インドネシアの東ジャワ州で第2の都市マラン(Malang)。2019年に新しい国際空港が開設されるようです。
「地球の歩き方(インドネシア)」を見ると、「マランには空港がありません」と書いてあるのですが、実は、以前から空港があります。アブドゥル・ラフマン・サレ空港(Abdul Rachman Saleh:MLG)というもので、国内線のみを扱う小さな空港です。
【後日追記】
なお、2017年8月31日付けで「地球の歩き方」が訂正文を出しています。
現地メディアの報道で、「2019年に、またマランに新しい国際空港が開設される」とのニュースがありました。今回のブログでは、このニュースについてご紹介します。
目次
インドネシアの高原都市「マラン」の場所は?
「マランって、どのあたり?」と思う人が多いと思いますが、このあたり。
【画像:赤い部分が私の住むマラン】
ジャワ島の右側部分にある「東ジャワ州」には、ジャカルタに続くインドネシア第2の都市、スラバヤがあります。そのスラバヤから約100キロほど南下すると、東ジャワ州第2の都市マランにたどりつきます。
現在マランにある「アブドゥル・ラフマン・サレ空港」は、国内線のみを扱う小さな空港です。以前から、「国際線も就航する」との報道が散見されたのですが、いまだに実現していません。
伝聞情報ですが・・・、このアブドゥル・ラフマン・サレ空港は、離発着に一定のテクニックを要する空港の一つとのこと。もともと空港が小さいということもあり、なかなか国際線の就航の実現に至っていないという事情がありそうです。
「マランは2019年に国際空港をもつことに」との現地報道によると
【写真:「マランは2019年に国際空港をもつことに」とのアンタラ通信者の記事より】
今回、現地メディアの報道で展開された、2019年にマランに新国際空港が開設されるとのニュースですが、例えば以下のような記事がありました。
「マランは2019年に国際空港をもつことに」Malang akan punya bandara internasional pada 2019 – ANTARA News(14 Februari 2016 19:17) |
同記事の内容は以下の通りです。
マランは、もうすぐ国際クラスの空港を、バントゥール(Bantur)郡にある空軍の敷地に開設することになる。この空港の運用開始が期待されているのは2019年だ。
マラン県の高官であるHadi Prasetyo氏によれば、マラン南部のバントゥール郡における空港の開発計画は、すでに東ジャワ州や中央政府の支持を得ている。 「もしこの空港開発が実現するならば、私は中央政府からの資金調達を大変うれしく思う」と語った。 彼が言うには、このマラン南部における空港の将来展望は非常に良いもので、かつふさわしいものだ。なぜなら現在すでにあるマラン空港(アブドゥル・ラフマン・サレ空港)では、夜間の離発着には自信が持てずにいるためだ。 この新しい空港は、バントゥール郡のプルボヨ(Purboyo)にある空軍敷地エリア(47000ヘクタール)に建設される予定だ。このエリアに住む237世帯は引越をしてもらうことになる。 この空港は、2019年には商業空港サービスの運用がスタートする。 東ジャワ州は、マラン県のバントゥール郡におけるプルボヨというエリアを、国際クラスの新空港の場所として提案しているのは、ここが非常に戦略的な場所だからだ。 プルボヨ空港は、マラン中心部、ブリタール(Blitar)、トゥルンアグン(Tulungagung)、クディリ(Kediri)、トゥレンガレック(Trenggalek)、パスルアン(Pasuruan)、ルマジャン(Lumajang)などの乗客を扱うことが可能だ。 Soekarwo州知事は、すでにこの提案を運輸大臣であるIgnasius Jonan氏に伝えている。 「おかげさまで、運輸大臣はこの提案に賛成してくれた。さらには、政府は現在、パチタンからバニュワンギまで、東ジャワ州南部をつなぐ、南部横断道路の建設を終えようとしているところだ。したがって、これはぴったりだ」と語る。 |
というわけで、ずいぶんとトントン拍子に進んでいる様子です。
マランの新国際空港の予定地「バントゥール」の場所は?
新たな国際空港の開設予定場所とされるバントゥール(Bantur)ですが、下の地図で、赤い色でカバーされたエリアにあります。
この記事からすると、
・東ジャワ州の北半分はスラバヤの空港が担い、
・南半分は、マランの空港が担う・・・
という図式になりそうな気配です。
東ジャワ州南部をつなぐ「南部横断道路」とは?
コメントに「東ジャワ州南部をつなぐ、南部横断道路の建設」とありますが、パチタンとバニュワンギは、地図ではこのあたりです。
今まで東ジャワはスラバヤが中心になって発展してきましたが(というか、スラバヤ偏重で)、この南部横断道路と新空港がうまくあわさることによって、東ジャワ全体のインフラ整備が進められることになりそうです。
なお、ジャワ島の道路整備といえば、ジャワ島横断高速道路「トランス・ジャワ」が有名です。ジャワ島の東部と西部をつなぐという壮大なプロジェクトが進行しています。詳しくはこちらをどうぞ。
ユネスコが「生物圏保存地域」に指定した美しいエリア
新空港の近くには、霊峰「ブロモ山」があります。ここには多くの観光客が来ますが、国際空港ができれば、海外からの観光客も増えることでしょう。
昨年ユネスコが「生物圏保存地域(BR:Biosphere Reserves) 」に指定した、「ブロモ・スメル・トゥングル、アルジュノ」エリア(Bromo-Semeru-Tengger-Arjuno)も近いです。
photo credit: Three Volcanoes – Mt. Bromo, Mt. Batok and Mt. Semeru via photopin (license)
マランは海も有名!!
またマラン南部は、美しい海があることでも知られています。東ジャワの秘島「スンプ島」の美しさは格別で、強力なポテンシャルをもっていますが・・・、
まだまだ地元民が楽しむだけで、遠隔地からの観光客を集めるには至っていません。リゾート開発という観点でも、次第に動きを見せていくことになるのではないでしょうか。
いたずらな乱開発も心配ですが、これによって東ジャワ全体の動脈がようやく動き出す・・・、
そんなことを予感させる記事です。(ただ、計画通りに建設が進むかどうかはわかりませんが)
■参考:このテーマに関連するブログ記事です。こちらも、どうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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