おはようございます! 渡邉です。 2011年に入りました。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。 仕事始めの1週間が経過。 2週目に入りましたが、調子はいかがでしょうか? 今回は、お正月のある早朝に、 私がファミリーレストランで耳にした、ちょっと良い話を ご紹介したいと思います。 初老のおじさまが語られた、ご自身の昔話です。 では、本日のコラムに入ります! |
とっても良い話が聞けたのでご紹介しましょう。
お正月のファミリーレストラン。
まだ朝7時頃、初老のおじさま2人が、
楽しそうに語り合っていました。
朝7時なのに
「いやぁ、今日は、ずいぶんと飲んだねぇ・・・」という
不思議な会話(笑)
お正月気分だからなのか、ほろ酔いだからなのか、
2人のおじさまの会話は陽気に続きます。
□ □ □
60代のおじさまが語り始めました。
彼が20代だった時の話。
田舎の6畳一間の狭い部屋で、一人暮らしをしながら。
パン工場で働いていた彼。
当時は長時間労働が普通だったので、
朝から晩まで働いていたそうです。
朝早く家を出て、パン工場で仕事して、
家に帰ってくるのは、午後の11時過ぎ・・・。
□ □ □
そんな昔話をしていたおじさまが、
突然、こう切り出しました。
「でもね、当時、俺さ・・・。
一つだけ、自分でこだわって、やっていたことがあるんだ」と。
「えっ、なんだい?」
「それはね、当時は家賃って、手渡しだったでしょ。
だから俺は、決めてたんだ。
必ず、支払い期日の10日前に、
大家さんに直接お目にかかって、お支払いするってさ」
□ □ □
現代では、家賃の支払いは銀行振り込みが主流。
自動引落にしているケースもあれば、自分で振込むケースも。
たいていの場合、支払日が決まっていて、
その期日に振り込む場合が多いでしょう。
大家さんに会うことすらないかもしれません。
□ □ □
でも当時は手渡しも多かったわけです。
高度経済成長の前です。
若者であれば、遅れて支払うような人も多かったかもしれません。
でも彼があえてこだわったのは、
「期日までに支払う」ではなく、
「期日の10日前に支払う」こと。
それを定期的に継続する若者がいれば、
大家さんはどう思うでしょうか?
律儀で誠実な好青年だなぁという印象をもつのではないでしょうか。
□ □ □
さらに彼は話を続けます。
「あと、もう一つやっていたことがあるんだ」
「何?」
「大家さんには、直接手渡しするだろう?
大家さんの家には小さなお子さんもいてね。
だからさ、わざと家賃に加えて、
おいしいパンも、どうぞって、渡していたんだ。
パン工場で仕事していると、もらえたりするからさ」
これまた、そんな若者がいたら、大家さんはどう思うでしょう?
6畳一間の部屋を借り、朝から晩まで働く若者。
場所が場所だけに、何時に家を出て、何時に帰ってくるか。
その息遣いは、大家さんにも自然と伝わる家だったはずです。
□ □ □
ある夜、彼が家に帰ると、
扉の前に野菜が置いてあったそうです。
夜も遅い帰宅時間。
当時はコンビニも無いので、「ありがたいな」と思って、
自分で調理をして御飯を食べたそうです。
数日後もまた野菜。その数日後も・・・。
いったい誰が?
それは、なんと大家さん。
農家である大家さんが、彼のもとに定期的に、
収穫したばかりの野菜を分けてあげるようになったのです。
□ □ □
加えてさらに、彼は言います。
「大家さんのお子さんの誕生日には、
小さな誕生日ケーキも渡したよ。給料安いから、
ちっちゃいやつだけどね。しかもパン工場の(笑)」
大家さんは、自然と彼を応援しようとするでしょう。
□ □ □
整理してみましょう。
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彼がやったことは、それだけのことです。
でも、「それだけのこと」が、
強力な信頼感を創出し、相互扶助と応援の気持ちを
自然に引き出していたわけです。
□ □ □
大した話ではないかもしれません。
でも、「家を貸す、借りる」という関係について言えば、
全てが対面を通さない振込で決済され、
大家さんと借主とがお金だけの関係で済む、
そんな現代だからこそ、
ここには、大事なことが隠されているように思いました。
そんな現代だからこそ、
こうしたリアルのコミュニケーション、
心からのお礼の表現を工夫すること、
それが、より大きな価値となってくるのではないかということです。
□ □ □
誰かが何かをしてくれる。
お金を払えば当たり前?
いや、そうではないんですよね、本来は。
誰かが何かをしてくれる。
よくよく考えてみれば、それは奇跡のように「有難い」ことのはず。
それを「してくれて当たり前」と思ってしまえば、
そこからは何も生まれないのも当然です。
□ □ □
彼がやった「それだけのこと」は、
奇跡と受け止め「有難い」と感じたからこそ、
当然のようにできた行動だったのかもしれません。
だとするならば、
誰かが何かをしてくれることの有難さを
きちんと受け止めることは、とても大事なこと。
□ □ □
「してくれて当たり前」は、何も生み出しませんが、
「してくれて本当に有難い!」は、素晴らしい絆を生むということ。
それは、高度経済成長前の貧しい彼だけに生じたものではなく、
コミュニケーション形態が高度に発達した現在においても、
まだなお起きること。
もっと言えば、そんな現代だからこそ、
より大きな価値をもって起き得ることだということです。
2011年という新しい年を幸せに謳歌するためにも、
ぜひ、身近な日常にあふれる「ありがたさ」に、
今一度、思いを馳せてみたいものです。
このコラムは、2011年1月8日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2011年1月12日 渡邉 裕晃
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