仕事における自らの「市場価値」を認識することは、
非常に大切なことです。
自分の価値は、自分が思い描いているよりも高いらしい。
もしそうであれば、それだけ多くの人に多くの貢献をする力がある証拠。
でも、その逆で、
もし自分の価値が、実はそれほどでもなかったとしたら、
それに気付かずに過ごしてきた日々は、
ある意味で、悲劇ですらあると言えます。
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数年前、中国にコールセンターを設ける企業が増えた時期があります。
日本語のできる中国人を雇い、
日本語で日本向けに国際電話をかける。
あるいは、
日本の受付窓口に届いた電話が中国に転送されて、日本語で応対する。
国際電話の手間がかかっているものの、
日本にコールセンターを設けるよりもコストダウンになったためです。
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実はこれ、
今、例えば上海などでは、コストが逆転しているそうです。
日本語のできる中国人にコールセンター業務を担わせるより、
沖縄の人にやってもらった方がコストダウンになる。
もっと言えば、
コールセンター業務をやる日本の人よりも、
同じ業務を行う上海の人の方が、高い給与を得ているわけです。
「日本人より中国人の方が給与は低い」
そういうステレオタイプな固定観念をもっていると、
自分の市場価値を見誤るということ。
これは、国レベルだけでなく、
業界レベルや会社レベルで見ても、同じことが言えます。
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もうひとつの事例を紹介します。
ベトナム最高峰の大学をエリートで卒業し、
2つも3つもの外国語をフル活用する力をもちながら、
月額4万円から6万円程度の給与でも、
朝から晩まで喜々として働いているエンジニアたちが
たくさんいるそうです。
「日本人よりベトナム人の方が給与は低い」
もし日本のエンジニアで、そういう固定観念をもち、
適当な仕事ぶりをしていたら、
いつ彼らに仕事を奪われることになるかわかりません。
そして複数言語がフルにできる以上、
彼らはエンジニアという職以外でも貢献する力をもっているのです。
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市場価値を高めるポイントは、
(1)市場価値をいうものを意識すること。 (2)どこでも貢献や価値を提供できるレベルになっておくこと。 (3)今後どれだけの貢献ができそうかという成長期待を きちんと示す力をもつこと。 |
です。
国でも業界でも会社でも同じことが言えて、
どこでも通用する力、
どこでも価値提供できる力をもつということが大切です。
どこの会社でも、どこの業界でも・・・、
そんな力が持てたとしたら、これほど強いものはありません。
この市場価値は、常に変動するもので、
「どこの誰に対しても、高い貢献ができる自分」というものを、
どれだけ認識できるか、どれだけ行動できるかが問われてきます。
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社内で通用する力を持つだけで良いのか、
自ら属する業界で、
どのあたりまで通用する力をもつ自分でありたいのか、
それを意識することが大事です。
これはプライベートも同じ。
仕事だけできるお父さん、仕事も育児もできるお父さん、
料理もできちゃうお父さん・・・、
例えば、それぞれに市場価値が異なります。
この場合に市場価値を意識するということは、
「奥さまやお子様から評価されるようなお父さん像」を
探る営みでもあるのです。
また、「そんなお父さんになるにはどうすべきか」を
自ら考える作業でもあります。
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市場価値を意識することで、
改めて自分の価値を見直すことになります。
その結果「実はそれほどでもないかも・・・」と思ったら、
それだけ余計に努力すれば良いだけの話です。
市場価値を高める努力をするということは、
社内においてみんなに貢献する力を伸ばすことにもつながります。
そして市場価値の高い自分をつくるという作業は、
いつからでも、誰でも努力可能なことですね。
このコラムは、2010年5月22日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2010年5月30日 渡邉 裕晃
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