いま「ツイッター」が大きなブームになっています。
始める人、やらない人、いろいろあるわけですが、まだやっていない人の大方の反応をまとめると、
・「そんな暇は無い。忙しいのだから」 ・「つぶやいて、何の意味がある」 ・「暇な人がやることだ」 |
という点に集約されるように感じています。実際のところは、どうなのでしょうか?
ちなみに私のtwitterページは、こちらです。
デザインとして見やすいページはこちらです。
■http://twilog.org/_samsul
目次
- 1 ツイッターに対する見方が大きく異なる原因は?
- 2 ツイッターの「つぶやく」という言葉がもつネガティブな印象
- 3 デジタル業界の私も「つぶやいて何の意味があるの?」と思っていた
- 4 ツイッターには大きなポテンシャルが!
- 5 広瀬香美さん「忙しくてできないと思っていた」
- 6 河野太郎さん「つぶやかない理由」
- 7 谷垣禎一さん「好きな方にしていただければ足ること」
- 8 加藤紘一さん「暇な人がやること。総理はやるべきでない」
- 9 ツイッターは、暇な人がやる「意味のない作業」?
- 10 孫正義さん「右脳や左脳とは別の外脳を得た!」
- 11 ツイッターへの偏見は「つぶやく」との語訳が原因?
- 12 ツイッター画面の表示が「つぶやき」から「ツイート」へ変更された
- 13 TEDのクリス・アンダーソンの「ツイッター活用」に向けた重要な指摘
- 14 ツイッターは「つぶやく」だけのツールではない
ツイッターに対する見方が大きく異なる原因は?
一方で、いざ、やり始めて、その意味を見出した人たちは、「やってみて、このすごさにびっくり!」とか、「最初は意味がわからなかったけれど・・・」という反応を示す人も少なくありません。
「この格差はいったい何だろう?」
この数ヶ月間、私なりにずっと考えてきたのですが、「twitter」を説明するときに、「つぶやく」という訳語を当ててしまったこと。これが意外と大きな障壁になっているのではないかと思うのです。
ツイッターの「つぶやく」という言葉がもつネガティブな印象
「つぶやく」には、どこかネガティブな印象がつきまといます。
「つぶやく」は「ひとりごと」であり、誰かに伝えて何らかの作用をもたらすものとは異なります。暇な時に行われる、意味のない作業、というイメージもあります。
また、「つぶやき」は「ぼやき」にも、つながります。そこにポジティブなイメージはありません。
(さらに言えば、「言霊」的に美しくない印象もあります)
ツイッターの意味や力学を把握できていない状態の人が、もし誰かから「140文字でつぶやくツールなんですよ」と説明されれば、
・「そんな暇は無い。忙しいのだから」 ・「つぶやいて、何の意味がある」 ・「暇な人がやることだ」 |
と反応してしまうのも、無理からぬことのように思います。少なくとも、twitterを始める前の私はそうでした。
(私のフォロワーさんからすれば、びっくりされるかもしれませんが)
デジタル業界の私も「つぶやいて何の意味があるの?」と思っていた
この業界に身をおいておきながら、私のツイッター利用は、だいぶ遅いものでした。それは、2009年の7月16日です。最初は書き込みをせず、ブログの更新情報を届けるだけでした。
実は以前からも、いろいろな人からツイッター利用を勧められてきました。でもなかなか始める気になれませんでした。その理由の一番大きなものは、「つぶやいて何の意味があるの?」という思いでした。
ツイッターには大きなポテンシャルが!
最初は、騙された思いで、やってみました。「やってみないとわからない」のが、インターネットですから。そうしてこのすごさを感じ取るまでは、それほどの時間はかかりませんでした。
この業界に長くいる人間として、ツイッターのすごさに今まで気づかなかったことは、私にとって、大いなる反省材料となりました。多忙にかまけて、「やってみないとわからない」精神の実践が手薄になっていたのです。
そして今でも、スキマ時間を使って試行錯誤しては、新しい縁やビジネスの可能性を模索している昨今です。
新しい広告戦略を模索するクライアントさんからしても、ソーシャルメディアやツイッターの活用は、非常に高い関心分野。サムスルとしても、積極的にご提案するようにしています。
広瀬香美さん「忙しくてできないと思っていた」
ツイッターを存分に活用していることで有名な人物の一人が、シンガーソングライターの広瀬香美さん。ヘビーユーザーであり、また、ツイッターの伝道師としても有名な広瀬さんですが、当初、評論家の勝間和代さんからツイッターを勧められた時には、「忙しいからできないよ」と言っていたそうです。
これは、本日発売の「週刊ダイヤモンド」2010年1/23号、特集「2010年ツイッターの旅」の中で語られていることです。
現在の広瀬香美さんのツイッターの積極利用を知っている人たちからすれば、想像しがたいことではないでしょうか?
河野太郎さん「つぶやかない理由」
ツイッターを使う政治家の一人として知られる河野太郎さんも、昨年12月11日のブログ「つぶやかない理由」の中で、こんなことを書いていらっしゃいます。
「時間をとられそう」
「夜、暇になってから見てもおもしろくないだろうし」と。
(その後、ソフトバンク孫さんからの「政治家こそ、やるべきだ!」というアドバイスのもと、今年からスタートされました)
谷垣禎一さん「好きな方にしていただければ足ること」
同じ自民党の谷垣禎一総裁も、鳩山由紀夫首相がツイッターを始めたことをネタにして、こんなコメントを出しました。
「つぶやきは好きな方にしていただければ足ること」と。
そして、自らは「つぶやかない」と宣言されました。
加藤紘一さん「暇な人がやること。総理はやるべきでない」
また、加藤紘一元幹事長も同様です。
「総理はツイッターをやるべきではない。そんな暇があったら普天間をどうするか、じっと悩んで考えて欲しい」
「我々は国をどうするか深く考える立場。ツイッターは深く考えたら面白くない」
というコメントを出されています。
ツイッターは、暇な人がやる「意味のない作業」?
