今回のコラムは、前回コラムの続きになります。もし前回コラムをご覧になっていないようであれば、ぜひ、こちらをご覧下さい。
□ □ □
誰も歩いてこないような路地裏の極小物件。
交渉を尽くして嫌がられながら、超安価で借り受ける。
厨房は中古でそろえる。
内装は自分で。いすもテーブルも中古でそろえる。
壁の模様は、なんと自分で!適当にペンキで描く。
料理人を雇えない。
とりあえず知り合いの中国人を呼んできて、適当な料理をつくってもらう。
メニューは自分と彼とで素人なりに考える。
チラシは自分で刷って配る。
皆さん、この方法をどう思われますか?
たしかにこれ、正攻法ではないかもしれません。
でもこのお店。
今では数百店舗をかかえるレストラングループにまで成長しています。
□ □ □
ある飲食店のケース。
正攻法で出店する程の余裕資金は無い。
けれども出店すれば利益が出る確信があるので店を増やしたい。
あの手この手を尽くして交渉をまとめ、ものすごい好立地のところに、内装費ゼロ!で新規出店をする。
(内装工事費は、物件のオーナーに全部負担してもらう)
これも知恵の勝負ですね。これは私の知人の実際のケースです。
□ □ □
お金がないけど店を出したい。
知恵の勝負。
お客様のほとんど入っていない店を探し出し、
自分ならもっとこうやって活性化するとアイディアを練りに練り、そこで、その経営者を見つけ出して交渉。
スタッフはそのままいただく、内装もそのままいただく、家賃に20万円を上乗せして支払うという約束で交渉成立。
その経営者は又貸しするだけで20万円の収入。
毎月の赤字黒字に一喜一憂することから開放される。
彼は追加の月20万円の負担だけで、店を出すことができた。
これまた知恵の勝負ですね。これも、私の知人の実際のケースです。
□ □ □
小資本のベンチャーにとって、マニュアル通りにやっていては、できるものもできなくなります。
現状のおかれた環境をふまえて、そこから何ができるのか、徹底して考えて徹底して行動することで道が開けます。
できない理由を考える程の暇はありません。
でもベンチャーマインドの無い人は、これができません。
□ □ □
以前、こんな質問を受けたことがあります。
「創業して数ヶ月で黒字にできたのはなぜですか?」と。
この答えは簡単で、
「黒字にしないと、私の生活費がもたなくなるからです」
が正解です。
(実際、以前あるメディアから質問された時に、そう回答しています)
お金が無い中でのスタート。
普通にオフィスをかまえて、内装をととのえて・・・、なんてことはできません。
立派なビルに入って、しっかりしたデザインのオフィスにすれば、信用も上がって、良い人材も集まってくるかもしれません。でもそんなことをすれば、数ヶ月で会社をたたまなくてはいけなくなります。
そこは知恵と行動だけです。
□ □ □
私が経営する会社、サムスルの場合です。
お金の無い中で、真っ当な企業と思われるためには、それこそ知恵の勝負。
オフィスの家賃はゼロ。
内装も無料。机やイスも無料で。
コピーやFAXの機械も無料。
でも、オンボロオフィスでは決してありません。
社員を雇わない(雇えない)から、人件費もただ。
無いお金を絞り出して投資をするよりも、営業から経理から、何でも自分でやれば、とりあえずはしのげます。
(稼げない時期は、私が生活を切り詰めれば良いだけのこと)
営業リストをつくる。これも知恵の総動員。
いかにして紹介を勝ち取るか、だけでなく、なんとお客様にお願いして、営業リストをつくってもらったことすらありました。
こういうのは、いわゆるマニュアルには載っていない手法です。
(このうち何件かは実際に、長期にわたる受注に結びつきましたし、リストを作ってくれたお客様も、とても喜んでくださいました)
うちの会社へ営業がくれば、もう、それこそ「待ってました!」(笑)の逆営業です。
(このうちわずかですが、実際に、長期にわたる受注に結びつきました)
□ □ □
一方で、会社として真っ当に見せる工夫も忘れません。
実際、私一人の会社なのに、
あたかも何人もの社員がいる中小企業だと思ってくれた方々が
意外といらっしゃいました。
例えば社員がいないのに、
「電話対応の良いスタッフさんがたくさんいますね」と言われたこともあります。
こういうのは知恵です。本当にたくさん雇っていたら、すぐに倒産です。
【このテーマ:次回につづく】
2008年8月27日 渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【社長ブログ】時の運と人の縁をきわめる日々の記録
────────────────────────────
【 会社HP 】株式会社サムスル(ネット広告代理店)
【 1×1×1=100を創る「成長縁(R)」創出カンパニー 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━