「増客を望まない飲食店がある」と聞いて、どう思いますか?
「例外」というものを知ることで、そのテーマの本質が垣間見えてしまうことがあります。例えば「お客様を増やしたい」というテーマ。通常の企業であれば、どこも考えているはずのこと。特に個人向けのビジネスであれば、なおさらのことです。
でも、もしそうでない会社(店)があったとしたら・・・ということです。
夜は完全予約制という小料理店。ご主人に理由を聞いてみた
これは、ある飲食店の話です。
このお店は、昼と夜の営業をしています。昼はビジネスランチがターゲット。ここまでは、どこの飲食店とも同じです。ところが夕食となると話が変わります。夜は完全予約制。事前に予約をいれないと入れません。
もっと言えば、夜の時間は、予約客が存在する場合だけ、お店をあけるのです。予約が1件も無い時は営業しないとのことでした。
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ご主人に聞いてみたことがあります。「なんでですか?」と。
「だって、面倒くさいんだよ、店をあけるのが」
「おぉ!」(笑)
「このお店、うちら夫婦だけでやってるでしょ?社員いないからさ。2人が生活できれば、それでいいんだよ。無理してお客様を増やすのは、興味ないんだよね。だって、仕事が増えるだけでしょう?」
「うーん、なんて素晴らしいご回答なのでしょうか?」(笑)
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このお店は、本当に集客の意思が無いのです。
お店の看板も、小さくひっそりと。とても飲食店とは思えないような、目立たない店構え。予約が無い限り、夜は営業しない・・・。
「来るんだか来ないんだか、わからないのに、わざわざ食事を準備をするのって、嫌なんだよね」
ずばり、ご名答。こういうお店もあるんですよね。
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以前、知り合いの社長さんからお招きいただいて、夜にお邪魔することになりました。
夫婦だけで切り盛りされて、出てくるお料理は、どれも手作り感覚たっぷりの美味。なんと言っても、素材が素晴らしい・・・。
もちろん?、お店にBGMはかかっておらず、お客様も他にはいらっしゃらず、ご夫婦が料理の説明をしながら、いろいろ語りかけてくれます。
本当に落ち着いて食べられる、素晴らしい場所でした。
それでいて、びっくりするほどお安いお会計で・・・。
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またこんなお店もありました。
ご主人いわく・・・「常連さんだけを相手にしたいから、店に看板を出してないんです」と。
「お客様が増えるのは嬉しいです。でも、私たちのお出しする味をきちんとご理解いただける方だけに来ていただきたいですし、新しいお客様が増えてしまうと、もともとの常連様が入れなくなってしまいますよね」
なるほど、これも、お店の大事なスタンスです。
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「お店なら、必ずどこも、お客様を増やしたいと思っているはず!」
実はこれ、固定観念なんですよね。
ほとんどの場合は、それで正しいのだと思います。でも、そうでないお店もある・・・。
「どのお店も増客を望んでいるものだ」
そういう考え方は「実は固定観念の一つである」ということ自体は、きちんとわきまえて判断できる人間でありたいものです。
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思考の制限を取っ払うというのは、本当に大事なこと。そのためにも、頭を柔軟に、かつ、できるだけ「例外」に触れていく、体感していく。これが大事だと思うのです。
「脱マニュアル」
これを意識しているかどうかで、世界を見る目は大きく変わってくるはず。そして、そうやって生きていくことが、毎日を、もっと楽しいものにしてくれるように思うのです。
■追伸:
ちなみにこのお店、ウェブで検索したら、もちろん出てきませんでした。でも1件だけブログがひっかかってきて、その方は、おそろしく激賞されていました。どこのなんというお店かって? 内緒です!笑
こちらの記事も、ぜひどうぞ。
2009年5月22日 渡邉 裕晃
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