今回のコラムは、前回コラムの続きになります。もし前回コラムをご覧になっていないようであれば、ぜひ、こちらをご覧下さい。
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ある職人集団の話。そこで奇跡的に「弟子」として採用されることになった青年の話をしました。
誰から指示されるまでもなく、その青年が自分から始めたその努力。それは、始発に乗って道場に通い、みんなが来るまでの間に掃除をするということです。それも毎日。
その現場を、たまたま偶然、遠くから見つけ、「ほぉ。でも、すぐに続かなくなるだろう」と見ていた師匠。
それがその後も、一日も休まずに継続していくのを見て、彼の努力が本物であることを悟ります。そして師匠は彼の能力と姿勢を見つめていくのです。
彼は経験が浅く、能力も荒い。
まだまだ修行をしなければ、同期のメンバーにも追いつかない。
でも・・・と。
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たしかに今の彼には同期と並ぶ能力と実績は無い。でも、ある役回りを与えてやることで、それだけの能力発揮ができるはずの人物に違いないと。
今はできないような高いレベルのことを与えても、「できるまでやる」という力にかけては、彼は、他の同期の誰にも負けない強さをもっているはずだと。
まさにこれは、
で紹介した若手証券マンと同じ構図です。
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一方、同期メンバーの中で最も能力の高かった、ある青年。
その高い能力ゆえに、最初は役を与えられることが多かったといいます。
でもその青年は、その高い能力ゆえに、次第に力を抜いていきます。
だんだん適当になっていきます。
遅刻も増えていきます。
風邪で休むことも・・・。
当然、伸びません。
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師匠が、初めからそこまで見越していたのかどうかはわかりません。
でも現在、メンバーの中で大いに活躍しているのは、その「高い能力を有していた同期ナンバーワンの青年」ではなく、「能力も経験もゼロだった、奇跡で迎えられた彼」だといいます。
まさにウサギと亀の構造です。
Image from page 216 of “St. Nicholas [serial]” (1873) / Internet Archive Book Images
(ちょっと、怖いですかね・・・笑)
もちろん、毎日掃除をやったからと言って技が向上するわけではありません。
でも、「誰にでもできることを、誰にもできないくらいにやる」。これを継続して極めて行くと、自然と突き抜けてしまうということなのです。
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コラム「誰にもできることを、誰にもできないくらい継続する|朝3時の出社!」で紹介した青年は、朝3時からのレポーティングを毎日。
前回コラム「誰にもできることを誰にもできないくらい継続する|早朝出社で掃除!」の彼は、始発電車での早朝からの徹底掃除を毎日。
・自分の能力の範囲内でレポートをつくる。
・始発の時間に電車乗って、掃除をきちんと行う。
やろうと思えば、できることです。
特に高いスキルは必要としません。でも、それを続けることで、大きな成果に結びついてしまったわけです。時間はかかっても、意図せざる結果で自然と。
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誰でも出来ること。
彼らのやったことをそのまま真似る必要は無く、
自分にできることをやる。
突き抜けるくらいやる。
それが大事なのではないでしょうか。
最後のゴールにたどりつけるのはウサギではなく亀。
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誰にも出来ることを誰にも出来ないくらいやる!
自分には何ができるのか。
改めて意識しておくべき点だと思います。
さらに付け加えるなら・・・。
自分自身で実践していくことも、もちろん大事ですが、
それだけでなく、
もしそういう人が近くにいたら、じっくり見極めてあげること。
ホンモノに化ける萌芽が見えたら応援してあげること。
それが、大事なことでしょうね。
【このテーマ、おわり】
このコラムは、2010年11月17日に配信したメールマガジンを加筆・転載したものです。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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