続すること。
継続できたら、もっと大きな努力に取り組むこと。
そしてさらに継続・・・。
3年も経てば、きっと様変わりします。
一歩も二歩も成長して、「様変わり」を実現させていきましょう。
そうして、自分を、会社を、後輩を、お客様を、
様変わりさせていけるような人材になっていきましょう。
人生、一度きり。
様変わりさせることを通じて、
周りに対して感動も生み出せるような存在になっていきたいものです。
■参考:このテーマに関連するブログ記事です。こちらも、どうぞ。
2007年3月16日 渡邉 裕晃
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