「現在のデジタル時代において、観光客は旅に役立つスマホアプリにますます依存するようになっている」と書いているのが、インドネシアの代表的メディア「コンパス」(Kompas)の記事。
では「インドネシアの若者は、どんなアプリを使っているんだろう?」ということで、インドネシアの旅行代理店が2018年の1月から2月にかけたアンケート調査にもとづいて、3つのアプリが報じられています。今回は、この内容をご紹介します。
目次
インドネシアの若者は旅行でどんなスマホアプリを使う?
元になっているデータは先日のブログで紹介した調査と同じ。現地の18歳から35歳の若者、合計1700人に対して行なわれたアンケートです。
■「ミレニアル世代の旅行客が、旅行で頼りにしている3つのアプリ」
3 Aplikasi Wisata Andalan Turis Milenial(Kompas.com – 15/04/2018, MUHAMMAD IRZAL ADIAKURNIA)
では、どんな結果になったでしょうか?
ある意味では、ありきたりの回答結果ではあるのですが・・・、結果は次の通り。
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インドネシア観光ならソーシャルメディア、特にインスタグラム!!
まずはソーシャルメディア。世界中で広まっているツールですが、特にインドネシアは利用が活発なのです。
「現代の若者にとって、旅行の際のソーシャルメディアは非常に重要なもの。手段ではなく、旅行の目的にすらなっている」と指摘。旅行の情報収集のためにソーシャルメディアを使う、という側面だけでなく、ソーシャルメディアに投稿するために旅行する・・・という現象すら起きているのだと記事は紹介しています。
旅行先の場所を選定する時も、「写真に撮った時に、インパクトがあるかどうか」が重要になっていると。つまり「インスタ映え」ですね。最近のインドネシアでは新たな若者造語として、「Instagramable」という言葉が流通しているほど。
そして、とりわけ重要なのがインスタグラムであり、旅行の写真を共有するには最も最適なアプリだと書いています。
インドネシアで暮らしていると、ここ数年はインスタグラムの存在感が急速にあがっていることが体感値としてわかります。
5年ほど前まではfacebookが全盛で、私もインドネシアの皆さんとの交流はfacebookがメインでした。ところが数年前から次第に使わない人が増えてきて(日常の交流の中で、実によくわかりました)、それに変わって活発な利用が見られるようになったのがインスタグラム。
私自身はfacebookの方が好きですが、それでもインドネシアの人々の活用状況を知っておきたいということもあり、インスタグラムを使い始めたという経緯があります。若者の利用のされ方として、タグで検索して情報収集する・・・なんて方法も活発化しているようですね(日本も含めて)。
ちなみに、インドネシアのインスタグラムの活発な利用状況は、数字を見ても明らかです。
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インドネシアの利用者数は4900万人。日本は2000万人。なので2.5倍。
人口はインドネシアが2億6000万で、日本が1億2000万人と2倍。
比率的には同じようなインパクトでは・・・と思うかも知れませんが、注目すべきは「インスタグラムの利用率(対ネット利用者比)」。
つまり「インターネットを使える人がどのくらいインスタグラムを使っているのか」という指標ですが、日本が17%であるのに対し、インドネシアは63%も。インドネシアのスマホユーザーを見ていると、ホントにインスタグラムがよく使われているな・・・と感じるのですが、背景にはこうした状況があるのです。
なおインドネシアのジョコウィ大統領もインスタグラムで発信中。
インスタグラムのユーザー数日本ナンバーワンは、渡辺直美さんの794万人ですが、ジョコウィ大統領のユーザ数は880万人です。
インドネシア観光なら、地図アプリ!!
続いては「地図アプリ」。
記事では、「現在の若者にとって、観光に欠かせないのが地図アプリ。場所を探すにも、レストランや興味深いスポット場所を見つけるにも有用で、この「地図アプリ」があれば、現地の観光ガイドに頼らずにすませることができるというのが大きなポイントだ」と。
「旅行で大事なアプリは?」という質問に、よく「地図アプリ」が回答できたなと思ってしまうくらい(選択肢にあったのかな)、もう「アプリ」の域を超えて、日常の中で頻繁に使われるようになったツールではないかなと。
一方で、インドネシアの皆さんの利用を見ていると、どうも地図が読めない、あるいは地図を読むのが苦手な人も多い様子。後述する「オンライン配車サービス」のアプリでも、出発地と目的地を地図で示せるのに、なぜか運転手がそれを理解していない・・・もしくは、わざわざ電話で聞いてくる・・・ということが多いです。
そんな環境の中にあって、地図アプリがトップ3に入ったというのは、少し意外な気もします。
インドネシア観光なら、オンライン配車サービス!!
そして3つ目は「オンライン配車サービス」。「Uber」や「Grab」といったサービスです。
この点は、もしかしたら日本と事情が異なるかもしれませんね。インドネシアでは、この数年で、オンライン配車サービスが急速に普及しました。インドネシアでは国内企業の「Go-jek」が有名です。
アプリを開いて出発地と目的地を設定。呼び出しをすると、わずか数分ちょっとで車がやってくる・・・しかもタクシーより安く、現金の受け渡しも不要!という安心感。特にトラブルが少なくないタクシー業界にあって、これだけの「安心感」を顧客に与えたというところは、非常に大きなものがあるなと実感します。
インドネシアに来たら、ぜひ使ってみて欲しいのが「オンライン配車サービス」。ぜひ既存のタクシーも使ってみて欲しいのですが、その上で、比較をしてみてほしいんです。もう「オンライン配車サービス」一択になるはずですよ!
記事では「若者は、交通手段を手配するのに、事前に予約をするという方法ではなく、利用したいズバリその時にオンラインで依頼するのを好む傾向にある」と書いてありますが、それも当然だよな・・・と思います。それくらいに便利な存在です。
インドネシア観光に必要なスマホアプリ、今後どう変化する?
というわけで、インドネシアの若者が旅行の時に欠かせない3つのアプリをご紹介しました。
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と言っても、ある意味では「あたりまえ」という結果でもあり「こんなデータで、わざわざブログにするなよ!」と言われてしまいそうですらありますが、それぞれ日本と異なる事情かな・・・という点について、私なりの見解を補足してまとめてみました。
デジタル時代ってホントに恐ろしくて、こうした利用動向は、ものの数年で激変するんですよね。日本と同じ道をたどるのか、また異なる事情で変わっていくのか・・・。今後も注視してみたいと思っています。
なお、「インドネシアの観光」という観点からは、こちらの記事もどうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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