つまり、こうしてみると、
・暇な人がやること ・意味の無い作業 ・単なる、ひとりごとをはく行為 ・何も考えていない、いわば、頭ポッカーンの状態 |
と理解されていることが透けて見えてきます。
孫正義さん「右脳や左脳とは別の外脳を得た!」
一方で、「やってみたら、すごいツールだとわかった」という層も非常に広く実感します。
例えば、昨年の12月24日に使い始めたソフトバンクの孫さんなどは、「右脳や左脳とは別の外脳を得た!」とまで表現されている・・・。そして1月7日には、ソフトバンクの全社員、2万人に対し、ツイッターを使用するように命じるまでになっています。
ツイッターへの偏見は「つぶやく」との語訳が原因?
やる前はネガティブなイメージなのに、一定の経験を経ると、急に「可能性の大きなツールだ」と変身する。「忙しいからやらない」「忙しいからできない」と言っていた人たちが、「忙しいからこそやるべき」「忙しいからこそできる」と転換する・・・。
これは、本来すごい可能性を秘めたツールであるにもかかわらず、「つぶやくツール」という訳と説明が行われているがゆえのことでは? と思うのです。
一部政治家たちが「twitterはヒマな人がやるもの」と偏見で見ているのは、「つぶやく」という訳語を充ててしまった弊害が出ている印象がぬぐえません。ブログ熱心な河野太郎さんですら、当初はtwitterに否定的だったのです。
ツイッター画面の表示が「つぶやき」から「ツイート」へ変更された
「つぶやく」という印象が強いと、これからの未知の可能性を抑えつけてしまう可能性があるように思います。
「ツイッター」の本質の中には、「教え合う」「伝え合う」「考える」「話し合う」という要素もありますが、「つぶやくツール」という説明からは、予想しがたい点ではないでしょうか?
昨年、ツイッター画面上の「つぶやき」という表示が「ツイート」に変更されましたが、おそらくこの点は意外と大きかったのではないかという気がします。
TEDのクリス・アンダーソンの「ツイッター活用」に向けた重要な指摘
ここで、イギリスの非営利団体「TED」の代表兼キュレーターをつとめるクリス・アンダーソン(Chris Anderson)のブログをご紹介します。
その名も、「The untweetable:When 140 characters just aren’t enough…」(つぶやけないこと:140文字だけでは十分でない場合)というもの。
2009年7月10日の記事で、「Simple tips for a better Twitter experience」(より良いツイッター経験を得るために必要な、いくつかの簡単な方法)というものがあります。
その第2の条件に、「2. Don’t take the update question literally!」(入力ボックスの上にある文字を、文字通りに受け止めるな)と書いてありますが、こう書かれています。
Even though the main update box asks “What are you doing?” you don’t need to answer that directly.
Twitter started as a service in which people kept a few friends up to date with their activities. But its usage has continually evolved, and now a lot of Twitter users, including me, prefer to answer this question: What can you share that might interest others? |
入力ボックスの上に、「いまどうしてる?」と書いてあるが、そのまま回答する必要は無いぞ、と。
ツイッターがスタートした初期段階では、友人間の近況報告が主眼だったから、「いまどうしてる?」という質問に意味があったかもしれない。でも、その利用形態が進化するにつれ、「みんなが興味を覚えるようなこと、あなたはどんなことを共有できる?」に置き換えて考える人が増えてきているのでは? と言います。
私はこれに賛成で、まさに今は、従来の「つぶやき」が、それに代わる別の訳語の到来を待っている時期だと思うのです。
ツイッターは「つぶやく」だけのツールではない
「ひとりごとを言ってはいけない」とか、「ネガティブな発言をしてはいけない」と言うつもりはありません。
ただ、これはリアルな世界と同様で、「独り言より、誰かと話をした方が楽しい」、「ポジティブな発言をした方が楽しくなる」ということなのだと思います。
教えあう、伝え合う、分かち合う、という文化。新しい可能性をみんなで創り上げていくインターネット文化です。
□ □ □
一方で、「つぶやく」に代わる言葉は何だろう?と思うと、なかなか適切な言葉が思いつきません。私の場合「ツイートする」と表現しているのですが、何かうまい日本語があるのでは? と思います。
これは、ツイッター画面の「つぶやき」表記が「ツイート」に置き換わったのと同様、きっと時間の問題では? とも思うのですが、ポジティブな「ささやく」とも異なりそうで、良い日本語があるのかどうか、これは見ていて楽しみな点でもありますね。
意味の無い偏見が取り払われて、より多くの人が、より楽しく便利に感じられるツールになるよう、望みたいと思います。
2010年1月18日 渡邉 裕晃
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【社長ブログ】時の運と人の縁をきわめる日々の記録
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【 会社HP 】株式会社サムスル(ネット広告代理店)
【 1×1×1=100を創る「成長縁(R)」創出カンパニー 】
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