前回のコラムで、営業の話を引き合いに出しました。
そこで今回も、また別の角度から、営業の面白さについて考えてみたいと思います。
私は縁あって24歳の時に、会社をスタートさせる機会に恵まれました。それより前、ベンチャー企業でアルバイトをする中、いろいろな経験をさせていただきましたが、本格的な経験といえば、ほとんどこの会社でしか経験がないに等しい状態です。
その間、私が経験しているのは、営業といっても法人営業のみ。そこで法人営業に絞って、お話をしたいと思います。法人営業の醍醐味とは何か。それは、ずばり「人生目標の高さ」で決まる! と私は考えています。
目次
営業を面白いと思うこと、営業の楽しさを見出すこと
「営業は辛い仕事だな」と感じている人もいるでしょう。
その反面、「営業は面白いな」と感じている人たちもいます。
いろいろな人たちがいて、私の身近でも、両方の方が存在します。
でも、仕事を前向きに楽しく取り組むには、後者であるべきです。
前者のスタンスで好成績を出すのは難しいはずです。
そして、後者であるために必要なことは、目標を高くもつことだ、私は考えています。
成長の分岐点になるのは、人生目標の高さ
誰もが、いつかは、辛いことや困難なことにぶつかります。
それに対して、
(1)打ち破れて、なえてしまって、マイナススパイラルに陥るのか、
(2)「なにくそっ」と思って、ポジティブに奮起をして、真っ向勝負を挑むのか・・・。
その「分岐点」は、その人が抱く目標の高さにあるのだと思います。
例えば、
「アポイントを取る」とか「提案をする」とか、
そうした低い目標の場合、いつまでも実現できなければ、
次第に辛く感じられるようになってしまうのは目に見えています。
でも、例えば、
「営業で頑張って年間MVPを取るぞ」とか、
「起業に必要な経験を学び取るぞ」とか、
「この活動で、お客様以外のいろいろな人たちにもプラスを創出させよう」とか
そうした高い目標をもっている人の場合、
その程度でなえることは無いはずなのです。
なぜなら、その人にとって、そこで味わった苦労や失敗は、まだまだ目標までの序盤戦に過ぎない事だから。
異業種交流会で名刺を差し出した、あるおじさんの話
昔こんなことがありました。
ある異業種交流会で、私に名刺を差し出してきたおじさまがいます。
申し訳なさそうに・・・、
「すみません、わたし、こういうの初めてなもので、お名刺の交換をお願いしても良いですか?」と。
なんとなく、気になる存在でもあったので、会社に遊びに行くことにしました。
田舎の小さな会社の社長が放った衝撃の一言
田舎駅をおりたって、しばらく歩いたところに会社がありました。
起業して1〜2年の有限会社の社長さん。
社員数はゼロ。小さなオフィスで、4人のパートさんだけで会社をまわしていらっしゃいました。
私の会社は広告代理店。プロモーションのお手伝いがしたい。
でもこの会社さんの規模から言って、まだまだ広告を使っての本格展開は難しそう・・・。
ただ、いろいろとお話をしている中で、なぜか気に入ってくれたようでした。
そこで言われたのが、このひとこと。
「渡邉君さぁ。こんなオフィスで、こんなことを言うと
びっくりするかもしれないけれど、実は会社を一気に大きくしたいんだ。
この4か月で20人を採用したい。いや、しなきゃいけないんだ。
渡邉君。そのためには、どうしたら良いかねぇ・・・」と。
できるだけのアドバイスや紹介をさしあげた結果
悩みましたが・・・、私なりに、どこの会社の誰とつきあうべきか、どういう方法を進めるべきか、アドバイスをさしあげ、また紹介もさしあげました。
でも、4か月で20人の自信はありませんでした。
(ベンチャーにとって採用は死活問題。誰でもOKというわけではありません)
結論からすると、この目標はクリアしました。私の本業ではないので、お金のやり取りはありません。でも、ものすごい勢いで、喜ばれました。
「渡邉君、やったぞ!」と。
間に入って頑張ってくれた、人材会社の優秀な担当者たちも、「やりとげました!」と大喜び。今でも語り草になるプロジェクトです。
その後、この会社はどんどん成長を始め、この20人のうち数人が、役員にまで就任しました。会社の規模が大きくなるにつれて広告展開も本格的になり、次第に広告予算も増大。「えっ、こんなに予算かけて大丈夫ですか?」と聞く私に、「うん、大丈夫になったんだ。そういう会社になったんだよ」と。
これは、私にとって、本当にうれしい一言でした。
「一緒に成長し合うという縁を大きくしていきたい」という私の願望
「注文を取る」という低いレベルの目標だった場合、「あ、この会社じゃ、だめだ」と、諦めて帰るのが普通です。「無駄な時間だったなぁ」と。
でも、私にとっての目標は、もっと高いところにありました。理想的すぎるほど高い目標。それは、みんなに成長がもたらされるように、成長の縁を極大化すること。
これによって、会社が成長し、採用会社の人たちも前進し、20人の人たちも活躍をとげるようになった。その結果として、私の会社サムスルへの注文も増えていった・・・。この成長の循環。たまらない喜びです。
目標は高く!!
こうした理想を実現するのは、なかなか大変です。こなさなくてはいけない量も多いですし、無駄なことも多いかもしれません。
でも、だからこそ実現できた時の喜びは、まさに「望外」のものであり・・・、こうして築いた「結果」にこそ、今までの苦労や失敗の数々が報われるというものです。
目標を高くもつ。
そうすると、やるべきことの多さに驚愕するかもしれません。でも、それをしっかり見つめて、行動を継続していく。それこそが、仕事で結果を創り、仕事を楽しめるようになるための、最初の一歩だと、私は思うのです。
ちなみに後日談ですが・・・。今回のブログでご紹介した名刺交換のおじさまの会社ですが、その後、2016年には東証一部上場企業になりました。
【参考】営業スキルを磨くために考えておきたいポイント
営業スキルを磨き、営業能力を伸ばし、結果を創り出すために考えておきたいポイントをまとめてみました。こちらの記事もどうぞ。
このコラムは、2008年6月18日に配信したメールマガジンを転載したものです。
■10年続けてきたメルマガのバックナンバーと
購読申し込み(無料)は、こちらからどうぞ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログの更新情報のチェックは、こちらからどうぞ!
時の運と人の縁を極める日々の記録 Twitter: @_samsul
時の運と人の縁を極める日々の記録 Facebook: /samsulcom
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━