スリウィジャヤ航空(SJ182便) 離陸直後の墜落事故と経営危機

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2021年1月9日、インドネシアのスリウィジャヤ航空(182便)が墜落しました。

ジャカルタ発ポンティアナック(カリマンタン島)行きの飛行機で、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港を離陸してから数分後に墜落したと見られています。乗客56名と乗員6名、合計62人が搭乗していたようです。

スリウィジャヤ航空はインドネシアのLCC(格安航空会社:Low Cost Carrier)として有名です。私もよく利用していました。

経営状態の悪化でマネジメントが悪くなってからは、利用を控えていましたが、それまでは安心して乗っていた飛行機会社でした。非常に残念な事故です。しかし現地で生活しているとわかることですが、ここ数年、安全性に対する懸念の声があがっていたのも事実です。




ジャカルタで消息を絶ったスリウィジャヤ航空(182便)の様子

飛行中の民間航空機の位置をリアルタイム表示するサイト、「Flightradar24(フライトレーダー24)」で見てみると、スリウィジャヤ航空(182便)が途中で消息を絶っている様子がわかります。

フライトレーダー スリウィジャヤ航空 SJ182

また以下は、発見されつつある機体の様子を報じる現地のニュース報道です。(Kompas.TV)

今後ブラックボックスの回収とともに、原因の究明が行わることになります。事実関係を解明するだけでなく、ぜひとも再発防止につなげてほしいものです。

コロナ禍にあって航空産業の経営環境が苦境にある中、業界の再編を構想するインドネシア政府としても厳しい舵取りが迫られることになるでしょう。

なお、「フライトレーダー24」によれば、1分間で1万フィート(3,000メートル)もの急降下があったようです。

「インドネシアのLCCならシティリンクかスリウィジャヤ」という声

インドネシアのスリウィジャヤ航空【写真:マラン空港で待機するスリウィジャヤ航空】

「インドネシアのLCC」と言えば、最も有名なのは「ライオン航空」です。しかし事故や遅延などのトラブルが非常に多く、「LCCなら、シティリンク航空かスリウィジャヤ航空を選ぶべき」と言われていました。

実際、スリウィジャヤ航空は事故も少なく、安全性の高い航空会社として知られていました。メインは国内線で、インドネシアでのシェアは3位です。

なおマレーシアの格安航空会社「エアアジア」は、インドネシアの国内線を運航する「インドネシア・エアアジア」という子会社をもっています。2014年12月にスラバヤージャカルタ間で墜落事故を起こしたことがあり、やはり忌避されがちな航空会社です。

エアアジア(QZ8501便)の遭難|インドネシアのテレビ報道から考える
インドネシアのスラバヤ発シンガポール行きのエアアジア旅客機QZ8501便が、12月28日の朝、インドネシアの海上で消息をたったとの報道があり...

スリウィジャヤ航空の経営危機、ガルーダ・インドネシア航空との訴訟

ガルーダ・インドネシア航空

事故も少なく、安全性の高い航空会社として知られていたスリウィジャヤ航空ですが、その後に異変が起きます。数年前から経営状態が悪くなり、マネジメントも悪くなりました。

スリウィジャヤ航空は2003年に設立された航空会社です。ルピア安などで資金繰りに支障をきたし、2018年になると国営のガルーダ・インドネシア航空が吸収。その後、業績は急回復して黒字に転換します。

ところが翌2019年になると、スリウィジャヤ航空がガルーダからの離脱を模索。9月にはガルーダがスリウィジャヤに対し「共同事業契約の履行」を求める訴えを起こします。

こうしたゴタゴタで、安全面は大丈夫なのか?という声もあがっていました。

安全性に疑義があっても利用者がいるという事実

インドネシアのライオン航空

現地の経営者仲間からも「ヒロアキ、残念ながら、もうスリウィジャヤは使わない方がいいよ」と言われることがあり、昔は多用していたものの、ここ数年は控えていました・・・という最中での墜落事故。

もちろん「なんで安全性に疑義のある飛行機に乗るの?」という声があるのは承知です。「安全性の低い航空会社を利用するなんて、バカなんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。

しかし、なぜそういう航空会社でも強い需要があるのか、という背景にまで想いをいたすと、いろいろな背景があるのも事実です。

インドネシアの航空会社で怖いと感じた経験

インドネシアのウィングス航空 ATR 72-600

インドネシアの国内線に乗っていると、予想外に揺れたり、「えっ、まじか?」と思うようなことも多いです。

離陸直後に揺れまくって、隣のおじさんが「兄さん、今日は揺れるねぇ。でも、先日の便では、もっと揺れたんだよ・・・!」と言ってきたり。

また、先日利用した国内線は、離陸直後にいきなり上昇をとめて、超低空飛行を続けたというパターンもありました。窓から外を見ると海面が見えて・・・。「離陸後に高度を上げない? もしや、海面着水を目指しているのか?」と焦ったことも。

そんな中、安心して乗れる国内線といえば、ガルーダ・インドネシア航空の一択。LCCならガルーダグループのシティリンク航空といったところでしょうか。

飛行機事故のたびに思う「人は、いつ死ぬかわからない」という事実

恐怖症

でも、飛行機事故のニュースを見るにつれ、いやおうなく感じるのは「人は、いつ死ぬかわからない」という厳然とした事実です。

これについてはブログに書いたことがあり、今でもアクセスを集める記事となっています。関心のある方は、ぜひご覧下さい。

「人はいつ死ぬかわからない」という事実にもっと着目しよう、と僕は考える
「人はいつ死ぬかわからない」という事実。事実なのに、ついつい忘れられがちなテーマです。しかし本来であれば、もっともっと注目されるべきテーマだ...
飛行機恐怖症を克服!怖い体験を乗り越える10のコツと治し方・対策セミナーも解説!
飛行機は怖い!飛行機恐怖症を克服する10のコツを、30年の実績をもつブリティッシュ航空「恐怖軽減プログラム」から紹介します。「揺れても大丈夫」と頭でわかっていても、なかなか不安は抜けないもの。10のコツで不安は軽減されていくはずです。

【参考】スリウィジャヤ航空に関するブログ記事

こちらの記事も、ぜひどうぞ。

スリウィジャヤ航空|東ジャワ州マランからジャカルタまでの旅!
私が住むのは、インドネシア、東ジャワのマラン(Malang)。東ジャワ州で2番目に大きな都市で、オランダ占領期には「オランダ人避暑地」として...
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