成長するアジア。アジアは激変しています。「インドネシアは物価は安くていいよね」とか、「日本はお金持ち。だけどアジアは貧しい」などという固定観念にとらわれていては、現実を見誤ることになります。
そんなアジアの躍動を理解するためには、やはり現場に行って、現場にふれることが大切です。先日ジャカルタで「日本はジャカルタより物価が安いよね」というインドネシア人たちの会話を耳にする機会がありました。今回は、そんなエピソードをご紹介しましょう。
インドネシアの物価上昇率に関する統計の数字も合わせ、「インドネシアの物価は実際のところどうなの?」というところをご紹介します。
目次
ジャカルタのカフェ、40代サラリーマンの会話から
ジャカルタのカフェでPC作業をしていた時のこと。いつもは気にならない、隣のテーブルの会話。途中から、気になって耳を傾けてしまいました。
40代と思われるインドネシアのビジネスマンが2人。コーヒーを飲みながら、日本についての話を始めたのです。
飲んでいたコーヒーをテーブルに置くと、1人がもう1人に向かって。
「あ、そういえば、お前さぁ。 今度、日本に行くんだって? 何日くらい行くの?」
「あぁ。10日くらい行くよ」
「どこに行くの?」
「ずっと東京だよ。東京をいろいろ回るんだ」
とまぁ、何気ない会話なのですが、その後、こんな展開になります。
「日本の物価、ジャカルタより安くなったよね」
「日本は物価が高いって言われていたけど、 最近は、安くなってきたよね・・・」って。
「そうなんだよ。宿泊だってairbnbを使えば、こんなに安くホテルが取れちゃうんだ」と、iPhoneを見せながら。
「日本は、ホント、食べ物が美味しくて最高だよ。とにかく何でもおいしいからな・・・」
「しかも、ジャカルタで俺たちが普通に食べているものより安かったりするからね。最高だよ、日本は」
という具合。
インドネシアの物価を日本の物価と比較するとして、もちろん様々な商品やサービスがありますから、一概に上か下かということはできません。高いものもあれば安いものもあります。でも実際にジャカルタに来てみると、「あれ、日本の方が物価が安いのでは?」と感じる場面があるはずです。
「日本はお金持ち。だけどアジアは貧しい」という固定観念
【写真:建築ラッシュの勢いは止まりません】
私は日本に一時帰国する時に、あまりアジアの実情に触れていない知人と話をすることがあります。
そういう時、よく出会うのが、「日本はお金持ち。だけどアジアは貧しい」・・・、そんなステレオタイプの図式にとらわれてるケース。
たしかにそういう側面はあるわけですが、でも、ここ数年で、アジアは激変しているんですよね。
インドネシアの物価上昇率は?
インドネシアの物価上昇率をIMF(国際通貨基金:International Monetary Fund)のデータで見ると、2001年から2006年まではほぼ毎年10%を超える高い数値を示していましたが、2009年に入ると5%台ヘ。2013年から6%台に乗せ始めますが、また2016年からは3%台で安定しています。
でもあくまでも統計上のもの。実際に現場を見ていると、もちろん商品にもよりますが、中間層から富裕層の消費動向を見ていると、日本よりも高い商品を消費している傾向が明らかに感じることができます。
なお今後の予測値を見ると、2019年3.85%、2020年3.85%、2021年3.36%、2022年3%、2023年2.99%となっています。
■World Economic Outlook Database October 2018
とまることのないインドネシアの経済成長
今回のカフェでの2人の会話は、ふつうの何気ない会話から聞き出したものですが、実際、インドネシアで暮らしていると、同様の声を耳にすることは、よくありました。そういう出来事を経験したことがきっかけで、いくつかブログも書きました。
詳しく関心のある方は、ぜひ読んでいただければと。
現場に行って、肌で感じることでわかること
【写真:ジャカルタのモールで開催されていたランボルギーニのキャンペーン】
こういう「激変するアジア」を理解するには・・・ですが、やはり現地に行って、その場所に触れるしかないと私は思います。
例えば日本のテレビでインドネシアに関する報道を見ても、あるいは、新聞や雑誌での報道を見ても、「あぁ、ほんの一部しか切り取っていないな・・・」というのが私の実感です。
先日、ジャカルターバンドン間の新幹線構想(高速鉄道計画)について、さまざまな報道がなされていた時期がありましたが、これ一つ見ても、こちらの実態と、日本の報道内容とではだいぶ乖離があったような気がしています。
インドネシアへ行こう!!
【写真:ジャカルタの美しい夜景】
そういう意味でも、ぜひより多くの方々に、実際にインドネシアに来て欲しいなと思っています。
インドネシアだけではなくて、いろいろな国に行って、いろいろな動態にふれた方が良いと私は思います。テレビや雑誌、インターネットだけでは、得られる情報の量も質も、まったく違ってきます。
特に、激変しているアジアであれば、なおさらにこと。というわけで、ぜひ皆さん、インドネシアに来てみてください。どんどん海外を見に行きましょう!
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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