「目標を達成させたい!」これは、誰もが思うことでしょう。仕事の目標、プライベートでの目標。いろいろあると思います。
目標達成を早めるために、よく言われるのが、「紙に書き出しましょう」ということ。
紙に書き出すことで、夢の実現が速まるというわけです。さて、紙に書き出せば実現するのでしょうか。
「昔から日本は和の国だからね・・・」と言われることがあります。その根拠として使われるのが、有名な言葉、「和をもって尊しとせよ」というものです。
正確には、
「一に曰く、和(やわらぎ)を以(もち)て貴(たっと)しとし、忤(さか)ふること無きを宗とせよ」 |
これは、厩戸皇子(聖徳太子)が制定したとされる、「十七条憲法」の一節になります。
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厳密に言うと・・・、この「十七条憲法」には、後世の偽書であるという説もあり、また、聖徳太子の存在自体にも疑義が出ていることもあり、これをもって、どうこう言うのは難しいのですが、それらの議論は、ここではあえて無視します。
さて、
・「昔から日本は和の国だからね・・・」
・「だって、聖徳太子の十七条憲法に書いてあるしね」
という論理展開。
これは、はたして正しいものでしょうか?
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ちょっとでも歴史をひもとけば、昔から現代に至るまで、ありとあらゆる場面で争いの絶えない歴史であったことは、誰でも容易にわかります。
つまり、和が無い、もしくは、和の少ない状況だったからこそ、和を大事にしようと考えたのではないか、和を実現させたいから、書きだしたのではないか、そう発想するのが自然に思えます。
「強盗はいけません」と制定されているのは、「強盗を減らしたいから」であって、「強盗がいないから」ではありません。
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これは、個人の目標であったり、会社の目標であったりしても同じことです。
例えば、「1か月に●●万円の売上を達成しよう」とか、「1か月に、●●件の新規アポを獲得しよう」と決めることは、「それが達成できていない現実があるから」なのであって、「それが達成できているから」ではありません。「頑張ろう!」と思うのは、「頑張りつくしていない現実があるから」です。
もし、頑張りつくしている現実があれば、「頑張ろう!」と思う余裕すらないはずです。
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目標として定めたことや、紙に書き出したこと、心に決めたこと。
それは、実現していないからこそ決意したことです。
その達成のためにすべきこと。
それを考えて、一つ一つを着実に実行し続けなければ、現実は何も変わらない、ということです。
【このテーマ:次回につづく】
このコラムは、2008年4月26日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2008年5月31日 渡邉 裕晃
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