書評サイト「HONZ」の代表で、株式会社インスパイアのファウンダーである成毛眞さんが、facebook にこんな投稿をされていました。
「一時的な流行りの薄っぺらい議論に引きずり回されてはいけない」と。
これは非常に重要な視点だと私は思います。「当たり前な意見では?」と思う人もいるかもしれません。でも、ソーシャルメディアやメッセンジャーなどが飛び交う現代にあって、改めて思い起こしておきたい、とても大事な着眼点だと思うのです。
「一時的な流行りの議論」「一時的な薄っぺらい議論」、そうしたものに引きずり回されないようにするには、どうすべきか。ここでは、3つのポイントをご紹介します。
目次
スピードが大事か、深い熟慮が大事か
ちなみに成毛さんの投稿はこちらです。
面倒なのでしばらくFBにアクセスしてなかった。トリコロールなんちゃらプロフがどうたらこうたらで、賛否グダグダのエントリが並んでいて、うざかったからだ。どっちでもいいじゃん。今度はヤンキーのガキタバコでまたまたグダグダ。所詮何十万人もいるヤン…
Posted by Makoto Naruke on 2015年11月18日
ソーシャルメディアやメッセンジャーは、とても便利なツール。瞬時のうちに情報が拡散され、瞬時のうちにたくさんの情報や意見に触れることができる・・・。いわゆる「即効性」のメリットですね。
でも、その反面で、「すぐに反応する」ことの裏返しとして、「時間をかけた熟慮がおろそかになってしまう」こともある。まさに「裏付け無き、条件反射」とでも呼ぶべきもの。この点はきちんとわきまえておく必要があるように思うのです。
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基礎を抑えずに反射的に発信したり行動したりすること。基礎をおさえた上で、熟慮した判断をきちんと下し、発信できること。その2つには非常に大きな差があります。
では、そのためにどうすべきか。できることは何か。私は次の3点を挙げておきたいと思います。
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(1)定期的にネットから離れる時間をもつ
まずは、意図的にネットから離れる時間をつくること。
スマートフォン全盛時代にあっては、「いつもネットにつながりっぱなし」という状況になりかねません。スピーディーで簡潔でわかりやすい。
そうした情報ばかりの空間に触れ続けていると、時間をかけて深く考えたり、複雑な事象を理解しようとしたり、他人の思考に邪魔されずに自分で考察する・・・ということが難しくなります。
以下の「デジタルデトックスのすすめ」という本は、ぜひオススメしたい一冊です。
デジタルデトックスのすすめ 「つながり疲れ」を感じたら読む本
米田 智彦 PHP研究所 2014-01-28
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(2)自ら体験することを大切にする(身体性)
読んで知った情報と、体験して習得した情報とでは、その重みに大きな違いがあります。
旅行ガイドで知ったことも、実際に現地に行けば、想像以上の発見をすることもあるはず。現場で「感じる」ことはとても大事。
ガイドで知ったことに基づいた判断と、実際に現地に行って、自分の体で感じとった上での判断とでは、おのずから、思考の深みに差が出てきます。
(3)教養を身につける習慣をつける
短期的な時間軸で判断するのと、
長い歴史をふまえて判断するのとでは、
これまた思考の深みに大きな差が出てきます。
歴史だけでなく、哲学や、芸術、その他さまざまな学問があって、
単なる短期成功を目指したハウツウではなく、
すぐには役立たないけど大事なこと=教養を身につけることは、
思考の幅を広げてくれます。
この「教養」は、今ちょっとしたブームのようで、
何冊の本がでていますが、入口のとっかかりとしては、
これが読みやすいです。
おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)[Kindle版]
池上 彰 NHK出版 2014-06-20
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めまぐるしく変わる現代だからこそ、常に自問したい大事なこと
「一時的な流行りの薄っぺらい議論に引きずり回されない」こと。
これは、めまぐるしく変わる現代にあって、非常に重要なことです。
自らの思考が、次なる行動の判断をつくります。
行動の結果が、未来の幸せを左右します。
であれば、なおさら大切にしたいこと。
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上記の3点は、将来の成功のために短期的に役立つことではないかもしれません。でも、こんな時代だからこそ大事なこと。私はそう思います。
なかなか難しいことではありますが、折にふれて自分の振り返り時間をつくり、「一時的な流行りの薄っぺらい議論に引きずり回されないか」と自問してみること。ぜひ心がけておきたいものです。