宮澤喜一元首相からいただいた一通の封書

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2007年6月28日、宮澤喜一元首相が亡くなられました。享年87。
東大から大蔵省へ。政治家になり、ついには総理大臣へ。
従来の日本における最高エリートコースを、
まさに最先端で邁進した方だと言っても良いでしょう。
サンフランシスコ講和会議にも参加したことから、
歴史の生き証人とも言われました。


一方で、リクルートの問題であったり、政治改革の失敗であったり、
はたまた、バブル経済の処理の失敗など、一定の批判があることも
事実です。
ただ、良くも悪くも、エリート街道をまっしぐらに走ってきた、
まさに歴史そのもの、大正、昭和の化石的人物だったとも言えます。
そんなすごい方から、一通の封書を受け取ったことがあります
私がまだ高校生の頃でした。
            □     □     □
封をあけてみると、中に入っていたのは総理大臣就任挨拶のカード
びっくりしました。
と言っても、私はまだ単なる高校生。
わけもなく届けられたというのではありません。
実は、この前後数世代の首相に対し、
私は、半ば実験(と言っては失礼でしょうが)のつもりで、
首相就任おめでとうの葉書をお送りしていたのでした。
数人の方々にお送りしたものの、
こうして、印刷物であっても封書をいただけたのは、
宮澤喜一さんだけだった
のです。
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博覧強記の記憶力と、アメリカ人ですら舌を巻く程の英語力。
そのエリート性から、自民党の旧勢力からは、
かなり疎まれたようですが、にもかかわらずトップにまで
登りつめたという人物。
独特の魅力があって、私にとっては、
いつかお目にかかりたい方リスト」の一員でした。
(珍しいですかね?:笑)
            □     □     □
ついぞお会いできませんでしたが、
私は、あの封書をいただけたということが、
鮮明に記憶に残っています。
私の手紙が宮澤さん本人に読まれはしなかったでしょう。
単に、秘書たちが処理をして、機械的にリストに加えて
挨拶カードを送付してくれただけなのかもしれません。
でも、他の数人の首相は、そんなことすら、
してくれませんでした(多忙なので当たり前でしょうが)。
だからこそ、思うのです。
宮澤さんご本人の意思はなかったとしても、
スタッフの皆さんが持ち合わせていた心配りを。
あるいは、心配りではなく、優れた事務処理能力のすごさを。
            □     □     □
ちょっとした葉書一枚が、
あるいは、末端の人にも葉書を送れというスタッフ教育が、
受け取り手に、大きな記憶となって、
はたまた、大きな印象となって、
その人の何かを伝える原動力となることがあるということです。
私は、宮澤さんの人徳のなせる業なのだと信じて疑いません。
人は、ちょっとしたありがたさを享受しても、
忙しさにかまけて、お礼をしそびれたりすることがあるものです。
あるいは、若い人に顕著な気がしますが、
ありがたきことを、当然のように思い、
お礼を省く傾向があるように思います。
でも、ほんのちょっとしたことが、
後々まで大きな印象付けになることがあるということを、
心のどこかに、きちんとすえておく必要があるように思います。
幸せな人生を形成するための、一つのヒントのように思うのです。

【 このテーマに関するおすすめ本 】
 『友情 力あり』 (城山 三郎:著)
 ※ 宮澤さんの青年期がモデルとなった小説です。とても印象的でした。

ちなみに、宮澤喜一さんの英語インタビューのyoutube映像は、こちら。

 
 
このコラムは、2007年7月4日に配信したメールマガジンを転載したものです。
 
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 2007年7月5日            渡邉 裕晃

 

 

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