営業活動には、様々なスタイルがあります。
人それぞれ、得意なやり方があって良いと思いますが、(もちろん会社の方針からズレてはダメですが)私が営業活動において大事にしている姿勢は、「お客様のビジネスの成功を考える」ということです。
この視点をもっているかどうかで、営業の成果は大きく変わってくるはずです。今回はこの点についてまとめてみたいと思います。
「お客様のビジネスの成功を考える」というスタンスが重要だと書きました。それを聞いて、「なんだ、そんなの当たり前じゃん」と思う人もいるかもしれません。
しかし、よくよく考えてみて下さい。、「お客様のビジネスの成功を考える」というのは、時として、受注を逃す可能性もあります。
たとえば極端な事例で紹介します。
そのご担当者様は、とにかく資料請求件数を増やしたいと思っている。
「ある広告代理店の提案では、こんなに安く集められるって言ってるよ」
どんなに資料請求が集まっても、購買に結び付かなければ意味がないわけですが、それでも、その代理店のプランの方が安く集まるからやると。
本当なら、ゆくゆくは購買につながるような、意味のあるユーザーがつかめなくては、集める価値はありません。
「資料請求だけして、はいさようなら」
どんなに低コストであっても、そんなユーザーばかりでは、意味が無いわけです。
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「お客様のビジネスの成功を考える」なら、私としては、購買につながらないユーザーを集めることには反対します。
それでも安いからやると。
なら、どうぞ、その代理店でおやり下さい。
というわけで、サムスルは受注を逃し、その代理店が受注をします。
結果としてどうだったのか。
資料請求はたくさん来たけど、購買客がほとんどいなかった・・・。
そんな事例も過去にはありました。
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効率よく受注を集めていこうとするならば、お客様の要望に忠実に沿って、要望通りの値引きをやれば良いだけのこと。
でもそれがお客様のビジネスの成功を招くものではないのであれば、私の営業流儀として、それはいかがなものかと思うのです。
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先日、営業した際のこと。
私は、お客様のビジネスの成功を考えたプランを提示しました。
お客様の事業を盛り上げて、さらにはそれを次世代に対応できるようにしていくためのプランでした。
実はお客様とは、数年前からおぼろげながら議論していて、それが、安価に実現できる道筋が見えたことから、提案をさせていただいたのです。
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長期的に必要なことはわかっている。
ただ、近々の需要は明確化されていないので、進めにくい。
そんな感じで数年が経過しているのですが、それであっても、ちょっとは前進できたという感じはもっています。でも繰り返しになりますが、こういうのは、直近での受注にはつながりにくい、これが難点です。
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でも、これがうまく受け入れられると、面白い展開が見えている。これは仕事の楽しさでもあります。
かつて同じようなケースで・・・、
「それは良い! そこだけ分社化して、本格的に事業展開しようか。渡邉君、そこの役員になってくれないか?」
そんな風に言っていただけた社長さんもいらっしゃいました。
お客様のビジネスの成功を考える。
これは、相手の要望を超えた提案になることもあるので受注が難しいものの、刺されば、次なる展開は、もっと面白いものになっていくのだと私は思っています。
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今回のお客様もそうでした。
「どうやって、進めていこうか・・・。難しい。これは、経営の問題までかかわってくるなぁ、と」
そう、受注が難しいのです。
でも、こんなお言葉をいただきました。
「難しいんだけど、でもこれはいつか進めないといけないはず。そんな気がする。そしてこれがクリアできた時、わが社の新しい展開、新しい地平が見えそうだ。その世界が、ワクワクしたものになりそうなことはわかった。さて、どう進めるか・・・」
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まぁ、提案却下の言い訳にされているだけなのかもしれません(笑)。
でも素直に受け止めて差し支えないとするならば、受注に至っていないものの、私はワクワクします。なぜなら、お客様のビジネスを変革し、ビジネスの成功をもたらすための第一歩になるからです。
こういうものを、どうやって早く数字としての案件にしていけるか、これからの私自身の課題です・・・。
2009年4月14日 渡邉 裕晃
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【社長ブログ】時の運と人の縁をきわめる日々の記録
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【 1×1×1=100を創る「成長縁(R)」創出カンパニー 】
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