サンバル|種類は豊富!インドネシアの辛味調味料のレシピと歴史は?

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サンバルという名前のインドネシアの辛味調味料。辛いものが好きな方は、インドネシアに来たら食事の時に、ぜひ「サンバル」を試して下さい。もうね・・・、これ、とにかくすごいんですよ。

なにがすごいって「いかに激辛か」を主張したいのではありません。辛いものが好きな人だったら、絶対と言って良いほど・・・、もう「中毒」になりますから。特にインドネシア料理には合います。非常に合います。それこそ世界遺産レベル。

インドネシアに行けば、レストランでも食堂でも屋台でも、「サンバル」がない店なんて、まず存在しないはず。「辛いものが苦手」という人でもない限り、インドネシアでは「サンバル」がとても愛されています。私も1日3食」欠かせない存在です。

そんなサンバル。インドネシアではいつから使われているの?という歴史が気になり・・・。ネットで調べてみたらズバリの記事があったのでご紹介します。また、サンバルの作り方やレシピについても解説します。

「サンバル・テロル・プニェット」(Sambal Telur Penyet)【写真:「サンバル」と野菜と玉子焼き。もうこれだけで大満足できてしまうのはサンバルのマジック!】




サンバルとは?インスタントのサンバルは認めない!

サンバルは、インドネシア料理で使われる辛味調味料。唐辛子やニンニク、玉ねぎ、その他を使って、チョベック(cobek)と呼ばれる石臼・石鉢で、ペースト状に押しつぶして作らるのが一般的です。

サンバル 香辛料をすりつぶす石臼 石鉢 スパイスボール チョベック

つくるのに手間がかかるので、スーパーに行けばチューブに入ったインスタントのサンバルソースもあります。例えば、こちら。

■Amazon:「サンバル」の検索結果
■Amazonで販売中のインドネシア製サンバル

サンバル インドネシアのスーパーマーケット

でも、こういうインスタントのサンバルと、手作りのサンバルとでは、もうまったくの別物なんじゃないかというくらいに、味わいが異なります。

なお最近では、スーパーにこんなサンバルも並ぶようになりました。チューブ状のものとは異なり、こうしたサンバルであれば「手作り感」を感じることはできるかもしれません。

サンバル Sambal インドネシア スーパーマーケット

しかし、もしインドネシアに来る機会があれば、ぜひ本当の手作りのサンバルを試していただきたいな・・・と思います。

サンバルの種類は、それこそ無限に!!

またサンバルは「手作り」で作られるため、地方によって、民族によって、また人々の嗜好によって、さまざまな種類のサンバルが存在します。サンバルの種類って、本当に多いんですよ。だからレシピもたくさん!!

例えばこれは、先日訪れたスラバヤのモールのレストラン。このお店はサンバルだけで、こんなにたくさんの種類があります!

ちなみに、インドネシア語バージョンの「ウィキペディア」でサンバルを調べてみると、あくまでも「バリエーションの一部」と言いながらも、なんと24種類ものサンバルが紹介されています。

参考までに以下のとおりです。サンバルって、本当に奥深い世界なんですよ・・・。

1 Sambal andalima(サンバル・アンダリマ)
2 Sambal asam(サンバル・アサム)
3 Sambal bajak(サンバル・バジャック)
4 Sambal balado(サンバル・バラド)
5 Sambal belacan/terasi(サンバル・バラチャン、またはサンバル・テラシ)
6 Sambal dabu-dabu(サンバル・ダブダブ)
7 Sambal jeruk(サンバル・ジュルック)
8 Sambal kecap(サンバル・ケチャップ)
9 Sambal kemiri(サンバル・クミリ)
10 Sambal korek(サンバル・コレック)
11 Samba lado(サンバル・ラド)
12 Sambal lu’at(サンバル・ルアット)
13 Sambal manis(サンバル・マニス)
14 Sambal pencit(サンバル・プンチッ)
15 Sambal penyet(サンバル・プニェッ)
16 Sambal petis(サンバル・プティス)
17 Sambal setan(サンバル・セタン)
18 Sambal tempoyak(サンバル・テンポヤッ)
19 Sambal terasi(サンバル・テラシ)
20 Sambal teri(サンバル・トゥリ)
21 Sambal tomat(サンバル・トマッ)
22 Sambal udang(サンバル・ウダン)
23 Sambal uleg(サンバル・ウレッ)
24 Sambal uyah-lombok(サンバル・ウヤ・ロンボック)

