「気づいて ほめて わけあおう
素敵なちがい
みんなの宝」
昨年末、日本に一時帰国中だった8歳の娘が書いた人権標語です。一時帰国を利用して、日本の小学校に「短期留学」をしていたのですが、そこで課せられた宿題です。みんなで市に提出するものなのだそう。
多様性の国インドネシアでの子育てをしてきて、昨年10月で、3年目に突入しました。私が子育てにあたって強く意識しているのが、この「多様性」の原則です。
【写真:東ジャワの高原を望んで】
目次
どのようにして標語を作ったか
いきなりスラスラと標語が書けたわけではなく、妻が娘と対話をしながら引き出していったようです。
「インドネシアで暮らしていて、それからまた日本に戻ってきて、2つの学校を過ごしてきて、どんな違いを感じる?」と。
娘いわく、「インドネシアは、茶色の子も白い子もいるけど、日本は、みんな白い子ばかり」と。
そこで妻が「その違いについてどう思う?」って。そんな感じでインタビュー形式で導き出して、そこから書かせた作品が上記のとおり。
多様性の国、インドネシアで子育て
インドネシアには300とも500ともいわれる民族がいて、みんなが「インドネシア語」という共通言語を公用語としつつも、それぞれの民族ではそれぞれの固有の言語も使っていて。
ずばり、国民全体がバイリンガル、トリリンガルという国です。
このように複数言語や複数民族が一緒に同居しながら一体となって過ごす空間は、相手に同質性ばかりを求めるのでなくて、自らがみんなに合わせていこうと配慮することも求められて。必ずしも、インドネシアの全ての場面で、それが貫徹されているわけではありませんが、でも、この「多様性」を重んじる環境は、実に素晴らしいものだと私は考えています。
私が子育てにあたって大事にしたいことは、この多様性を特殊なものとしてではなく、本来的に所与のものとして認識してほしいということ。
特にそのように強く指導しているわけではなくて、暮らす生活環境からして感じ取ってほしいし、それが感じ取れる環境にあるはず!と思って育てています。
子供と環境:子は「育てるもの」ではなくて「育つもの」
で、今回の標語。
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親バカ発言かもしれませんが、これほどまでに鋭敏に感じ取っているとは、まったくもって予想外でした。
子供は育てるものではなくて育つもの。
環境は本当に大事だなと思いました。
国籍や民族ではなく、個を見よう
「●●人は●●だからね・・・」みたいな、「国民性」や「民族性」のような議論は、私ははっきり言って「くだらない」と思っていて、こんな「ステレオタイプ思考」は、邪魔でしかないと思っています。
でも、いわゆる「地球型思考」というか、「国民単位」や「民族単位」ではなくて、「個単位」でしっかりと人と人とが敬意をもって対峙していく社会は、いつかきっと来るはずだと信じています。
今から3世代くらいは時間がかかるでしょうかね。あと100年後か・・・。
でも、子供たちにはそういう次世代の社会を見据えて生きて欲しい。
「人間一人ひとりにそれぞれの価値がある」ということ
そんな思いをもって子育てをしてきた私からすると、今回の標語には驚きました。
未来に一石を投じる存在になってほしい。
そのことを改めて思うと共に、子育ての重要性を再認識した次第です。
変にカテゴライズして、十把ひとからげにしてモノを見る習慣は、「百害あって一利なし」だと私は思います。人間一人ひとりにそれぞれの価値があり、「●●人」というようなくくりで、一括して見るようなものではないはず。
これからも、子供たちには多様性の中で生きることの意味と価値をじっくりと教えていきたいなと。
というわけで、久しぶりの親ばか日記でした。
【参考】多様性と国民性の意味を考えるブログ記事
こちらの記事も、ぜひどうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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