日本語教師になりたいという人が増えています。日本語教師になるための登竜門の一つが「日本語教師養成講座420時間コース」です。今回のブログでは、この「420時間コース」について、最短6ヶ月での卒業体験記をまとめてみたいと思います。
短期集中で取り組んでも最短で6ヶ月かかるというプログラムです。私は昨年12月末からスタートさせて、この6月で終了することができました。最短の「6ヶ月」での取得です。ホントに大変でした・・・。また修了できるかどうか、最後の最後まで不安でした。実際に修了証が届き、ひと安心です。
初心者であっても短期集中で卒業(修了)することは可能です。知識面や実践面など、「日本語教師養成講座420時間コース」で学べることや経験できることもご紹介します。
目次
「日本語教師養成講座420時間コース」はホントに勉強になった!!
【写真:「日本語教師養成講座420時間コース」の修了証】
日本語教師養成講座420時間コースは、本当に勉強になった6ヶ月間!! 頭がクタクタになる苦労続きの半年間でしたが、本当に勉強になりました・・・。人によって異なるでしょうが、私にとっては難易度の高い講座でした。
日本語の奥深さを再発見することができましたし、教育のあり方、学習のあり方、その他いろいろなことを考えさせられる貴重な日々でもありました。
というわけで、この「日本語教師養成講座420時間コース」について、最短6ヶ月での卒業体験記をまとめてみたいと思います。
日本語教師になるには?「資格」とされる2つの仕組み
【写真:妻がボランティアで教えるインドネシアの小学校での「日本文化クラス」の様子】
正確に言うと、「日本語教師になるために必要な資格」というのは、ありません。ただ、日本語教師の募集要項を見ると、たいていの場合、2つの項目が記されています。
「日本語教育能力検定試験」に合格しているか、「日本語教師養成講座420時間コース」を修了しているか。もちろん、両方を満たしていても構いません。
今回のブログでは「日本語教師養成講座420時間コース」を取り上げますが、もう一つの「日本語教育能力検定」の詳細については、こちらをどうぞ。
そもそも私が「日本語教師養成講座420時間コース」にチャレンジしたのは「語学マニア」ということもあるのですが・・・、将来、インドネシアに移住することを視野にいれていたことから、「その際、きっと役に立つはず!」という確信があったためです。
そして、「実際のところ、インドネシアに来てから役立っているか?」ということについては、役立っています。詳しくはこちらをどうぞ。
「日本語パートナーズ」に参加するために必要?
なお、日本政府が国際交流基金アジアセンターを通じて行っている「日本語パートナーズ」。アジア各地の中学校や高校に9ヶ月ほど派遣され、現地の日本語教師や生徒のパートナーとして、授業のアシスタントや日本文化の紹介を行うというもの。
この「日本語パートナーズ」の合格を勝ち取るのに、「教育能力検定試験」や「日本語教師養成講座420時間コース」は必要なの? と思われるかもしれませんが、必要はありません。
実際私が住むインドネシアのマランに派遣されてくる皆さんを見ていると、いずれも持っていない方がほとんどです。でも、持っていないよりは持っていたほうが、知識やノウハウがある分、より現場で動きやすくなるという点はあるのではないかな・・・と思います。
「日本語教育能力検定試験」か「日本語教師養成講座420時間コース」か
私は、「日本語教育能力検定試験」にチャレンジするよりも、「日本語教師養成講座420時間コース」にチャレンジすることを選びました。
理由は、年に1回しかない検定だと、せっかく勉強を重ねてチャレンジしても、不合格だと、また1年後に再チャレンジしないといけない・・・。それだと、なんとなく努力が無駄になってしまうような、そんな気がしたためです。
(弱虫ですね・・・)
「日本語教師養成講座420時間コース」であれば、ただ「420時間のプログラム」をこなせば取れる。ならば、そっちの方が簡単そうだ! と考えたためです。
(チャレンジ精神が無いですね・・・)
でも、それが「浅はかな考え」であることは、後にすぐ発覚します(笑)。というのは、この「日本語教師養成講座420時間コース」もまた、本当に大変なプログラムなんですよ・・・。
「理論講座」と「実習活動」から構成される420時間コース
「日本語教師養成講座420時間コース」は、「理論講座」と「実習活動」からなります。
420時間講座の序盤:「理論講座」とは?
「理論講座」は、日本語教師として知っておかなくてはいけない「基礎知識」から、さまざまな「教育現場で必要とされる指導テクニック」まで。いわゆる「お勉強」ですね。
「基礎知識」については、私は「通信教育」で受講しました。指定されたテキストを購入し、ウェブ上でセミナー動画を閲覧するというもの。すべて終了すると、実際に教室へ行って、テストが行われます。私は、お世話になった学校のスタッフさんから「ありえない!!」と言われた「30日未満」という超速で終了しました。
テストに合格すると、次のステップへ。「教育現場で必要とされる指導テクニック」の段階に入ります。これは実際に教室に通って授業を受けました。実際のテキストを使いながら、教えるコツを学ぶのですが、非常に実践的で勉強になりました。
「教案の作成」や、「日本人生徒を前にした模擬授業」も含みます。これも私は最短期間で終了。
420時間講座の終盤:「実習活動」とは?
