「男性を磨く、女性を磨く」ということ。これはとても大事なことだという話をしました。でも、そういう話をすると「男女の役割を固定している」と批判する方もいると思います。今回はこの点について、別の観点から取り上げてみます。
なお今回のコラムは、前回コラムの続きになります。もし前回コラムをご覧になっていないようであれば、ぜひ、こちらをご覧下さい。
目次
レストラン「カシータ」オーナー、高橋滋さんが語ったこと
私たちの会社では、社員がまだ5人くらいしかいない時期から新卒採用をやっています。
その記念すべき第1回目の入社式で、レストラン「カシータ」のオーナー、高橋滋さんに、講演をしていただきました。
■レストラン「カシータ」 http://www.casita.jp |
高橋さんといえば、知る人ぞ知る有名人。入社式で講演をしていただけるだなんて、今になって思えば、実に贅沢なイベントだったと思います。おつきあいがあったことから、特別にお受けいただいた事情があるのですが、今となっては、申し訳なくて、なかなかお願いしにくいのが実情です・・・。
(この入社式のことを人に話すと、いまだに「講演していただけたなんて、すごいですねっ!」と驚かれたりします)
「男は男らしく、女は女らしく」のメッセージ
その講演で、高橋さんはいろいろなことをお話してくださったのですが、今回のコラムのテーマに引き付けて言えば、特に印象に残ったのが、このメッセージでした。
皆さんはサムスルに入社して、正式に社会人になる。 社会人になったら、やり続けてほしいことがある。 それは、今まで以上に、より一層努力して・・・、 男は男らしさを磨き続けること、 そういう努力をし続けるのが、立派な社会人になるための、最低条件だ。 |
私は、これを聞いたときに感銘を受けました。単純なメッセージではあるものの、実に深くて、実に重いメッセージだと思いました。
でも・・・、「男らしさ」「女らしさ」というと、ジェンダーの観点から抵抗がある人もいるかもしれません。
ジェンダーの観点から言い換えるならば・・・
「ジェンダーフリー」(gender free)という考え方があります。社会がつくりだした「男女の違い」(「社会的性別」「固定的性役割分担」とも言われます)を強調するのではなく、自分らしく生きようという考え方です。
そのため「男は男らしく、女は女らしく」は、もはや現代では当てはまらない過去の遺物であり、捨て去るべき古臭い思え方だと言われます。
しかし、そもそも男と女は違うものです。違うからこそ相手を尊重できるのではないでしょうか。そして思うのです、相手から尊重される資質があるからこそ、もしそれが自分の長所に当たるものであれば、率先して伸ばし、磨いていくべきではないかと。
「男らしさ・女らしさ」が苦しいなら、長所を磨く!
つまり、こう考えてみたらどうでしょうか? 言い換えるならば、それは、「長所を磨く義務」ということになるだろうと私は思うのです。
・男は男らしさを磨き続けること、
・女は女らしさを磨き続けること。
それは、
・男であれば、女にはない長所を磨き続けること。
・女であれば、男にはない長所を磨き続けること。
そして、男女という性差に関わらず、
・自分の長所を磨き続けること、
それは、立派な社会人になるための最低条件だ、ということです。
長所を伸ばし、周りに役立てることの意味!!
男女を伸ばすということに抵抗があれば、長所を伸ばすということに置き換えて考えてみるべきです。
あなたの長所は、たとえ使いそびれて放置しているにしても、それを身につけたくて努力して戦っている人たちからすれば憧れの能力なのです。
なぜ長所を磨くことは大切なのか
長所は、それを活かすことで、人に貢献することができます。小さな努力で大きな貢献ができる、それが長所。それに刺激を受ける人がいて、それによって新たな人生が拓けてしまう人もいる・・・。そんな風にして、人に貢献できてしまう力。
「あともう一日だけ生きていたい」そう願って亡くなっていった人もいる。そんな貴重な一日を、より美しいものに仕立て上げてしまえる力でもあるのです。
だからこそ思うのです。
・男は男らしさを磨き続けること、
・女は女らしさを磨き続けること。
これは、社会人としての最低限の義務だ、と。
日々は本当に感謝の対象です。残された日々の充実化を考えるなら、このこと、頭に置いて損はないはず! と私は思います。
【このテーマ:おわり】
【参考】長所を見つけて伸ばす!に関連するブログ記事
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このコラムは、2009年2月26日に配信したメールマガジンを加筆・転載したものです。
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