新宿区産業振興基本条例に関する懇談会(第4回)産業の位置づけと条例の方向性について

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新宿区の「産業振興基本条例に関する懇談会」。「区民委員」を拝命しているのですが、今回、その第4回目の懇談会に出席してきました。

正式な名称は、「第4回(仮称)新宿区産業振興基本条例に関する懇談会」です。

今回の論点は、

  1. 新宿区の産業の役割・位置づけ
  2. 条例の方向性

という2点です。順番にご紹介していきましょう。
 




今までの「産業振興基本条例に関する懇談会」の議事内容は?

産業振興基本条例に関する懇談会の様子
【写真:第1回懇談会の風景(左奥の青い服の女性が新宿区長)】

なお、毎回の懇談会の様子や資料については、新宿区のホームページでも開示されています。

■2009年10月30日:(仮称)新宿区産業振興基本条例に関する懇談会を設置~区内産業の一層の活性化を目指して

■2009年10月19日:第1回懇談会 議事要旨(PDF)
■2009年12月21日:第2回懇談会 議事要旨(PDF)
■2010年2月2日:第3回懇談会 議事要旨(PDF)

また、懇談会の委員に就任した背景や、委員としての自分なりの思い入れ、また、今までの懇談会の様子などは、過去のブログに書いてきました。
(このブログ記事の一番下にリンクをまとめました)

産業振興はアイディア勝負、できることは無限大!

今回は、議論に入る前に、懇談会の副会長による講話が行われました。

三鷹における地域産業活性化についての事例紹介。NPO法人「シニアSOHO普及サロン・三鷹」の活動を取り上げて、地域の課題解決と高齢化の逆活用についての話が紹介されました。

アイディア次第で、まだまだいろいろなことができるもの。お定まりの既成観念にとらわれてはいけないということを再実感。
 
 
       □     □     □
 
 
そして、議論は、以下2点へ。

(1)「新宿区の産業の役割・位置づけ」
(2)「条例の方向性」

まずは「今までの懇談会で議論されたことの振り返り」です。

区役所の皆様が、毎回の各委員の発言を、非常にわかりやすくまとめて下さって、議論に参加するメンバーとしては非常に助かっています。

文字でまとめるだけでなく、きちんと図式化までしてくれて、会を重ねるごとに、次第に条例のかたちに近づいていけるので、とてもわかりやすく、ズレの少ない議論展開になっているように思います。

あえて私が言うことではないですが、区役所の実務スタッフの皆様、本当に優秀です・・・。
 
 
       □     □     □
 
 
ちょっと端折って書きますが・・・、

今までの議論、また統計などの分析の結果、新宿の特徴として立ち現れてきたのは「多様性」というポイント。

さまざまな産業があり、オフィス街があれば、エンタメ街もあり、住宅街もあれば、工場もあり、住民に占める外国人比率は全国ナンバーワン。

昼間人口も含めれば、大消費地、大経済圏であり、何でもそろうし、何でも存在するという都市。

10人に1人が外国籍で、20歳で横切りにすれば、外国人比率は6人に1人の割合です。
 
 
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それは、ともすれば「何でもあるので、逆に特徴が無い」という見方もできます。

そこで「今後の新宿の産業振興を考えるとき、目指すべき道や特徴をどれかひとつ決めて明確化すべきでは?」という議論もありました。たしかにそうかもしれません。

でも私は、「実は、それ自体が特徴として言えるのではないか」というお話をさせていただきました。

多様性という現実がある以上、何かひとつにテーマを選択する必要はなくて、逆に、何かひとつに定めることは、多様性という現実を無視するかたちにすらなると思うのです。

だからこそ、多様性こそが特徴であり、多様性ゆえのメリットをこそ、今後の発展に向けた道として活かすべきだと。

・多様性を認めるということは、さまざまな存在を認めるということ。
・いろいろな文化を認め、いろいろな意見や表現活動を認めること。
・さまざまなヒトを認め、さまざまなチャレンジを認めること。

