「インドネシア語の練習」についての話題になった時、よく聞かれるのが、「リスニングやヒアリングの練習をするのに良い教材は無いか?」というテーマ。
インドネシア語を学習している方のうち、特に中級レベルの方から、そういう質問をされることがあります。今回はオススメ教材の一つとして、現地スラバヤのラジオ放送「Suara Surabaya」」(スアラ・スラバヤ)をご紹介します。
目次
インドネシア語のリスニング学習に最適な教材は?
インドネシア語の入門者向けであれば、すでに様々な音声教材があります。あえてインドネシアで探さなくても、日本の書店でもたくさんの種類が並んでいます。
ただ、中級者になると、もうちょっと高度なリスニング・ヒアリング練習がしたくなるんですよね。聞くことによってインドネシア語の練習になり、無料で、かつ簡単に気軽に聞けるもの・・・となると、私がオススメしているのが、インドネシア第2の都市、スラバヤにあるラジオ局「Suara Surabaya」です。ネットで簡単に聞けるんですよ。
「スラバヤの声」を意味するスラバヤの老舗ラジオ局
スラバヤはインドネシア第2の都市。「スラバヤの声」を意味するスラバヤのラジオ局「Suara Surabaya」は、1983年6月に開局された老舗のラジオ局です。2000年からラジオストリーミング放送にもチャレンジするなど、技術面でも意欲的なラジオ局として知られています。
同局の歴史を読んでみると「ニュースや情報を届けるラジオ」いうコンセプトの番組は、インドネシアの中でも草創期にあたるものだそうで、新しいものを取り入れようとする姿勢を感じますよね。
ちなみに、インドネシアのスラバヤの場所は、地図で示すとこのあたりです。
インドネシア語学習に「Suara Surabaya」をオススメする3つの理由
【画像:「Suara Surabaya」のウェブサイト】
このラジオ局の番組は、インターネットでも簡単に聞くことができます。日本からもアクセス可能なので、PC作業をしている時にBGMとして流すことも可能。では、なぜこのラジオ局がヒアリング練習にオススメなのか、3つの理由をご紹介しましょう。
|
(1)ウェブサイトからもアプリからも!聞くのがとっても簡単!
語学の学習において大事なことは、簡単に続けられること。手間があるとか、用意が大変とか・・・そういうちょっとした障害があるだけでも続かなくなるんですよね。「Suara Surabaya」は、オンラインからの接続が簡単です。
■ウェブサイトから
「Suara Surabaya」のウェブサイトにアクセスすると、右上に「Live Streaming」というボタンが。
これをクリックするとラジオ番組のページに飛びます。すると上部に「On Air」中の番組名が。
この右側に「Dengar」(聞く)というボタンがあるので、それをクリックするとラジオ音声が流れ始めます。
■アプリから
専用のアプリもあるんです。アプリをダウンロードすれば、もういつでもどこでも、あなたの周りは「Suara Surabaya」!!(笑)
いつでもどこでもヒアリングの練習ができる! ちょっとしたスキマ時間でも、アプリを開いて「Play」のボタンを押すだけ! こんな簡単な手続きで、インドネシア語が流れてくるんですよ。これ、ホントに便利です!
(2)聞いていて飽きさせない、視聴者からの生の声もたくさん!
「Suara Surabaya」がオススメなのは、難しい言葉と正しい文法にのっとったインドネシア語のニュース番組ばかりで構成されているわけではなく、視聴者からの電話投稿が多いということ。いわゆる「日常のインドネシア語」が聞けるということ。
しかも単なるおしゃべりではなく、渋滞情報についての電話投稿が多いのです。
DJ「どちら様ですか?」 声「はい、わたしは●●と申します」 DJ「どちらにいらっしゃいますか? どんな状況ですか?」 声「私は今●●通りのマクドナルドの近くなんですけど、もうひどいんですよ渋滞が・・・」 DJ「そうでしたか。車の状況はどうですか? どれくらい並んでいますか?」 |
みたいな感じ。そんなやり取りからDJがとりまとめて、「視聴者の皆さん、いま投稿にありました通り、●●通りの●●あたりは、こんなに渋滞しているようです。故障車があるようですね・・・お気をつけください」みたいに。
この一般人の音声投稿は、必ずしも正しい文法にのっとったものばかりでなく、おしゃべり話法も入っていたり。またスラバヤなので、スラバヤなまりが入っていたり。
【例】 ・Segar(スガール:新鮮な) → Seger(スグール) という発音に ・Senang(スナン:楽しい) → Seneng(スヌン) という発音に ・Sambal(サンバル:辛い香辛料) → Sambel(サンブル) という発音に |
またスラバヤはジャワ語圏でもあるので、電話投稿の中で、部分的にジャワ語が入り込むこともあります。
【例】 ・Terima kasih(ありがとう) → Matur nuwun(ジャワ語) ・Ya!! (そうです) → Nggih(ジャワ語) |
まぁ、「聞きやすさ」と「聞きにくさ」との両面がありますが、そのあたりはDJがきれいに調整してくれますし、やはりおしゃべり話法には独特の味わいがあるんですよ。
聞いているだけでも、みんなが渋滞で苦しんでいる姿が伝わってきて「がんばれー!」と応援したくもなるし、一方で、渋滞の中でもあわてずにのどかにやりすごそうとしている姿勢に逆に感銘を受けたりもして・・・。
(3)おしゃべりだけでなく、きれいな音声番組も!
