古くて当たり前のことに意外なヒントが|京都の履物屋ご主人から学ぶ

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今回のテーマは、古いことや当たり前のことの中にある意外なヒントについて。・・・と言っても、なんだかよくわからないでしょうか。ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

プロフェッショナルの世界は奥が深いものだと、つくづく感じます。

先日、知り合いからご紹介いただいて、京都で有名な履物専門店「ない藤」(ないとう)のご主人にお目にかかる機会がありました。

150年以上も続く名店で、文化人、女優さん、あるいは着物好きにはとても有名なお店だと聞いています。

とてもお若いご主人なのですが、こんなことを教えてくれました。


伝統に固執し続けると廃れるものですが、でも、伝統に固執し続けて、それでも生き延びることができれば、それはホンモノになるんです

お酒の入った立食パーティーでの席だったのですが、この言葉にとても感銘を受けて、強く印象付けられたことを今でも覚えています。
 
 
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京都には、5代目とか8代目とか、
大変長い歴史をもったお店がたくさんありますが、
ご主人さんのお話をうかがうと、
こうした名言が飛び出す機会が本当に多いなと思います。

今回の言葉にも、私の心にぴたっと迫るものがありました。
 
 
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伝統に固執し続けると、廃れていく。
でも、生き残るかたちで、支持されるかたちであれば、
固執して続けていくかぎりにおいて、
不動の地位を築くものに仕上がっていく、という考え。

伝統芸能だったり、モノづくりであったり、
いろいろなことに当てはまることだと思いますが、
人の成長という点においても、
当てはまることなのではないかと感じました。
 
 
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成長のためには、当たり前を当たり前にこなすことが大事
と言われるように、
成長に不可欠なことは、意外と地味な作業であることが多いものです。

「そんな程度のことで良いの?」と思ってしまう程、
単純で、つまらない作業。

でも、それをつまらない、意味の無い作業だと考えて進めると、
続かなくなります。「廃れていく」ということになります。
 
 
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一方で、
自分の成長にとって大事な過程だととらえて進めると、
意味ある作業として続けていくかぎりにおいて、

ある時ふと、
ひとつもふたつも上のステージにたどりついている自分に
気づいてしまうということがあるはずです。
 
 
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ホンモノであってこそ、ホンモノの方々から支持される。

モノでもヒトでも、同じことが言えるのではないかと思いました。

古い伝統でも、ホンモノには固執し続けていくこと。
古い教訓でも、ホンモノの教えには固執し続けること。

モノづくりでもヒトづくりでも、
そして自分自身が成長を遂げていくという意味でも、
本当に大事なことではないかと思います。
 
 
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「そんなの古いよ」とか、
「昔のことでしょ」とか、
「今は通用しないよ」とか、
そうやって切り捨ててしまったことの中に、
これからの将来を切り開くための意外なヒントが
まだまだ詰まっているかもしれません。

先人の教え、親からの教え、師からの教え、先輩からの教え。
そうした中に、自らやってみることもせずに切り捨ててしまい、
結果として機会損失を被っていることもあるはずです。

もっとも、古いことには廃れることもたくさんあります。
変えなければいけないこともあるでしょう。

でも、一方で、意味あるヒントもたくさん転がっているように思います。
虚心坦懐になること。大事なことです。
 
 
 
 
このコラムは、2007年10月20日に配信したメールマガジンを転載したものです。
 
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 2007年11月7日            渡邉 裕晃

 

 

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