インドネシアの火葬事情|イスラム土葬文化で火葬が選ばれる背景と課題

シェアしていただけると嬉しいです!

インドネシアは人口の8割以上がイスラム教徒で占められています。イスラム教人口で見れば、世界最大を誇るのがインドネシアです。イスラムは土葬文化をもつことが特徴で、火葬については忌み嫌われる傾向があると言われています。

しかし、そんなインドネシアでも「火葬」は存在します。どんな人が火葬を選んでいるのか。インドネシアの火葬には、何か特徴があるのか。ヒンズー教文化圏である「バリ島」の火葬は有名ですが、それ以外の場所での火葬文化は、あまり知られていません。

実際には、どのような内容で、どのような背景があるのかを追ってみました。すでにご紹介してきた「インドネシアの葬儀|非イスラムのキリスト教系の葬式と火葬の内容は?」と「インドネシアで火葬場見学|東ジャワ・マランのキリスト教華人の場合」という記事に続く第3弾です。前の2記事をふまえ、全体の考察として「まとめ」+「補足」という意味で構成しました。




東ジャワの火葬場、イスラム圏の華人社会における火葬文化とは?

火葬研 発表 インドネシアの火葬文化

インドネシアの首都はジャカルタ。ジャワ島の西部に位置しています。インドネシア全体の60%以上がジャワ島に住んでいます。経済的に見ても、インドネシアはジャワ島が中心となって動いていると言っても良いでしょう。

そんな中、私は火葬文化の研究家でもある富山大学の遠山和大先生と共同で、東ジャワのマランにある火葬場の視察を行いました。マランの火葬場の視察とインタビューを通して、「インドネシアの火葬事情」の一端を調査したのです。

その内容は2019年5月29日に、火葬に関する調査研究を行う学会「火葬研」で発表しています。題名は「東ジャワ・マランの火葬場 – イスラム圏の華人社会における火葬文化」(Crematorium in Malang, East Java – Cremation culture in Chinese society in the Islamic area)というものですが、その概要については本ブログでもまとめてきました。

■第1部:インドネシアの葬儀|非イスラムのキリスト教系の葬式と火葬の内容は?

インドネシアの葬儀|非イスラムのキリスト教系の葬式と火葬の内容は?
インドネシアの葬儀(葬式)というとイスラムやヒンズーが取り上げられがちですが、非イスラムであるキリスト教系の葬式の風習について東ジャワ・マランの火葬場を事例に解説します。少数派ゆえ注目されにくい分野。ぜひご覧ください。

■第2部:インドネシアで火葬場見学|東ジャワ・マランのキリスト教華人の場合

インドネシアで火葬場見学|東ジャワ・マランのキリスト教華人の場合
インドネシアの火葬事情について、東ジャワ・マランの火葬場を事例に解説します。イスラム教徒が多くを占めるインドネシア。イスラムといえば土葬ですが、そんな環境でも火葬を選ぶのが華人です。華人社会の葬儀や火葬の特徴を紹介します。

今回は、その調査活動を通じて見えてきた「インドネシアの火葬事情」について、内容や背景などの「まとめ」をしてみたいと思います。

マランの火葬文化とそれを取り巻く状況

インドネシア セントン火葬場 マラン

インドネシアは国民の大多数がイスラム教徒ということもあり、土葬文化圏として見られてきました。特に地方における火葬場については、あまり注目を集めてこなかったと言えます。

インドネシアの火葬文化、そしてそれを取り巻く環境には、いったいどのような背景があるのでしょうか。

増える火葬の需要

インドネシア セントン火葬場 マラン 棺 遺族 火葬炉

前述の通り、インドネシアは圧倒的多数がイスラム教徒であり、土葬が選ばれる環境にありました。しかし興味深いことに、とりわけ、住民の3%程度を占める華人系インドネシア人においては、火葬に対する需要が年々高まっている傾向にあります。

今回調査をした地方都市のマランにおいても、従来利用されてきたバトゥの火葬場に加えて、今回視察したセントン火葬場が新設されています。イスラム教徒が多数を占める国であり、また、地方の都市でありながら、すでに2箇所の火葬場を持つに至っています。

火葬が忌み嫌われるとされるインドネシアですが、確実に火葬の需要が増えているという現実があるのです。

インドネシアの火葬は歴史的には新しい文化

今回視察したセントン火葬場は、東ジャワ州のマランにあります。

歴史的に見れば、東ジャワは16世紀初めまではシンゴサリ朝(マラン近郊に遺跡が残されている)やマジャパヒト朝など、ヒンズー教王国の支配下にあったエリアです。そのため当時の東ジャワ(少なくともマラン近郊)では、火葬は一般的であったと考えられます。

しかし、ジャワ島がイスラム圏になった16世紀以降、約500年の間については、火葬はほとんど行われないか、または、少なくとも主要な葬制ではない状態であったと言えます。

したがって、現在のインドネシアにおける火葬は、(バリ島などヒンズー教圏を除いて)過去から続けられてきた伝統的な文化というよりは、新しく取り入れられた文化と考えることができます。その意味では、19世紀末から20世紀初頭にかけて火葬が広がり始めた、ヨーロッパの状況に近いと言えるでしょう。

