ジャカルタの歩道橋|3人組のスリにあい、追い払って撃退した時の話

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「インドネシアの治安はどう?」「ジャカルタの治安は平気なの?」

初めてインドネシアへ行くという人から受ける質問に「治安」があります。特にバリ島ではなくて、ジャカルタに行くというケースで聞かれます。 とりわけ、ご家族連れだったり、「近々、赴任の可能性があるので情報を集めている・・・」というようなケースです。たしかに海外での暮らしには不安がつきものですよね。

私自身も、昨年ジャカルタを歩いていた時、よく晴れた正午の時間帯、しかも大通りのどまんなかで、白昼堂々、スリに合いそうになった経験があります。ただし、幸運にもうまく撃退できたので、被害はありませんでした。

インドネシアの治安事情は、よく質問されるテーマ。今回のブログでは、インドネシアでスリにあって撃退した時の経験を書いてみたいと思います。「治安」は、ことさらに恐れる必要はありません。でも日本と同じように行動していては被害にあいます。「とるべき4つの対策」も含め、まとめてみます。

ジャカルタ 歩道橋 スリにあって追い返した現場
【写真:この歩道橋の中央が、スリにあって追い返したという現場】




スリは白昼堂々、歩道橋の上で起きた。場所は?

私のケースは、ジャカルタの中心地。タムリン通り(Jl.M.H.Thamrin)のサリナデパート(Sarinah)の前にある歩道橋の上で起きました。

サリナデパートは、1960年代に建設されたインドネシア初のデパート。日本の戦後賠償金でつくられたことでも知られています。15階建ての建物で、1967年にオープンしています。

ジャカルタ サリナデパート
【写真:ジャカルタにあるサリナデパート(2014年4月撮影)】

私はジャカルタの公共バス「トランス・ジャカルタ」に乗りたくて、この歩道橋を歩いていました。

ジャカルタの歩道橋は、もともと治安面で「警戒すべき場所」とされています。でも「トランス・ジャカルタ」に乗るには、この歩道橋を通らないことには、入口にたどりつけないのです・・・。

★「トランス・ジャカルタ」についてはこちら。

ジャカルタ観光|初めての人ならチャレンジしておくべきこと5選!
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トランス・ジャカルタ 歩道橋
【写真:トランス・ジャカルタに乗るには歩道橋を通る必要が(1階が停留所)】

停留所の手前で待機するトランス・ジャカルタ
【写真:停留所の手前で待機するトランス・ジャカルタ】

3人組のスリの手口は?

階段をあがり、歩道橋の中心あたりに差し掛かった時、すぐ右隣りの方角から、かけ声が聞こえてきました。

私の足元に、しゃがみこんだおじさんがいて、「Awas, Awas…」(危ない、危ない・・・の意)と。

「え? 何があるんだろう?」と見てみたら、私の右足の靴のあたりにミニタオルがあって、それを揺らしています。

「あれ? もしかして踏んじゃったのかな?」と申し訳ない気持ちになり、さて、どう対処しようかと思いつつ、でも「え、本当に自分が踏んだのかな?」とも考えてみていたら・・・、

その数秒後です。私のズボンの左ポケットに、誰かの手が入ってくる感触が。さらには、背中のリュックにも、誰かの手でさわってくるような感覚が・・・。

「あ、スリだっ!」と確信。とっさに大声を叫びました。

左ポケットに入り始めていた手は外に出て、右でしゃがんでいたおじさんは立ち上がり、後ろのリュックにいた人も、かばんから離れていきました。そして歩道橋の反対側に向かって、彼らはゆっくり走り始めたのです。

3人の男性でした。おじさんか青年かは不明です。でもとりあえず大声を出すことで、彼らは逃げていったのです。

スリが出没することで有名なサリナデパートの歩道橋

何も取られることなく、何の危害を加えられることもなく、スリを撃退できた・・・。これは、ひょっとする幸運なケースなのかもしれません。

ちょうど、よく晴れた昼の12時という明るい時間であり、大通りの中心という、誰にも見える目立つ場所だった。それも影響しているのかもしれません。

でも、このサリナデパートの歩道橋は、よくスリが出てくる場所としても知られているようです。例えばこれは、ツイッターで検索してみた結果の一つ。

まさに私がスリに遭遇した現場と同じ場所です。

ジャカルタにある日本大使館も注意喚起

ちなみに「在インドネシア日本国大使館」も、歩道橋についての注意について、ウェブサイトでこのように説明しています。

在インドネシア日本国大使館―お知らせ:年末年始における一般犯罪に対する注意喚起(平成26年12月5日(大14第24号)