上記の「理論講座」が終了すると、今度は「実習活動」に入ります。
「実習活動」は、「理論講座」で身につけたことをもとにして、実際に、日本語学習者たちを前に教育実習を行うというもの。まさに「実践」です。
これが私は、非常に手こずりました・・・。毎回が苦労の連続。実際に東京で日本語を学びにきている留学生たち。彼らと交流しながら日本語を教えていきます・・・。ところが、うまくいかない!
学んだことが、なかなか実践では活きないのです。これには本当に苦労させられました。ある生徒さんからは、アンケート回答で「この人はダメだ」とまで言われました。きつすぎます・・・。
まさに「経験を通じてしか学べないことがたくさんある!」です。日本語教師の奥深さを痛感させられたプログラムでした。この段階が終了すると、レポートの課題が課せられます。
「日本語教師養成講座420時間コース」、無事に修了!!
というわけで、この6/27をもって、全ての授業にテストとレポート、実習活動が終了しました。最短の6ヶ月で全てをクリアしたことになります。
ただし、最終的に合格できるかどうかは、最後にやった「実習活動」で合格をいただけるかどうかにかかっています・・・と、不安がいっぱいの中でしたが、ようやく手に入れました!これが「日本語教師養成講座420時間コース」の修了証です!
(しつこいですかね・・・)
苦労の連続だったので、感慨もひとしおです。もうこんな苦労はしたくない・・・。
最短で合格・修了するためのコツは、家族や親友の支え!!
最後に、修了までのコツを一つだけ。
この「日本語教師養成講座420時間コース」。本当に負担が大きいプログラムです。家庭をお持ちの方は、きっと家庭を犠牲にしなければいけない場面が出てきます。また、家庭をおもちでない方でも、きっと毎日の活動に支障がでるような事態に見舞われます。
そんな中で、ぜひとも大切にしていただきたいのが「家族の支え」や「親友の支え」です。
今回は、私の妻も同時に「日本語教師養成講座420時間コース」にチャレンジし、修了証も同時に取得できました。課題の頻度と量の多さに辟易し、さらには私の才能欠如も手伝って、とても大変な時期でした。途中で投げ出しそうになったことも数知れず・・・。
【写真:夫婦そろって最短で修了したことの祝宴(笑)】
私自身、妻の助力がなければ半年での取得は不可能でした。このプログラムは、毎回の授業や講義だけでなく、その事前準備も大変。もし受講される場合は、ぜひパートナーの方からの理解や支援を受けることは意識しておくべきですよ。
妻と二人三脚の格闘の6ヶ月・・・。努力が実って良かったです。チャレンジし甲斐のあるプログラムでした。これを今後どのように生活に活かしていくか、少しずつ考えていきたいと思います。
確実に世界が広がる! 挑戦してほしい日本語教育の世界
これから「日本語教師養成講座420時間コース」に挑まれる方は、ぜひ最後まで頑張ってほしいです!確実に世界が広がります。保証します。
この言葉の意味は、上記のブログ「「日本語教師」資格の魅力|最短6ヶ月で夫婦で取得したコツまとめ」でも書きました。ぜひ参考にしてみて下さい。
なお、「日本語教師養成講座420時間コース」については、いろいろな日本語学校や、通信教育の会社が講座を展開しています。興味を持たれた方は、通信講座の資料請求をしてみたり、実際に説明会に足を運んでみると良いと思います。比較しながら検討することをおすすめします。
ヒューマンアカデミーの「日本語教師養成講座420時間コース」
具体的に紹介してみましょう。まず「日本語教師養成講座420時間コース」であれば、例えば「ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座」があります。
ヒューマンアカデミーは資格取得の学校として有名ですが、全国にある30の校舎が全て駅チカの立地にあることでも知られています。通学講座でも実績があるので、ぜひ気軽に資料請求をしてみて下さい。
「やってみようか、どうしようか迷う」ということあれば、まずは詳しい内容を知るために、資料を取り寄せてみてはどうでしょうか? 無料の説明会で、実際に教室を見たりスタッフと交流してみるのもおすすめです。
アルクの「NAFL日本語教師養成プログラム」
また、毎年10月に行われる「日本語教育能力検定試験」の詳細については、こちらをどうぞ。語学で有名なアルクが運営する「NAFL日本語教師養成プログラム」です。
「日本語教師養成講座420時間コース」ではなく、検定試験を取り上げたものですが、「日本語教師になるのはどんな勉強が必要か?」などがイメージできるかと思います。
教材は、出題範囲に準拠した24冊のテキストや試験宅先問題集、7枚のCDと1枚のDVD、その他、模擬テスト等で構成されています。
ウェブサイトを見ると、試験や教材の詳細だけでなく、実際に受講して検定合格を果たした人、現役で日本語教師として活躍している修了生のインタビューも紹介されています。
ちなみに「日本語教育能力検定試験」の平均合格率は23.8%前後ですが、本プログラムの修了生の場合、検定合格率は66.3%にものぼるそうです。
【参考】日本語教師養成講座420時間コースなどに関するブログ記事
このテーマに関連するブログ記事をまとめてみました。こちらも、ぜひどうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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