新宿区の「産業振興基本条例に関する懇談会」。「区民委員」を拝命しているのですが、今回、その第2回目の懇談会に出席してきました。
正式な名称は、「第2回(仮称)新宿区産業振興基本条例に関する懇談会」です。今回は、懇談会での議論の内容についてご紹介します。
前回の「産業振興基本条例に関する懇談会」の様子は?
【写真:第1回懇談会の風景】
背景や思い入れ、また前回の懇談会の様子などは、こちらにまとめてあります。
なお、前回の様子については、新宿区の「ニュースリリース」にも、写真入りで掲載されています。
■平成21年10月30日:区内産業の一層の活性化を目指して(仮称)新宿区産業振興基本条例に関する懇談会を設置
「日本でいちばん大切にしたい会社」で有名な坂本光司先生もメンバーに
まず、前回欠席された委員であり、かつ、副会長でもある方が自己紹介されました。
法政大学の坂本光司先生です。
お声をうかがっていて、「聞き覚えがあるような・・・」と思っていたら、そうです、思い出しました!
昨年のベストセラーである、『日本でいちばん大切にしたい会社』の著書として有名な坂本光司先生でした。
実は昨年、podcastのビジネス書評番組で、坂本光司先生がお話になるのを聞いて、大いに感銘を受けたことを覚えています。
■日本でいちばん大切にしたい会社(新刊ラジオ 第642回)
これを聞いて、本当に感銘を受けたのです!同じ委員のメンバーとしていられることを光栄に思いました。
坂本光司先生が指摘された内容は?
そして、坂本光司先生のお話を聞いたことのある方ならご存知でしょうが、「いわゆる役人」でもなければ「いわゆる学者」でもなく、現場に根付いた、実学に基づくお話をされることが特徴です。
「いたずらに中小企業を守ることが良いことではない」 「正しい経営を行う中小企業を増やしていくよう導くのが役割」 「努力もしないで、国のせいや景気のせいにするような企業はダメ」 「自立して、社会貢献に望むような存在を増やすためのものであるべきだ」 |
坂本光司先生がスピーチされた内容は、私自身、どれも共感することばかりで、非常に心強く思いました。
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産業振興や中小企業振興を考えるにあたって大事なことは、それによりかかるような、依存心だらけの企業を助けては意味が無いということ。
「中小企業を助けてあげよう」というのではなく、「正しい経営を行う中小企業を増やしていくべき」という姿勢は、非常に共感するところです。
【写真:今回の懇談会資料。充実しまくりです!】
これについては、今から10年前に、私が25歳の若造にして大口を叩いたこのコラムがあるのですが、若干、表現に失礼な点がある(笑)にしても、その発想の大枠は、実は今でも同じです。
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実際のところ、私の感覚値としては・・・、
とりわけ斜陽産業における二代目、三代目経営者の方々は、非常に二極化していて、恐ろしく優秀な経営者でいらして、ありえないくらいの努力を繰り広げているか・・・、
あるいは、自らの努力を棚上げにして、いたずらに景気のせいにしたり、国のせいにしたりして、自治体からの支援に依存しがちな議論を展開する傾向があるように感じています。
昔、ある経営者が言い放ったとされる言葉、例えば「切れ目の無い景気対策が必要だ」などという表現は、経営者にあるまじきものと私は思います。
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それに対し、少なくても、20代、30代の「創業経営者」について言えば、もっと自律した精神や起業家精神があるように感じます。
中小企業振興について自治体に頼ろうとするどころか、
「自治体への期待はない」
「何もしないでほしい」
「うちの会社の成長の邪魔をしないでほしい」
といった声が多い・・・。それが私の感覚です。
依存したい人たちを助けるのではなく、自律して伸びていきたい人をこそ伸ばしていくのが必要だと思いますね。
■追伸:
あくまでも傾向としての私の感覚値ですので、そうでない例外としての立派な経営者さんもたくさんおられることを、念のため併記しておきます。
【つづく】