先入観と偏見(2)国家というフィクション

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今回のコラムは、前回コラムの続きになります。
もし前回コラムをご覧になっていないようであれば、
ぜひ、こちらをご覧下さい。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2008年5月17日up
 先入観と偏見(1)より良く見抜いていこうとする姿勢


「日本は、世界でも珍しく、単一民族の国家です」というメッセージを題材に、
固定観念や先入観の弊害について、お話をしてきました。

正しく見る。これはとても難しいこと。
でも、より正しく見ようと努めること。
これは、心がけ次第で、徐々にブラッシュアップが可能な技術ではないかと。

完全に排除するのは困難かもしれません。
でも、排除しようというスタンスに努めた方が、
より良く世界が見えてくるようになり、
ひいては、人生の機会損失も減るだろう。

そんなお話をさせていただきました。
 
 
     □     □     □
 
 
わかりやすい例えだと思うので、民族の話を続けます。

「日本人は●●な民族なんですよね」

この表現は意外と隋書で聞かれるものですが、
私はこれを聞く度に、どことない違和感を覚えます。

それは私自身が混血であること、
つまり、純粋な日本人ではないからなのですが、
その前に、
そもそも「純粋な日本人」という表現自体、厳密には微妙なものです。

「日本人という民族って何?」
「そしてそれは誰のことなの?」
と思ってしまうのです。

「日本人」という観念自体、
明治時代に入ってから醸成されたものであって、
長い歴史から見れば、まだまだ新しい考え方でしかありません。
(と思います)
 
 
     □     □     □
 
 
ベネディクト・アンダーソンという学者がいます。
この人は、「国家」というものを、このように定義しています。

「国家とは、想像上の共同体である」と。

「私たちは同じグループですね」という、
フィクションに基づいた共同体という意味です。
 

 
     □     □     □
 
 
「私たちは日本民族なんですよ」
というフィクションなり物語なりに基づいて、
「日本人」というアイデンティティーが成立するわけです。

「私たちはアメリカ人なんですよ」
というフィクションなり物語なりに基づいて、
「アメリカ人」というアイデンティティーが成立するわけです。

インドネシアには300を超える民族がいて、
300を超える言語が存在するわけですが、
「あなたがたはインドネシア人なんですよ」と言い聞かせ、
「インドネシア語」という共通語を発明して教育し、
そうして、インドネシアという一つの国家がまとめられています。
 
 
     □     □     □
 
 
内紛の絶えないアフリカ地域。
民族間の紛争や虐殺は、長きに渡る未解決事項になっています。

アフリカ地域の国境線を見て不思議に思いませんか?
なぜ、直線が多いのか。

占領していたヨーロッパ列強の支配者が、
国境を決めるのに、地図を広げて定規で引っ張っていたからです。

フィクションの元にまとめられているだけなのです。

 【このテーマ:次回につづく】
 

(参考:samsul.comブログから)
 
■2007年5月18日up
 先入観と偏見(3)民族を変える!?


 
 
 
このコラムは、2008年4月19日に配信したメールマガジンを転載したものです。
 
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 2008年5月18日            渡邉 裕晃

 

 

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