今回のテーマは、イケアの取り組みに見る「大型店舗」の社会貢献のかたちについて。
イケアが展開する店舗は、いわゆる「大型店舗」として知られていますが、今回、その「大型店舗」という性格を活かした社会貢献の施策について、イケアが矢継ぎ早に発表したニュースがありました。
東日本大震災は、多くの企業に対し、「社会貢献のかたち」に再考を促す結果となりました。震災前と震災後の変化を比べてみると・・・、
震災前は、
・製品を通じて貢献する。
・雇用を生み出すことで貢献する。
・寄付によって貢献する。
といったことが中心でしたが、震災後には、より幅広く、様々な取り組みが取り上げられているように思います。
今回のイケアの取り組みもそうです。
矢継ぎ早の発表は、こちら。
(1)イケアが売電事業に参入、太陽光発電の設置を加速。 (2)船橋市、イケア店舗を「津波警報」時の避難場所に活用へ。 (3)イケア、被災地支援でおもちゃを乗せたバスを巡回へ。 |
かいつまんで、ご紹介します。
(1)イケアが売電事業に参入、太陽光発電の設置を加速
まず(1)については、こちら。
イケアが売電事業に参入、太陽光発電の設置を加速するという記事。
■【節電・省エネニュース】流通業の売電参入、太陽光発電の設置加速 :日刊工業新聞 再生可能エネルギーの固定買い取り価格制度が始まり、制度を利用した売電事業に参入する各社に追い風が吹いている。買い取り価格が1キロワット時あたり42円と、他の再生可能エネルギーに比べ高く設定された太陽光発電の設置が特に注目を集める。 家具販売のイケアは、今秋にもIKEA福岡新宮店(福岡県新宮町)に想定する出力規模が750キロワットの太陽光発電パネルを1500台収容できる屋外駐車場に設置し、売電をする計画だ。 |
これは、IKEA福岡新宮店での取り組みですが、イケアのその他の店舗でも、同様にして可能な取り組みですね。
こうした発電は、「いまどれくらいの発電をしています」という表示ができ、店舗来場者に対する、イメージ喚起にもつながります。(節電に関する啓蒙も)
イケアブランドの向上につながる一定の寄与が認められるならば、その他のイケア店舗にも広がっていくのではないでしょうか。
(2)船橋市、イケア店舗を「津波警報」時の避難場所に活用へ
続いて(2)は、こちら。
■【巨大地震】商業施設と津波避難協定 東京湾岸の千葉・船橋市 – MSN産経ニュース 千葉県船橋市は9日、市内に大型商業施設がある三井不動産やイケア・ジャパンなどと、津波警報の発令時に一時的な避難場所として使用できるよう協定を結んだ。 |
「IKEA船橋店」の駐車場や屋上を開放することで、約5千人を収容するスペースになるとのこと。
これは船橋市が様々な大型店舗との提携を進めている一環で、
船橋市は東京湾に面しており、市内の高層マンションにも3階以上の廊下などの共用スペースの提供を要請。これまでに、計18カ所で約6万4千人が一時避難できる態勢が整ったとしている。 |
との記事になっています。
大型店舗ならではの取り組みですね。
(3)イケア、被災地支援でおもちゃを乗せたバスを巡回へ
そして3番目のニュースは、先日のブログで紹介しました。
インテリアだけでなく、子供向け玩具にも力を注ぐイケア。そんな同社が、おもちゃを積んだバス「Happy Play Bus」を被災地の各地に走らせるというプログラム。
「大型店舗ゆえの取り組み」とは若干ずれるかもしれませんが、「震災後ならでは」の取り組みの一つとして、ご紹介します。
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「日経ビジネス」2012年3月26日号の特集記事、「イケアの秘密 揺るぎない究極の理念経営」によれば、同社はこれから徐々に出店を再開していくという内容が書かれています。
■イケアの秘密 揺るぎない究極の理念経営 スウェーデンに本拠を構える、世界最大の家具チェーン、イケア。日本の港北店(横浜市)は26カ国、287店舗の中で最大級の集客力を誇るそうです。なぜ、イケアは日本の消費者を惹きつけたのか。 手頃な価格が支持されていることは間違いありませんが、それだけではないでしょう。デフレが進む日本では、品質、価格の両面でイケアと遜色のない商品を揃える家具チェーンはほかにもあります。 |
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ここしばらくは新規出店は停止して、マーケティング蓄積をしていたが、いよいよ「攻め」に転じるという記事。わかっているだけでも、東京では2014年に立川店が。また、仙台でも大型店舗が計画されています。
これからイケアが日本でも成長を加速していく。
こうした矢継ぎ早の発表は、イケアが日本で拡大していくためにも、社会に無くてはならないインフラとして、社会に貢献していく姿勢を示したものと言えそうです。
イケアは、理念を重視した企業でもあります。そうした中で、こうした取り組みは、ブランド向上の意味でも価値ある取り組みなのだと思います。
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「大型店舗」はイケアだけではありません。
そう思うと、イケアに限らず、「社会貢献できる施設」は、他にもまだまだありそうですね。ネタは、いくらでもありそうです。
例えば、イケアの駐車場が、電気自動車のスタンドとして解放されたり、カーシェアリングの施設となれば、それはそれで、大きなインパクトにもなりそうです。
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社会貢献のかたちは、まだまだたくさん。今回は、イケアの3つの取り組みを紹介しましたが、今後、様々な企業が、様々な施策を打ち出していくことでしょう。
願わくは、こうした取り組みが、その企業の成長にも寄与することが実証されること。そうしてこそ、他の企業にも貢献の波が広がっていきます。
「企業の社会的責任」として、「CSR(Corporate Social Responsibility)」という言葉が注目を浴びる中、より実効性あるものとして、広がっていくためにも、今回のイケアの取り組みには、ぜひ注目したいものです。
2012年7月10日 渡邉 裕晃
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