インドネシアに行く機会があれば、ぜひ手作りのサンバルをお試し下さい。チューブ型のインスタントのサンバルは、私はサンバルとしては認めません!

インドネシア語辞書で「サンバル」を調べてみると

「べベッ・ゴレン」インドネシア定番のアヒル料理!

・・・って、もうサンバル大好きな私がマニア度全開で書いているように思われるかもしれませんが、例えば、インドネシア語の辞書で引いてみましょうか。

インドネシア語学習者にはイチオシの辞書、「最新インドネシア語小辞典」を見ると、このように書かれています。

インドネシア人の食卓からこれを抜くわけにはいかない

sambal 唐辛子・トマト・塩・ニンニク・魚醤などをすり合わせて調製した薬味。日本人の食卓に醤油の小瓶が不可欠なように、インドネシア人の食卓からこれを抜くわけにはいかない。

インドネシア サンバル 辞書の説明

どうですか、この熱の入った説明文!! 辞書の編者である佐々木先生も、さぞサンバルがお好きなのでしょうねぇ。客観的な記述に努めていながらも、愛情がにじみ出てしまったかのような文章・・・。「これを抜くわけにはいかない」って(笑)

サンバルのない食事ほど味気ないものはない

しかもどうですか、この例文!

インドネシア人にとってサンバルのない食事ほど味気ないものはない。

というわけで「サンバル好き」は、もう、こうなっちゃうくらいに好きなんですよ! ということが言いたいわけです。サンバルは本当に奥深い逸品です。あぁ、「辛いもの大好き」として生まれてきて良かった・・・。

インドネシアにおける「サンバル」の歴史!

そして、肝心の「サンバルの歴史」ですが、インドネシアの代表的メディア「Kompas」で、こんな記事がありました。

■インドネシアの人々はいつからサンバルを消費しているのか?
Sejak Kapan Masyarakat Indonesia Mengonsumsi Sambal?(SILVITA AGMASARI Kompas.com – 23/03/2018, 13:24)

ここに書いてある記事のうち、歴史に関する記述は次の通り。

  • 唐辛子は、もともとインドネシアにあったものではない。
  • 「古マタラム国」の時代から、伝統的な市場で高級品として流通していた。
  • 10世紀のラマヤナ文書によると「食べることのできる果物」との記述がある。
  • 唐辛子がどのようにしてインドネシアに来たのかは、まだ明らかではない。
  • オランダ時代になると、薬学者のJacob de Bondtが1631年に書いた本「De Medicina Indorum」に、サンバルに関する記述がある。
  • 1669年にOverbekeが書いた長編の詩に「大豆、生姜、ニンニク、唐辛子。辛さのためにお腹を痛く、かき乱す」と、サンバルについての記述がある。
  • オランダ占領期には、おいしいサンバルを作ることのできる現地のお手伝いさんはとても重宝された。
  • オランダ領東インドに来る観光客向けに、サンバルがお腹に危険であるとの注意書きもあった。

というわけで、「昔からあったんだけど、元々はインドネシアにあったものではなくて、外部から持ち込まれたもの。でもその背景は解明されていない。オランダ占領期にも愛されていた」ということくらいでしょうか・・・。

気になるレシピ!おいしいサンバルがつくれる人は魔法使い!