そのことは、古いことも、また、新しいことも尊重し、地域を認め、日本を認め、世界を認めることになる・・・。
 
 
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何かを始めることもしやすく、世界と交流することもしやすく、リアルにおいても、ネットにおいても、活発な交流の道をつくることになる。

産業にひきつけて言えば、新規事業を支援する力にもなり、伝統産業における新しい試みを支援する力にもなる。

そうした動きに加速をつけたり、助けたり、そのための交流やコミュニケーション活動を認める社会になる。
 
 
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新しい働き方、新しい家庭造りのあり方、
新しいコミュニティーのあり方、新しい地域づくりや社会貢献のあり方、
そうした道を走りやすい地域として歩む。
企業であれば、いわゆる「正しい中小企業」を増やす流れになり、
新しい、ソーシャルカンパニーを生み出す流れになる。
おのずと、そこに集う人たちは、
新しい時代を担う、自らを磨き、他に奉仕する、
いわば「ソーシャルマン」を目指す集団として相互に助け合いつつ活躍できる。
 
 
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漠然としているかもしれませんが、私は多様性を認め、多様性ゆえのメリットを打ち出していくことこそが、新宿の特徴を活かした道ではないかと思っています。

それは、「多様性の中の統一」とでも表現できるかもしれません。

実は、自分だけでも精一杯、とか、会社だけでも精一杯とか、そういう事情があることはわかります。したがって、周りに貢献していく流れに抵抗を感じる声も無いでは無いですが・・・、

私は、多様性ある新宿が、今後も他の自治体からの見本にもなり、また、より多くの企業と人が集まってくるような、「夢の実現が可能な新宿」をつくりには、こうした道を示すことが大事では?と思っています。
 
 
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今回の産業振興条例は、いわゆる「理念条例」であり、個別具体的な政策をつくるというものではありません。

大局的な観点からの理念づくりになりますが、私は、この30年、50年、100年を見据えるならば、たとえ抽象的であったとしても、そうした大きな道を示すことが大事ではないかと思っています。

というわけで、今回の懇談会も、あっという間に終了。皆様の意見もいろいろとうかがえて、本当に勉強になります・・・。

次回の懇談会のテーマは?

次回の懇談会は「産業が活性化していくための環境」についてです。いよいよ、条例の骨格が少しずつ見えてきました。

毎回の議論をふまえて、区のスタッフの方が、条例案の草稿を形作ってくださるのですが、資料を拝見していると、私の発言が盛り込まれているのを見て、思わずハッとさせられることもあります(笑)

責任感も重大ですが、より良い社会造りに向け、よりよい成長空間の実現に向け、微力ながら、がんばっていきたいと思います。
 
 

(参考:過去ブログ記事)
 
■2009年9月14日
新宿区の産業振興・区民委員を拝命いたしました。
新宿区「産業振興基本条例に関する懇談会」の委員を拝命いたしました。
この度、新宿区の「産業振興基本条例に関する懇談会」の区民委員を拝命いたしました。任期は2009年10月から2年間です。 正直なところ、...
■2009年10月26日
第1回「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」へ
新宿区産業振興基本条例に関する懇談会(第1回)委員として初出席!
先日のブログでご報告した通り、この度、新宿区の「産業振興基本条例に関する懇談会」の「区民委員」を拝命いたしました。 このあたり、背景や...
■2009年12月22日
第2回「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」へ(1)
第2回「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」へ(1)
新宿区の「産業振興基本条例に関する懇談会」。「区民委員」を拝命しているのですが、今回、その第2回目の懇談会に出席してきました。 正式な...
 
■2009年12月23日
第2回「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」へ(2)
第2回「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」へ(2)
今回は、前回ブログの続きです。「第2回」を迎えた「産業振興基本条例に関する懇談会」の様子をご紹介しています。今回の懇談会の主眼は、「産業振興...
■注:
2010年2月に開催された、
第3回「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」については、
ブログを書いていません。
■2010年2月24日
「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」メンバーの食事会
「新宿区・産業振興基本条例に関する懇談会」メンバーの食事会
新宿区の「産業振興基本条例に関する懇談会」。 今回、そのメンバーでの食事会に参加させていただく機会を得ました。 私自身、この懇談会の「区...

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