「すみません、いま忙しくて、なかなかお目にかかる時間が取れないんですよ・・・」って、よく聞きますよね。特に「営業マン」なら、よく言われる言葉かもしれません。
仕事ではなくプライベートにおいても、「忙しくて会えないんだよ、ごめんね」なんて返事をもらうことがあるかもしれません。しかし、「それって本当なんですかね?」というのが今回のテーマです。
ちょっと考え方を変えてみるだけで、会ってくれる可能性はきっと高まるはずなのです。仮に「忙しい」という理由からアポをいただけない方がいたとします。では、どうしたら会ってくれるようになるのでしょうか。それが今回のテーマです。
目次
「忙しい」と「時間管理能力が無い」は同じ意味
以前書いたコラムにこういうものがあります。
そこで私は、
(1)「私は忙しい」
(2)「私は時間管理能力が無い」
この2つ、実は同じ意味です、というお話をしました。
(1)だと、すごく仕事のできる人間に聞こえるし、(2)だと、すごくダメダメ人間に聞こえるが、でも、実は、同じ表現でしかないのだと。
自分の成長を速めたかったら、(1)で言い訳せずに、きちんと(2)だと認識しよう。現実から目をそむけずに、きとんと反省して、そうして出直した方が、成長は早くなるぞ、という話です。
相手に対する言い訳で「忙しくて会えない」を使うケース
このコラム、意外と反響をいただいてびっくりしたのですが、今回は、その逆のケースについてです。
前回は、自分に対する言い訳として「忙しい」を使うケース。
今回は、相手に対する言い訳として「忙しい」を使うケース。
例えば、誰かにアポイントをとろうとするとします。仕事であっても、プライベートであってもかまいません。断り文句で、よくこういう声を耳にします。
「ごめんなさい・・・、ちょうどその時期、忙しくて」
「すみませんねぇ、バタバタしていて時間が取れなくて」
これを受けて、少なからぬ人が思うのが、「あぁ、そうか、お忙しいんだな」ということ。特に駆け出しの営業マンは、そう信じてしまいます。つまり(1)の「私は忙しい」というパターンです。「それでは、仕方が無い」とか、「次のタイミングを狙って、またアプローチしよう」と思ってしまうのです。
でも私が言いたいのは、前回のコラムと同じことです。
「あぁ、お忙しいなら仕方ないな・・・」と思うだけでは、何の成長も無いですよ、ということ。だって、その人のせいにしているからです。
「自分に原因は無いのだろうか?」と探らないから。もし自分に原因があるのだとしたら、それを取り除く努力をしてみる・・・そこに「成長」があるわけです。しかし、「相手がお忙しいなら、しょうがないな」とあきらめるだけでは何も変わりません。
「あなたに会うよりもっと大事なことに時間を使いたい」
自分が言い訳に使う場合、
(1)=「私は忙しい」の実質は、
(2)=「私は時間管理能力が無い」だという話をしました。
でも、相手が言い訳としてお使いになる場合、その多くは、
(1)=「私は忙しい」の実質は、
(2)=「私はあなたに会うよりもっと大事なことに時間を使いたいんです」
というケースに違いないのです。
そう考えることは、ひょっとしたらショッキングかもしれません。でも、もし自分の成長を少しでも速めたいと思うなら、これこそが厳然とした事実なのだと受け止めるべきです。
(少なくとも私は、そう解釈しています)
どんなに忙しい人でも「1日に24時間ある」という事実
いくら相手が「忙しい」と言ったところで、その人の1日が15時間しかないというようなことはありえません。アポイントをお願いする側である我々と同様に、その方も、1日に24時間の時間をもっているわけです。
そして、どんなにお忙しい方であっても・・・、こんな例え話をすると、極端かつ不謹慎かもしれませんが、もし大変親しい無二の親友がお亡くなりにでもなったとしたら、他のアポを全部キャンセルしてまでも、お葬式にかけつけるはずなのです。
1日24時間という万人に平等な希少資源。その優先順位付けの問題であることがほとんどだということ。
有意義と感じられないから「忙しくて会えない」と断っている?
つまり、「すみません・・。ちょうど忙しくて、お会いできないんですよ」の実態は、「私はあなたに会うよりもっと大事な用事があるんです」であり、もっと言えば、「あなたに会うよりもっと価値のあることに時間を割きたいんですよ」というケースがほとんどだということです。
「あなたに会っても、有意義な時間になるとは思えないんです」
そう言われているに等しいことなのだと言っても言い過ぎではありません。もちろん、現実というのは様々な背景がありますから、全ての実態が、そうだとは言いません。しかし、少なくとも、そう認識して自らを振り返ってみることが、自らの成長を促進させる道なのではないでしょうか。
自分を振り返ることが、自己成長の機会を広げる!!
「自分にも改善できるところがあるのではないか」。そう思うことで、初めて人は考えるわけです。
「相手が私に会いたくなるには、どうしたら良いだろう?」と。
「私と会うことに価値を見出してもらうには、何をすべきだろう?」と。
「会いたい私になるには、どんな成長が必要なのだろうか?」と。
もし、会うことに高い価値を見出してくれた場合、その人が、時間を割いてくれないはずがないのです。
つまり、ここで差が開くことになります。相手のせいにして、時間の経過に身をゆだねるのか、それとも、自分の魅力不足のせいと認識して、魅力アップに努めるのか、ということです。
「忙しい」という言葉は、気をつけて取り扱おう
ことほどさように、「忙しい」というワードは、魔物なのです。そして、途方もなく大きな力を秘めた言葉なのです。人の成長スピードを大きく変えてしまう、すごい言葉なのに、とても簡単に、さらっと軽い存在として使われてしまう言葉です。
だからこそ、「忙しい」という言葉の使い方、認識の仕方は、とても大事に扱わなければいけないものだと、私は思うのです。深いですよ・・・。
【参考】「忙しくて会えない」に関連するブログ記事
このテーマに関連するブログ記事です。こちらも、どうぞ。
このコラムは、2008年7月5日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2008年7月13日 渡邉 裕晃
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