「ベトナム」と「インドネシア」が、またさらに近くなりそうです。
インドネシアの複数の現地メディアによれば、ベトナムの格安航空会社「ベトジェットエア」(Vietjet Air)が、インドネシア向けの直行便の開設に意欲を見せているとの報道がありました。
現在2つの国をつなぐ直行便は、ベトナム航空のみ。独占状態です。もし新たにLCC(格安航空会社)の運行が始まれば、往来が増えて価格競争も始まり、ユーザーとしては嬉しい限り。でも・・・、この問題、インドネシア国内で、ちょっとした波紋を呼んでいます・・・。
それは、なんとキャビンアテンダントの「制服」の問題です。
目次
「ビキニ・エア」で知られるベトジェットエアの制服
【写真:ベトジェットエアのfacebookページより】
ご存知の方も多いでしょうが、ベトジェットエアと言えばCAのビキニ。ベトジェットは「ビキニ・エア」として、も有名なんですよね・・・。
「Forbes JAPAN」でも、2016年7月の記事で、「CAがビキニで乗務するLCC「ベトジェットエア」前年比2倍の急成長」と紹介。
インドネシア国内の報道を見ると、例えば昨日、4月11日付の現地主要メディア「Kompas」は、「ベトジェットエア、インドネシアへの路線開設を希望。礼儀正しくなければいけないとインドネシア運輸相が要望」と題する記事を掲載。
すでに知られている通り、ベトジェットエア社はベトナムの会社で、特定の運行に際してビキニを着用するキャビンアテンダントの制服に関する論争で知られている。 |
と書いています。
ビキニ制服で話題になったベトジェットエアの映像
世界で話題となったベトジェットエアの「ビキニ」演出ですが、映像で見るとこのような感じです。
まずは、機内の様子。
そしてプロモーション動画のメイキング・ムービー。
ちなみに上の2つの映像は、いずれもベトジェットエアのyoutube公式チャンネルからのもの。もう、会社の経営スタンスとして「確信犯」なんですよね・・・。
ベトジェットエアのビキニ制服の演出は確信犯だった
日本でも、wikipediaでは、このように書かれています。
■ベトジェットエア – Wikipedia 就航以来、機内でファッションショーと称して水着やドレスなどで女性がダンスをして、抽選会も開催され、無料航空券などのギフトがプレゼントされるキャンペーンプロモーションを「ベトジェット・セクシー」と称して当局不許可で実施し、罰金を科されたりしている[7]。 |
そして、3月1日付の日経記事。
■ベトジェット、急成長 「民間の星」が上場:日本経済新聞
最も有名なのは、ビキニ姿の乗務員やモデルらが機内で踊るイベントだ。12年夏にホーチミン―ニャチャン就航記念で初めて実施。「安全管理に支障がある」として当局から2千万ドン(約10万円)の罰金を科された。だが、これに懲りず、14年春のホーチミン―シンガポール就航便でも同イベントを実施。「顧客が楽しんでくれるなら服装はアオザイでもビキニでも構わない」(タオCEO)。動画サイトでその様子が拡散し、知名度向上につながった。 |
はい、同社CEO自らが言い切ってしまっています・・・。
ビキニ制服のイメージをもつベトジェットエア、インドネシアで受け入れられるか
インドネシアへの進出を検討中とのベトジェットエア。はたして、どのように受け止められるでしょうか? 現地メディアでのいくつかの反応をご紹介します。
「礼儀正しさをIndonesia運輸相が要望」と現地メディア
先ほどの「Kompas」記事によれば、
【写真:「Kompas」の記事より】
正式に開設希望の申請は来ていないが、もし申請が来た場合は、規則どおりの審査を行う。> |
と、運輸大臣の Budi Karya Sumadi 氏がコメント。「礼儀正しくなければいけない」という表現で、ビキニを牽制している感じです。
この遠回しのコメント、なかなか良いですね(笑)
「制服のルール」を尋ねられたインドネシアの運輸相は?
また、「ベトジェットエアのキャビンアテンダントのビキニファッションに関する運輸大臣の反応はこれだ」と題する別の「Kompas」記事によれば、
【写真:「Kompas」の記事より】
キャビンアテンダントの制服のルールはうちの管轄ではない。公共政策委員会で議論してもらわないと。 |
と、真面目なコメント(笑)
インドネシアの真の文化に配慮をしてもらう必要がある。また、インドネシアに申請する前に、本国政府からの許可をもらってから申請してもらうことになる。今のところ、ベトジェットからの申請は来ていない。 |
インドネシア国内に無用な議論を引き起こしてほしくない・・・
というニュアンスのコメントもありました。
ビキニ制服のキャビンアテンダント、インドネシア便の搭乗は禁止?
なお「CNN Indonesia」の記事では、さらにつっこんで、
【写真:「CNN Indonesia」の記事より】
「ベトジェットエアのキャビンアテンダントがビキニ姿でインドネシアへ飛ぶことは禁じられた」と題する記事を発信。
ただし、インドネシア観光省としては、ベトジェットのインドネシアへのビジネス拡張計画を支持していると。そして、インドネシアへの直行便は、今年半ばには開通させたい意向があるようなことも報道されていました。
インドネシアーベトナム便は「ベトナム航空」の独占状態
昨年には、飛行機を大量発注し、今年3月には株式公開も果たすなど、快進撃を見せるベトジェットエア。
現状を見れば、インドネシアとベトナムとの空の便は、「ベトナム航空」の独占状態なんですよね。ジャカルターホーチミン便がありますが、運行しているのはベトナム航空のみ。
(かつて「ジャカルターハノイ便もあったようですが、2014年03月で終了した模様)
ガルーダ・インドネシア航空とのコードシェア便はありますが、ベトナム航空とのコードシェアですから、自社の機材ではありません。
注目を増すインドネシアからベトナムへの観光需要
【写真:ベトナムの世界遺産、ホイアンの街で】
私自身は、ときどきインドネシアからベトナムへ行くため、LCCが運行されることで競争が起き、同路線の料金が下がることは期待大。
一方で、両国の間の往来が増えるにしても、「ビジネス」「観光」の側面において、どの程度のプラスが生まれるのか・・・。
私の体感値では、インドネシア語で検索すると、意外とベトナム観光ページが出てくることに加え、私の周りでも「ベトナムに行ってみたいんだけど、どうなの?」と聞かれることが増えてきました。安く手軽に行かれるとなれば、存在感も増していくでしょうね。
ベトジェットエアの快進撃はどこまで?
短期間で急速に成長させたベトジェットエアの創業者がどのような舵取りをするのか。
インドネシアとのつながりを通じて、どのような変化と成長を生み出したいのか。
私自身、ベトナムとの関わりを深めていきたいところでもあり、これからさらに注目していきたいと思います。
■参考:このテーマに関連するブログ記事です。こちらも、どうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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