そういえば、オランダ占領期に関するところは、先日ランチで訪れたレストランにも、似たような解説文がありました。

「手作りのサンバル」は本当に美味で、しかも、中に何を入れるか、何と何をまぜて、どう練り込むか・・・で味わいが本当に変わってくるんですよ。そのレシピは気になりますよね・・・。

上記の説明文を見ると、「おいしいサンバルを作ることのできる現地のお手伝いさんはとても重宝された」との記述がありますが、サンバル好きな私からすれば「あー、やっぱりそうだよね・・・。わかる、わかる!」という印象。サンバル好きの方なら、大いにうなづく箇所ではないかなと。

もうね、本当においしいサンバルがつくれる人というのは、魔法使いのようですよ。それくらいの美味が、手作りのサンバルなのです。

ちなみにこのお店も、サンバルだけで12種類が用意されていました。

サンバルのレシピと作り方は?

サンバル 辛味調味料 インドネシア

サンバルはスーパーでも市販のものが販売されています。しかし本当においしいサンバルを味わいたいなら「手作り」のものに限ります。時間をかけて手作業でつくられる手作りのサンバルは、実に最高の逸品です。

たしかにスーパーに行けば、チューブ状のサンバルが簡単に手に入ります。しかし実際に両者を食べ比べてみれば、市販のものと手作りのものとでは、その美味しさと味わいに雲泥の差があることがすぐにわかるはずです。

サンバルのレシピは地域や家庭により多種多様

サンバル 辛味調味料 インドネシア

サンバルには様々な種類がありますが、多くの場合、油で炒めるタイプ(サンバル・ゴレン)か、生で混ぜ合わせてつくるタイプ(サンバル・マタ等)に分かれます。

種類が豊富なだけあって、サンバルのレシピも様々です。それこそ代々の秘伝の味といった感じで、店によって、また家庭によって異なるところもあります。地域によっても異なる傾向なります。

サンバルに使われる素材は?

サンバル 辛味調味料 インドネシア

メインに使われるのは、唐辛子(チャベ)、ニンニク(バワン・プティ)、そしてエシャロット(バワン・メラ)などです。

油で炒めるタイプ(サンバル・ゴレン)の場合は、唐辛子とニンニク、エシャロットを油で炒めてから、塩、油、砂糖を加えてすり鉢でつぶします。トマトを入れて混ぜ合わせる場合もあります。またテラシ(terasi:エビを発酵して作る調味料で魚醤の一種)を入れたり、ネギを入れたりもします。そして完成です。

一方で、生で混ぜ合わせてつくるタイプ(サンバル・マタ等)の場合は、細かく切り刻んだ上で、サンバルづくり専用の石臼を使ってペースト状に潰していきます。塩や胡椒、ものによってはトマトやエビなどが使われることもあります。

サンバルは美味しいだけでなく楽しい

サンバル 辛味調味料 インドネシア

スーパーで販売されている市販のものだと、決まりきった定番の味わいしか楽しめません。しかし、オリジナルでつくられるサンバルは、お店によって味わいが異なります。それこそ作る人によっても味わいがことなってくると言って良いでしょう。

そのため、インドネシアではレストランや食堂を訪問する度に「ここのサンバルは、どんな味だろう?」というのが、サンバルマニアの楽しみでもあります。

またサンバルはいろいろな食物に合います。組み合わせにより、様々な美味を演出してくれるのです。サンバルは単に美味しいなかりでなく、楽しさすら与えてくれる存在なのです。

サンバルがいっぱい!! 「食の宝庫」インドネシアへ、ぜひ!

サンバル 辛味調味料 インドネシア

偉大なる発明品「サンバル」。また面白い歴史を見つけたら、ブログで紹介したいと思います。繰り返しますが「サンバル」本当にすごいんですよ。

辛いものが好きな方は、インドネシアに来たらぜひお試し下さい。しかも「手作り」のものを。

残念ながら、日本のインドネシア料理店で出てくるサンバルはほとんどがインスタントのもの。この「手作り」のものには、まったくもって比較になりません・・・。「食の宝庫」インドネシアへ、ぜひ!

サンバルソースを使った料理

サンバルソースを使った料理にはたくさんの種類があります。
こちらの記事もどうぞ。

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