「瓦で焼く」というスタイルの焼き肉を体験したことはありますか? ベトナムの高原避暑地「ダラット」という地方が発祥の食べ方。これ、ベトナムに行ったら絶対に試してみるべきです!
ベトナムの世界遺産ホイアンにも、この「瓦焼き肉」の絶品専門店があります。ローカルのお客さんしか訪れない店ですが、この味わいは一度体験したら忘れられませんよー!
1年間のうち2ヶ月をホイアンで生活する私は、この店に3日間か4日間ほど連続で通ったこともあります。それでも全く飽きることがありませんでした。今回は、ダラット名物「瓦焼き肉」と、ホイアンにあるベストローカル店をご紹介します!
目次
ベトナム全土に流行中?「瓦で焼き肉」という美味!
この「瓦焼き肉」ですが、ベトナム語では「nướng ngói」(ヌオン・ゴイ)と言います。「nướng」は「焼く」、そして「ngói」は「瓦」の意味。お店によっては「nướng ngói BBQ」と表記しているところもあります。
七輪の上に網焼きを乗せるのではなく、そのままドカンと瓦を乗せるというのが特徴。肉が瓦にくっついてしまわないよう、備え付けの油を瓦にかけながら焼いていきます。なお以下の写真のように、注文した商品によっては網焼きを使うケースもあります。
「瓦焼き」はベトナムの避暑地であるダラット地方が発祥のようですが、調べてみたところ、最近になって注目を浴びるようになり・・・。現在では、次第に全国に波及してきている気配です。
私自身、実際に食べる前までは過小評価していました。いや、もっと言えば・・・あなどっていました。どうせ普通の焼き肉だろうって。でも食べてみてびっくり。「なんじゃ、これはー!」という驚きの味だったのです。
「瓦焼き肉」発祥の地、ベトナム避暑地ダラットの魅力!
この瓦焼き肉「ヌオン・ゴイ」の発祥の地とされるのが、ベトナム中南部にある高原都市ダラット。ベトナム語では「Đà Lạt」と表記します。
私はまだ行ったことがありませんが、ラムドン省の省都で避暑地として知られているようです。標高1400メートル前後の高原地帯になっていて、かつてフランス領だった時代に、フランス人リゾート地として開発されたという歴史があるとのこと。ホーチミンからは200kmくらいの距離にあります。
山岳地帯でもあり、イノシシやウサギ、シカといったジビエ系の肉でも有名のようです。環境的には、風光明媚で豊かな場所なんでしょうね・・・。ぜひとも行ってみたい!
ベトナムというと「暑い」というイメージがありますが、ここは年間を通じて涼しい気候に恵まれているようで、野菜の生産でも有名な場所のようです。ホイアンからは、近くにあるダナン空港から飛行機が出ています。最寄りはエンケオン国際空港(Lien Khuong International:DLI)です。
瓦で焼き肉という幸せ!この食べ方はクセになる!
七輪の上に網焼きを乗せるのではなく、そのままドカンと瓦を乗せるというのが特徴なわけですが・・・、七輪の上の瓦は絶妙な角度で斜めに傾けられていて、その下には小皿が。
肉の油と合わせて流れ落ちていく仕組みになっています。瓦がもつ遠赤外線効果と、油が流れ落ちていくヘルシーさが、何とも言えません・・・。
騙されたと思って、ぜひ食べてみてほしいです。独特のタレで下ごしらえされた肉だからかもしれませんが、この「瓦で焼く」ということの効果もまた、より一層、味わいを引き立たせている感覚があります。何でしょうね、この魅力!
しかも、出てくるお肉も丁寧な下ごしらえが施されていて。さっぱりしているのに濃厚な味わいのある不思議なタレに漬け込んであって、これ準備も大変なんだろうなと推察します。
次から次へと注文した肉は、次から次へと瓦に運ばれて。そして次から次へと口の中へ。ビールも進み、会話もはずみ・・・。なんという幸せな時間でしょう。
ホイアンで最も美味しい瓦焼肉の名店「Lâu 89」の場所は?