もちろん、そんなおしゃべりだけでなく、文法にのっとったきれいなインドネシア語の放送番組もあります。
例えば、これはウェブサイトからアクセスできるものですが、先程のラジオ局ページでは現在、こんな内容で掲載されていました。
「ポジティブなシナジーを生み出すように仕事しよう」とか「感謝をすることの価値は、一つのターニングポイントになる」とか「問題が起きてもポジティブな姿勢で見つめよう」とか「働くということは、エゴの側面だけではない」とか、そういうコラム的な番組もあったりします。
外国語を学ぶ上で、よく「文法なんで関係ないぜ!」とか「適当にしゃべれば通じるんだから、きれいに話そうを思うな!」と言われることがありますが、でもそういう学習って限界があるんですよね。ある程度の段階を超えるには、いわゆる「正しい話法」も同時に学習する必要があって。
そういう意味で、「Suara Surabaya」は単なる楽しみとしてのしゃべり話法に触れるだけでなく、そういったきれいな番組にも触れることができるというのもポイントは高いです。
聞きやすいし、とっても良い雰囲気のラジオ番組!
というわけで、「Suara Surabaya」はインドネシア語の中級以上のヒアリング勉強にはオススメです。何と言っても、簡単に聞ける!というのは本当に大事。
あと聞いていて、特に視聴者からの投稿は本当に聞き入っちゃうんです。渋滞情報も「うわぁ、大変だな・・・」とか「このおじさん、よく頑張ってるなぁ」とか、いろいろ感じ入るところもあるのですが、まれに「たったいま、スリにやられましたー!」とか、生々しい投稿もあったりして・・・。そんな時にDJが冷静に対応していると、この人もだんだん平静心を取り戻したりと。
スラバヤでタクシーに乗ると、よくラジオ「Suara Surabaya」が聞こえてきます。本当に良い雰囲気の時間になります・・・。
ローカルな文化や雰囲気を学びながら、インドネシア語の勉強にも!!
またある時は、おばちゃんからのお悩み相談があって、DJが元気づけてあげたりして。泣きながらしゃべっていたおばちゃんが、途中から泣き止んで、なんとか前を向いて頑張ろうと切り替わったり。
「いま、ここ大雨で大変なんですよー」って投稿があると、DJが「え? ラジオ局の周りはまだ降ってませんょ」と言って、「へー、そっちは降っていないんですか。そろそろ大雨が行きまっせ」なんて言って、「運転している皆さんのところも大雨が来るかもしれないので、お気をつけくださいねー」って、2人で笑い始めたりして。のどかなんです。
全体的に聞きやすくて、視聴者の電話投稿とDJの掛け合いだけでなく、適度にコンテンツがはさまり、適度に簡潔なニュース番組がさしこまれたり。「編集」が非常にうまいラジオ局で、ほんとに聞きやすいですよ。というわけでオススメです
ちなみに随所で流れる「Suara Surabaya」の宣伝の音楽とキャッチコピー。
|
という部分。これ何度か聞くと頭から離れなくなります(笑) お気をつけください。
なお、インドネシア語能力をつけるためにオススメの現地テレビ番組はこちらです。
【参考】インドネシア語学習に関するブログ記事
インドネシア語学習に関するブログ記事をまとめてみました。こちらも、ぜひどうぞ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログの更新情報のチェックは、こちらからどうぞ!
時の運と人の縁を極める日々の記録 Twitter: @_samsul
時の運と人の縁を極める日々の記録 Facebook: /samsulcom
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━