先日、京都に行った際、悲しい知らせを得ました。
それは、私のお気に入りの隠れ家名店「あじ花」が、
今年1月にこっそり閉店したらしいこと。
あんなにおいしいお店で、あんなに安くて・・・、
しかも、家のような安心感のある場所。
常連だけで成立する、小さな素晴らしい名店。
「そんな店がつぶれるわけがない!」
「おかしい!」
そう思っていたら、やはりそうでした。
ご主人の急死・・・。
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今年の1/17に亡くなられたとのこと。
カウンター5席と、畳が6畳程度の小さなお店。
あまりにもおいしい品が、次から次へと出てきて止まらないお店。
飾らない質素なお店に、絶品の小皿料理が続々と。
どこまでも出てくる京都の味・・・。
一匹狼のご主人で、店を大きくすることも、弟子をもつことも興味が無いという風貌。
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お会計の時、あまりの安さにびっくりして、
「東京では、もっと低いレベルの品で倍以上の値段を取っている店がたくさんありますよ」 |
と伝えると、嬉しそうに
「そうらしいな。せやけど、2倍は取れへんなぁ。お金おいてってくれてもええねんで(笑)」 |
って。
そんなやりとりを、今でも覚えています。
(群馬の方なので標準語だったような気もするのですが)
例えば、この店を超えるレベルの鱧料理を、私は食べたことがありません。
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かつて、京都の名旅館や名料亭の料理長たちが、
ここで定期的に食事会をやっていたそうです。
「そうだ、明日の晩やるんだけど、君らも参加するか?」って言って下さって、
どうしても行けなくて悔やんだことも、今では倍に倍する悔やみです。
実は、「今年の7月には、何としてでも行くぞ!」と決意していたばかりだったので、本当に後悔しきり。
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でも、たった1回だったけれども、素晴らしい食事と素晴らしい時間を与えてくださったことには、感謝しても、感謝しきれません。
京都は偉大!
こういう場所で、真実の味を経験させてもらえると、
普通の店で、普通の味の食事をいただくことが、
残り人生の時間の無駄遣いにすら思えてくる。
そういう名店でした。
それが京都、祇園四条駅ちかくにある南座裏の「あじ花」さん。そんな名店に、妻と行けて良かった。
ご主人様、本当にありがとうございました。
(参考:おすすめ) ■グラムメディア山村社長のブログより 2月3日 京都 「あじ花」 ご主人死去 |
■あじ花:京都府京都市東山区大和大路通四条下る大和町15