インドネシア語、ジャワ語、英語、日本語、中国語、マラン語の6つの言語に囲まれて過ごす海外生活

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「インドネシアでは、何語が使われているんですか?」と、日本の方から聞かれることがあります。「やっぱり共通語は英語なんですかね・・・」とか。「インドネシアに特有の言語があるんでしょうか? 例えばインドネシア語・・・とか」と。

そんな時、私は次のように答えます。
「公用語はインドネシア語ですよ」と。

「じゃあ、インドネシア語を話す必要があるんですね?」と聞かれます。

私は答えます。「はい。あくまでも、<公用語は> ですけどね」と。なぜならインドネシアでは、公用語であるインドネシア語以外にも、非常に多くの言語が使われているからです。




6種類の言語に囲まれて暮らす環境

私はインドネシアの東ジャワ、マランという場所に住んでいます。

結論から言いましょう。何語で暮らしているか。私の場合、インドネシア語だけでなく、英語、ジャワ語、日本語、中国語、マラン語という、合計6つの言語に囲まれて暮らしています。

6つ! と聞くとびっくりするかもしれませんね。もちろん、6つ全部できるというわけではありません・・・。

東南アジアから見たマラン(Malang)
【画像:赤い部分が私の住むマラン】

インドネシアの公用語はインドネシア語。でも、私の場合はこんな環境です。

地元の人同士の日常会話は、ジャワ語で行われ、外国籍の人が入ってくれば、英語に切り替わり、我が家は家族全員が日本人だから日本語で会話をし、中華系の人同士が集まると、中国語が聞こえてきて、マランには、マラン特有のマラン語も存在する・・・、

という具合です。「言語マニア」にとっては、ワクワクするような環境かもしれませんね。

多様性にあふれたインドネシア

2013年に共著で書いた書籍、「インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本」。
「インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本」の表紙

第2章「インドネシアという <国> の形」の中にある、「多様なインドネシア」という項目(32ページ)で、私は次のように書きました。

言語の数も300や500、分類によっては1200を超えるとも見られています。

(中略)

これだけ多様な国をどうやって一つにまとめるのか。そういう点で、インドネシアは「国民国家の実験場」ともいわれてきました。

「インドネシア語」という共通語はあるものの、多くの人たちは地域ごとの「地方語」を話します。ジャワ語、バリ語、スンダ語・・・。日本の方言とは異なり、文法や言語体系がそれぞれに異なります。多くの人がバイリンガルで、話し言葉が違えば、見かけも違うという多様さ。

「外国語ができる」=「すごい」こと?

多言語学習

インドネシアという場所は、本当にたくさんの言語が飛び交う場所なのです。

日本は、日本語ができさえすれば生きていけるという環境。そのためでしょうか、「外国語ができる」=「すごい」というイメージがあるような気がします。

でも、インドネシアでは、複数の言語ができるのが当たり前。

だから「複数の言語ができる」と言っても、すごくともなんともないのです。新たに言語を学ぶにしても、それをハードルに感じる人が日本よりも少ない・・・というのが私の率直な感想です。そういう意味では、ここには自然体で多言語学習が可能な環境が整っていると言えます。

複数の言語で混乱しないのか?

しかも、みんながすべての言語ができるというわけではありません。ある人にはわかったり、ある人にはわからなかったり。でもベースであるインドネシア語はわかる・・・。

異なる言語話者との話では、インドネシア語を使えばいいし、ジャワ語がわかる同士だったら、ジャワ語を使ってみてもいいし・・・、という感じです。

共通語で統一して話せばよいのに・・・と思うかもしれません。

でも、地方の方言を想像してみてください。例えば大阪人同士だったら、大阪の言葉で話した方が、親近感がわいたり、こまかいニュアンスまで伝わったり・・・そんな感じです。

「多様性にあふれた環境」が意味するもの

私はこの多様性ある環境が、とても好きです。

「脳トレになる」なんて言ったら、会話の相手に失礼かもしれませんが・・・、話をするときに、頭がフル回転する環境。

言語を変えることで、ちょっとしたニュアンスが変わってくる。会話の時々で言語を入れ替えたりすることで、話者の間で笑いが起きる・・・そんな環境です。

私がインドネシアで子育てをする理由の一つに、「世界は多様であることを、言語面でも肌身でわかってほしい」というのがあります。

言語を使って心に入り込んでいく・・・という楽しみ

というわけで、私はインドネシア語だけでなく、英語、ジャワ語、日本語、中国語、マラン語という、合計6つの言語に囲まれて暮らしています。

とはいえ、旅行でバリに行くと、英語だけで用事が済んでしまうし、ホテルや観光地だけであれば日本語もかなり通じてしまいます。

出張でジャカルタに行けば、大企業で、例えば送迎があったりホテルが用意されていたりとなると、これまた、英語だけで用事が済んでしまうし、通訳がいれば日本語でもOKとなってしまいがち・・・。

でも、インドネシア語ならではの楽しみもあるし、それ以外の地方語にも、それなりの楽しみと深みがある。それが多言語国家インドネシアの魅力の一つ。

インドネシアにいらっしゃる皆さん。日本語や英語だけでなく、ぜひインドネシア語も使ってみてください。バリに行く方は、ちょっとでいいからバリ語で挨拶してみて下さい。

ジャワ語の挨拶表現は?

インドネシアの女性

ちなみにジャワ語の挨拶表現は次のとおりです。

・おはようございます:Sugeng enjing スゲン・エンジン
・こんにちは(午後):Sugeng siang スゲン・シアン
・こんにちは(夕方):Sugeng sonten スゲン・ソントゥン
・こんばんは:Sugeng ndalu スゲン・ダルー

地元の人たちは、きっといい笑顔で迎えてくれるはずですよ。 ネルソン・マンデラも、こんな名言を残しています。参考までにどうぞ。

多言語学習のメリット!ネルソン・マンデラの名言はズバリ最終回答だ!
「外国語は英語だけで充分」「他の言語を学ぶ意味あるの?」という意見もあります。でも、このネルソン・マンデラの名言を聞けば「もっと、いろいろな外国語を勉強しよう!」というモチベーションアップにつながるはず。ぜひチェックしてみてください。

■参考:このテーマに関連するブログ記事です。

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