お坊さんの求人、僧侶への転職。「えっ、そんなのあるの?」と思いますか? 実は意外とあるらしいのです。今回のテーマは、「お坊さんに転職して成功する人の条件」。
ある高名な住職にお話をうかがう機会があり、ブログにまとめてみたいと思います。
先日メルマガ131号(8月29日号)で書いた、「あるお坊さんが自らの成長を達成できた理由」。意外と好評だったので、今回また、関連ネタということでお届けすることにしました。
お坊さんに転職したいという人たちがいる!
この住職から、ある時、こんな話をうかがいました。
「最近は、60歳を過ぎた方でも、お坊さんに転職したいっておっしゃる方が来られるんですよ」
「えっ、お坊さんに転職する?」
私は、びっくりしました。お坊さんや僧侶に転職するなんて・・・と。
「そんなこと可能なんですか?」
すると、
「えぇ、意外といらっしゃるんですよ」
「でもね、結構お断りすることが多いんです」
「なぜですか?」
この住職は、私が見る限り、とてもビジネスセンスの長けた方。前回のコラムを読んでいただくとわかっていただけると思います。そして、今回、この理由を尋ねた時、「あ、ビジネスの現場と一緒なんだ」と素直に驚いたことを今でも覚えています。どういうことなのか、順番にご説明しましょう。
彼らはなぜ、お坊さんに転職したいのか?
住職は言います。
「なんでお坊さんになりたいのか、とか、今まで、どんなお仕事をされてきたのか、うかがうんです」
すると「僧侶に転職したい」というきっかけとして、例えばこんな回答が来るそうです。
(1)お坊さんは、楽そうだから。 (2)今の仕事が辛いから。 |
もちろん、立派な志望動機のもとに門をたたく方も、きっと多数いらっしゃるものと思います。
でも「僧侶に転職したい」という希望があったとしても、そういう後ろ向きの話をする方や、前職を悪く言うような方については、その場でお断りをされるそうです。
お坊さんに転職して成功する人の条件
一方、お坊さんに転職して成功する方の条件をうかがうと、「前職に対して誇りをもって一人前に立派につとめられた方」とのことでした。
ビジネスの世界と同じことに驚きました。
「前職から逃げてくるような人はだめですわ。そういう人はね、修行が続かんのですわ・・・。途中で弱音をはいてね、自分から辞められますよ。逃げ癖がついているんですよね」
ある時、「僧侶に転職したい」と、60歳のタクシー運転手さんがいらしたことがあるそうです。この方の場合も、まさに前述したような「逃げ」のパターンであったため、その場でお断りをしたといいます。
この時に住職は、こんな風に伝えられたそうです。
「今のタクシー運転手という仕事について、深く誇りをもてるようになったら、いらして下さい。今のタクシー運転手という仕事について、一人前の業績を出せるようになり、立派に仕事ができるようになったら、いらして下さい」と。
一方で、60歳を超えるような年齢の方であっても、前職を立派につとめあげられた方は、お坊さんになっても、立派につとめあげられる方が多いと言います。
課題に取り組み続ける姿勢こそが、成功を引き寄せる
日本は大変恵まれた国で、ちょっと仕事でつらいことがあって辞めたとしても、ちょっとやそっとでは、生活に困ることがありません。選ばない限り、仕事はいくらでもあります。転職をあおるような会社すら、あるくらいです。
でも、自分なりに正当な理由づけをして、自分を納得させたとしても、「逃げ」は「逃げ」でしかありません。
目の前の課題にしっかり取り組む。
自らのテーマとして、なんとか解決しようとふんばる。
常に自分を高めようと考え、日常の困難打開を通じて幸せを勝ち取る。
そうした姿勢がなければ、人間としての輝きは生まれないように思います。まさに「転職は慎重に」です。
「灯台下暗し」とはよく言ったもので、目の前の課題をクリアせずして、夢はつかめません。「自分探し中」という人の多くは、その今の状態こそがその人自身なのです。
きっと誰しも、一人前になれずにいるのを嘆くだけの人よりは、一人前になろうとして、必死に格闘している人の方が、一緒にいて楽しいものですよね。というわけで、今回は「お坊さんに転職して成功する人の条件」についてお話ししました。何らかの参考になれば幸いです。
このコラムは、2007年9月5日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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