ソニー元CEO、出井伸之さんの講演会に出席することができました。
出井伸之さんと言えば、10年間もの長きに渡って、ソニーの代表をつとめられた方。社員総数、15万。それを10年も率いてきたとなれば、それだけでも大変な実績です。そんな出井伸之さんのお話は、非常に示唆に富むもので、感銘を受けました。
当初は、「大企業にしか役に立たないような内容になるのでは?」とも思っていたのですが、さにあらず、私が経営する会社、サムスルのような小規模会社にも、いろいろと応用できそうな気がしました。
クオンタムリープは、連続線上にないジャンプ
昨年9月、出井伸之さんは新しく、小さな会社を立ち上げられています。
■クオンタムリープ株式会社
この社名は、「連続線上にないジャンプ」を意味するものだそうです。
地道な努力や小さな経験の積み重ねが、ある時大きな飛躍をもたらす。そういう「非連続の飛躍」づくりを支援する企業のようです。
「連続線上にないジャンプ」、とっても良い響きですね。そして、深い・・・。ぜひ、あやかりたいものです。
経験こそが、人に伝わる価値になる
一社員からスタートし、大企業のトップにまで上り詰めた出井伸之さん。強烈な創業者の次にリーダーになったことの苦労や経験が、とてもとてもにじみ出てくるご講演でした。苦労してのし上がってこられた方の年輪というのは、すさまじいものがありますね。雰囲気で語ってしまうのですから。
大変な苦労を果敢に乗り越えてこられた経験からくるものなのでしょうか。できることとできないこととの峻別が非常に鋭いです。
例えば・・・、
組織は命令しても動かないのが当然だ言います。社員から本音を引き出そうというのも、そもそもが不可能だと言います。
これを、人間の身体構造であったり、人間関係であったり、ごくごく身近でありながら根源的な例で明快に斬ります。
そうしたことをしっかり見つめた上で、だからこそ、上司やリーダーがすべきことは何かを語り、もっと言えば、組織とは何か、会社とは何かというところにまで話は及びます。
まさに「人間、出井伸之」という感じでしたね。
変革にこだわるということ
また、詳述はしませんが・・・、
「ピンチになったらどうすべきか」というテーマから、ハーバードビジネスレビューで発表された、ジョン・コッター教授の学説、「変革のための8つのステップ」の紹介もありました。
単純な言葉の羅列でありながら、出井伸之さんが説明をすると、実に含蓄のある深みが出てくるのが見事。一つ一つを咀嚼して、サムスルの中において、また、私自身の中においても、一つでも多く、じっくりと、しっかりと実行していかねばと思いました。
いわゆる「出来る人」のオーラ。沈黙をもって語らしむ、この魅力。出井伸之さんの業績には賛否両論ありますが、正直に、すごいなぁと思いました。
出井伸之さんの最新著書である「迷いと決断―ソニーと格闘した10年の記録―」、ぜひとも読んでみたいものです。
また、以下のような書籍もあります。
しかしながら、新社名の由来である「連続線上にないジャンプ」。とっても気になります!
それをもたらすのは、徹底した基礎の積み重ね、地味でも力強い継続力、それにプラスすることのアルファ・・・ではないかと思うのですが、考えが甘いですかね・・・。
それを探る意味でも、出井伸之さんの書籍、ぜひ読んでみたいものです。
【参考】出井伸之さんのプロフィール
クオンタムリープ株式会社 代表取締役CEO
ソニー株式会社 最高顧問 アドバイザリーボード議長。
1999年4月より日本銀行参与、2003年5月より日本経済団体連合会副会長、行政改革推進委員長。2006年2月よりアクセンチュア取締役を務める。
1937年生まれ。60年、早稲田大学政治経済学部を卒業し、ソニー入社。二度のスイス赴任ののち68年フランスに赴任、ソニーフランス設立に従事。オーディオ事業本部長、ホームビデオ事業本部長を経て89年取締役就任。95年4月代表取締役社長。会長兼CEO、取締役代表執行役 会長兼グループCEOを経て、2005年6月より最高顧問就任。
2006年9月クオンタムリープ株式会社を設立。
【参考】出井伸之さんに関連するブログ記事
こちらの記事も、ぜひどうぞ。
ちなみに、最後におまけ。
【写真:出井伸之さんと、私の妻(笑)】