■犯罪事例への対策・注意事項
徒歩で外出する際,可能な限り歩道橋は使用しない。やむを得ず歩道橋を使用する際は,できる限り2人以上で行動し、また,歩道橋の反対側と自分の後ろから不審な者達が挟みうちにしようとしていないか警戒する。なお,被害に遭った場合は相手は武器を持っている可能性が非常に高いので抵抗しない

おそろしい説明文ですよね・・・。ジャカルタに住む日本人たちが運営する「ジャカルタ・ジャパンクラブ」でも、同じような注意喚起が行われているようです。

ジャカルタのスリに、どう対処すべきか

ジャカルタ 歩道橋

こうしたジャカルタでのスリの事例。それほど多く発生しているわけではない・・・と信じたいところですが、でも、「ジャカルタ スリ」というようなキーワードで検索してみると、残念ながら、意外とでてきます。

ではどう対処すべきか。

先ほどの大使館のメッセージでは、以下のように記載されていましたね。

可能な限り歩道橋は使用しない。やむを得ず歩道橋を使用する際は,できる限り2人以上で行動し、また,歩道橋の反対側と自分の後ろから不審な者達が挟みうちにしようとしていないか警戒する。

一番安全なのは「歩道橋を使用しない」ということ。でも、たしかにそれはそうかもしれませんが・・・、それは例えば「海外で犯罪にあわないためには、海外に行かないこと」と同じくらいあまり意味のないことです。

インドネシア在住の私がスリ対策で気をつけている4つのこと

スリ 犯罪

歩道橋に限った話ではありませんが、私の場合は主に以下のようなことを気をつけています。

  1. 常に警戒する
  2. 富裕に見える格好をしない
  3. 現地の人のように歩く
  4. カバンは無防備にさらさない

それぞれ簡単に説明します。

(1)常に警戒する

これは当たり前のことですが、犯罪から身を防ごうとするならば、常に警戒すること。

私も例えば歩道橋を歩く時は、怪しまれない程度で、常に前後に目配せしながら移動します。でもずっと警戒し続けるのは疲れることです。

「いつでもスリに狙われる可能性があるぞ」と言い聞かせながら、とにかく油断した無防備な行動をしない、という程度でOKだと思います。

(2)富裕に見える格好をしない

これは重要で、いかにも「豊かそう」「お金持ちそう」という格好をすれば、それは「狙ってください」と言っているようなものです。

でも、

  • きちんとしないとビジネス上、社交上の失礼にあたる!
  • それではオシャレが楽しめない!

という場合もあるかもしれません。

そういう時は、治安が心配されるような場所には行かないこと。あるいは、より安全な方法(徒歩移動せず、信用できるタクシーで移動する等)をとればいいだけの話です。

(3)現地の人のように歩く

これは(2)とも関係するのですが、いかにも「豊かな外国人」と見られないようにするという方法。

私が今回スリにあいそうになった時は、ちょうど私が急いでいた時で、スタスタとした早歩きでした。いわゆる「日本人歩き」・・・。

「これは外国人だな」と思われた可能性は高いです。

(4)カバンは無防備にさらさない。

これも重要で、たとえばリュックスタイルだと、背中に背負ったカバンは、あけ放題。ファスナーを動かして中に手を入れるのは簡単。カバンの口をあけたままにしていれば、なおさら簡単に手が入ります。

ちょっとしたスキがあれば、一瞬でやられるので注意が必要。だってかばんの口があいていれば、そこには物理的に、簡単に手が入り込めてしまうのですから。たとえば「トランス・ジャカルタ」に乗っている人は、ほとんどがリュックを背中ではなく、前側、つまりお腹側にして、両腕で抱くようにしている人が多いです。

日本にもスリはいる。最低限の注意をしながら行動を

以上、4点ほど書いてみました。もちろん、これで充分ということではないでしょう。でも、何から何まで、あまりに注意を払いすぎても、かえって緊張感でいっぱいになり、疲れてしまいます。

要は、最低限の注意はする! ということが大事。考えてもみてください。安全とされる日本で暮らしていても、スリにあう人もいるわけです。

ジャカルタにも、素晴らしいところ、見るべきところ、経験すべき場所はたくさんあります。魅力的な都市です。スリが多いと注意喚起されているからと言って、そこに行かないというのはもったいないこと。

あまりに治安の悪いところに行くのは反対ですが、もし治安が少し不安視されるというような場所に行く場合は、情報を得て、スキを見せない、警戒を怠らない、仲間と一緒に行動する等、最低限の注意をすること。無防備にならないこと。

ある意味で「あたりまえの備え」ではあるのですが、改めて思い起こしておきたいことですよね。というわけで、今回は、「ジャカルタの歩道橋|3人組のスリにあい、追い払って撃退した時の話」と題して、ジャカルタの治安事情を私の実体験をまじえてまとめてみました。

■このテーマに関連するブログ記事です。

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サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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