そんな魅力あふれる「瓦焼き肉」ですが、ホイアンでは専門店を見かけることがありません。かつてホイアンで生活していた時のこと。夜遅くで、近くの店はことごとく閉店。「どこか近くでお店が空いていないかな・・・」と、たまたま訪れたローカル店が、「瓦焼き肉」の専門店「Lâu 89」でした。
場所はホイアンの旧市街から離れた場所にありますが、地図で示すとこの通り。
ここの「バスターミナル」がありますが、その反対側に「瓦焼き肉」の専門店「Lâu 89」があります。表に看板が出ているので、すぐわかるかと思います。「nướng ngói BBQ」という表記を見つけてみて下さい。
瓦焼肉の名店「Lâu 89」は英語が通じない!
この瓦焼肉の名店「Lâu 89」はローカル店。今までに何度も訪れてきましたが、海外からの観光客が来ているところを見たことは一度もありません。そのため?、お店のメニューもすべてベトナム語で英語表記は無し!
「Lâu 89」は、夫婦(と思われる男女)2名だけで運営されていて、それほど広いお店ではありませんが、連日の満席状態。ホントに忙しそうに店内を走り回られています・・・。ぜひともつかまえてメニュー相談をしたいものの、なんと2人とも英語ができない!!
でも大丈夫。まわりのお客さんが親切に助けてくれます。英語のできる人がいれば、メニューを示しながら解説してくれたり、「初めてなら、肉ならこれ、野菜ならこれを頼んだらベストだよ!」など、いろいろと教えてくれます。そしてハズレがありません!
「瓦焼き肉」以外も魅力的なメニューが満載!毎日通いつめても飽きることがない!
「Lâu 89」に来て食べていると、あっという間に肉がなくなり、あっという間に野菜がなくなり。そしてまた追加注文をする・・・という循環。これが止まらないんですよ。付け合わせの新鮮なシャキシャキ野菜もGood!!
名前がわからないのですが、一つだけ不思議な辛さの生野菜があります。これはそのまま食べても良いし、ご飯のおかずとしても抜群。要は、肉以外にもおいしく味わえるものだらけ!!ということです。毎日通いつめても飽きることがありません。
今回は「瓦焼き肉」を紹介しましたが、この「Lâu 89」のメニューはどれもおいしくて・・・。野菜の炒めものだったり、鍋料理だったり。ホントにハズレがありません。名前を忘れましたが、こんな一品も。箸休め的に食べられるものですが、これ、同じものがインドネシアにもあったりします。
ちなみに鍋料理は野菜がいっぱい。よく味がしみこんでいて本当にヘルシー。どんどん食べちゃえますよ・・・。
それでいいんです。どんどん食べて下さい。そんなこんなで、ビールもさんざん飲んで、食事もありえないくらいに頼んで・・・。気になるのはお会計! 今までの経験では、かなり食べ飲みしても、1人あたり12万ドン前後でした。なんと600円! 信じられません。
ちなみに「Lâu 89」のビールは冷えていません。大量の氷を持ってきてくれて、グラスに入れて冷やすという形式。私の場合、ビールの味が薄くなってしまうため「ビールを氷で冷やす」という方法には抵抗があるのですが・・・、なぜかこの瓦焼き肉とは相性が良いんです。不思議なものです・・・。ぜひお試し下さい。
【おまけ】ダラット名物はバンチャンヌンやワインも!
おまけ情報です。今回紹介したダラット地方ですが、よほど環境の豊かな場所なんでしょう。調べてみたら「瓦焼き肉」以外にも、ベトナム全土で有名な逸品があるとわかりました。屋台グルメの「バンチャンヌン」と、ベトナム高原ワインの「ダラットワイン」を紹介します。
屋台グルメで知られる「バンチャンヌン」
上の写真にあるのが「バンチャンヌン」(Banh Trang Nuong)です。「屋台グルメ」として知られるもので、ホイアンのナイトマーケットでも有名。昼でも夜でも、たくさんの「バンチャンヌン」の屋台を見ることができます。
ライスペーパーの上に、魚肉ソーセージや干しエビや野菜など、パラパラと配置されて見た目にも美しい逸品。てっきりベトナムの全土にある有名な商品なのかと思いきや、実はダラットが発祥地なのだそうです。
ベトナム高原ワインの「ダラットワイン」
また私も知らなかったのですが、ベトナムワインといえば「ダラットワイン」(Ruou cua Dalat)が有名とのこと。
ベトナムに駐在したことのある知人も、ダラットワインは大の推奨品。これまた未経験なので、今度ぜひ味わってみたいと思います。そしていつの日か、ぜひダラットに行ってみたい!
(なお、「Lâu 89」で提供されるアルコールはビールのみです)