インドネシアの運転免許。今回ご紹介するのは二輪のバイク免許の話です。
インドネシア主要メディア「Tempo」が、2016年5月から、インドネシアの二輪バイク免許が排気量に応じて3つのタイプに別れる予定であることを伝えています。
現在のインドネシアの現在の免許制度では、バイクの免許証は、「Sim C」(Surat Izin Mengemudi-C)と呼ばれる1種類のみ。では、なぜ3種類に分かれることになったのでしょうか?
目次
インドネシアで注目される、バイク免許の制度変更
「3種類に別れるらしい」ということは昨年から伝えられていたこと。
でも実際のところどうなるのか・・・。今回、主要メディア「Tempo」が、インドネシア警察の広報部長である Anton Charliyan さんに1月11日に接触し、改めて確認をとって、記事にしたようです。
「すでに予定されているのに、なぜまた記事に?」と思ってしまいますが・・・、
インドネシアでは、「来年●月から施行します」という発表があっても、直前まで詳細が決まらなかったり、いきなり条件が変更になったり・・・ということがよくあります。
それを再度確認しなおす。
それだけでも記事になるというのは、まさにインドネシアのそういう事情が反映された結果と言えそうです。
インドネシアのバイク免許は、排気量に応じて3つのカテゴリに
【画像:Tempoのニュース記事より】
「5月からSIM-Cは3種類に別れる予定(bakal)」と題する記事で、
(Mulai Mei, SIM C Bakal Dibagi Tiga Jenis | Tempo Nasional)
次のように伝えています。
インドネシア国家警察は、二輪免許(SIM C)について、排気量のCCに応じた3つのカテゴリーに分類化することを予定している。 |
記事によると、次のような分類になるようです。
カテゴリー | 排気量 |
---|---|
SIM C | 250cc以下 |
SIM C1 | 250ccから500ccまで |
SIM C2 | 500cc以上 |
インドネシアのバイク免許、制度変更の目的は?
Antonさんによると、この施行の目的は、「二輪車の交通事故の数を減らすため」とのこと。
私は2013年からインドネシアで生活していますが、持っている免許証は、自動車用の四輪免許(SIM-A)のみ。
日本の方からは「運転していて、怖くないの?」とよく尋ねられるのですが、もう慣れてしまって、逆に日本で運転する方が不安になるほど・・・。
でも、自分がインドネシアで運転しているなかで、一番注意する対象は、やはりバイクです。バイクで危ない運転をする人が多いということもありますが、そもそも台数が多すぎて。そういう意味では、今回のバイクの免許制度の改正理念は賛成。
でも・・・、はたして免許を3類型化しただけで、事故が減るのでしょうか? 単に「手続き」だけで3類型化しただけでは、事故は減らないような気がするのですが、どうなのでしょうか?
バイクの免許制度の変更、まだまだ決まっていないことも
ちなみに記事では、気になる記述も・・・。
3つのカテゴリーへと変更されるわけですが、「免許の移行過程の詳細については明らかにしていない」と。そのため、施行される前の段階で、「SIMの有効期限が終わりそう」という人には、とりあえず延長の申請をしていただきたい、なんて言っています。
なんですか、それ。
期間ギリギリの人って、二重負担になる可能性もあるのか・・・。
しかも、「新しい免許に向けての申請プロセスの費用も明らかにしていない」との記述もあり。
えっ?
「移行プロセスを研究するための特別チームを、今後つくる予定」なんてコメントもあるのですが・・・、なに「今後」って?
詳細を決めていないだけでなく、そのルールを決めるための準備メンバーすらも、決まっていないの? なんじゃ、そりゃ・・・・という感じです。
「税務局長とも協議しないといけない」なんて、少し言い訳っぽく語ってもいますが、そんな調子で5月の改正に間に合うのでしょうか・・・。事前の周知期間も含めると、はなはだ心配です。
インドネシアのバイク免許の制度改革、果たして間に合うか?
「この新ルールは社会に集中的に広報される予定」と言っているのですが、 おーい! その前に、詳細を早く決めないと!
記事では、少しだけ皮肉を込めて書いてあり、次のように結んでいます。
このSIMの施工計画は、アントンさんによれば、2012年の運転免許施工期間に関する警察令や、2015年のSIM-Cの3類型化に関する警察文書など、新SIMの施工計画は、すでに規定されているとしている。 |
「アントンさんによれば」・・・なんて、なんだか突き放した感じですよね(笑)
交通安全やマナー向上、課題が山積するインドネシアのバイク事情
インドネシアの交通事情は、飽和状態。私の住むマランでは、それほど渋滞は深刻ではありませんが、ジャカルタやスラバヤでは、かなりの問題になっていますね。
交通ルールのマナー向上も含め、インドネシアにおける交通行政の向上は「待ったなし」です。ちょっと不安な感じの記事ではありますが、急成長にルール化が追いつかないという点もあるのかもしれません。日本だって、少しずつ積み上げた結果としての現在の交通状況ですからね。
インドネシアの交通事情をバカにするのではなくて、しっかりとじっくりと見守りながら、少しでも着実に改善、向上していくことを祈るばかりです。
ちなみに、インドネシアのバイク事情という点では、ぜひこの映像もご覧ください。
【追記】やはり間に合わなかった、インドネシアのバイク免許の制度改革
後日追記です。上記で、「そんな調子で5月の改正に間に合うのでしょうか」と書きましたが、やはり間に合わなかったようです。詳しくは、こちらをどうぞ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログの更新情報のチェックは、こちらからどうぞ!
時の運と人の縁を極める日々の記録 Twitter: @_samsul
時の運と人の縁を極める日々の記録 Facebook: /samsulcom
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━