しかし、現在の住民の大多数を占めるのはイスラム教徒です。「伝統的ではない文化」の流入に対しては軋轢が生じる場合も出てきます。

火葬に否定的な文化の背景

インドネシア 棺の倉庫

今回調査を行った葬儀場「ヤヤサン・ゴトンロヨン」の利用者に限れば、その大多数は華人です。葬儀の8割はキリスト教式、2割は仏教式である。そのうち火葬を選択するのは65%程度と、既に多数派を形成しています。

儒教の影響下にある中国の伝統的な考え方では、遺体であっても「両親からいただいた身体」を損壊することは禁忌であり、火葬に対して否定的です。それは、ブログでご紹介したように、巨木をくりぬいた「耐久性の高い」伝統的な棺の形態にも現れています。

インドネシア 棺 Siupan 壽板

キリスト教徒もまた、火葬に対して長らく否定的な傾向がありました。永遠の火に焼かれるとされる「地獄」からの類推であったり、肉体を失うことは「死後の復活」を阻害するかもしれないという考え方からくるものです。

したがって、従来は土葬が一般的であったものの、徐々に火葬を選択「しても良い」という意識の変化が進んでいったのだと考えられます。その結果として、現在では65%の人たちが火葬を選択するようになったということになります。

多くの人が火葬を選択し始めている理由は?

インドネシアの墓地 華人 セントン火葬場 マラン

またそうした「考え方」としての背景の他に、現実的な問題も背景にあります。

1つ目の理由として、少なくともマランにおいては、土葬用地の取得が難しくなってきたこと(墓地不足)があります。

また、2つ目の理由として、伝統的な墓(例えば上の写真)をメンテナンスすることへの負担感が強まってきたことも、火葬場の新設を後押しした理由になっているようです。

こうした現実的な背景もあって、従来の「遺体観」、あるいは「遺体に対する執着の優先度」が低下することになり、合理性の優先度が相対的に高くなってきているということも言えそうです。

インドネシアの火葬社会に見られる伝統と合理性と多様性

インドネシアの女性

それでは、インドネシアの火葬社会には、どのような特徴があるのでしょうか。遺体や遺骨に対する接し方、中国やジャワの伝統の影響、マランにおける火葬事情から見えてくるもの等をまとめてみます。

遺体や遺骨に対する接し方は、日本型と欧米型の中間

インドネシア マラン セントン火葬場

「火葬の流れ」については、すでにブログで紹介してきました。この「火葬の流れ」を見てみる限り、遺体や遺骨に対する接し方は、日本で見られるような、遺体や遺骨に故人の魂が宿っているかのように扱う強い執着はありません。

しかし、欧米で見られるような、遺体に対してほとんど執着を示さないというドライさもありません。いわば、日本と欧米の中間的なものだと位置づけることができそうです。

インドネシア セントン火葬場 マラン 棺 遺族 火葬炉

例えば、遺族が柩を火葬炉に入るところまで見送り、その上、火葬を開始するボタンを代表者が押すという工程があります。これは、火葬のその時まで遺体に付き添いたいという心情の表れと考えられ、日本の火葬場での告別のあり方に近いと言えるでしょう。

しかし、火葬後の遺骨を遺族が収骨せず、粉砕した状態で遺族に渡す方式は、欧米の火葬場に見られる方法とほぼ同じです(もっとも、遺骨を骨壺に入れる作業を遺族が行う点に関しては、日本などと近いともいえます)。

インドネシア セントン火葬場 マラン 陶器の骨壷

続いて、骨壺に収めた後の遺骨の扱いを見てみましょう。「海への散骨を行う」という場合は、遺骨に対して執着していないスタンスだと言えます。

しかし、納骨堂に収められた骨壺を、お参りの度に取り出して故人を偲ぶという場合(下の写真)を見ると、遺骨に対する執着を感じさせるスタイルとも言えそうです。

インドネシア 納骨堂 礼拝所 骨壷

つまり、最終的に遺骨をどうするのかという点についての考え方には多様性があり、個々の考え方が尊重されるようになっているというわけです。

中国の伝統やジャワの伝統が入り混じる多様性の尊重

インドネシア セントン火葬場 マラン 火神 福神

また、葬儀の全般に言える特徴として、キリスト教や仏教とは無関係な、中国の伝統的な習俗が残っている場合も見受けられます。例えば上の写真がそうです。インドネシアの火葬場に「漢字」が出てくる場面は、不思議に感じる人もいるのではないでしょうか。

さらには、ジャワ暦やそれに因むまじない事など、当地独自の習俗も端々に見受けられます。詳しくは、以前のブログでご紹介した通りです。

インドネシア セントン火葬場 マラン 炉前の祭壇

マランの火葬事情の特徴をまとめると?

インドネシア セントン火葬場 マラン 棺と参列者

すでに紹介してきた通り、インドネシアは人口の大部分がイスラム教徒です。圧倒的に「土葬」が選択されることから、インドネシアにおける「火葬」の実態は、あまり注目されてこなかったと言えます。

特にインドネシアの地方における火葬場は、少なくとも日本の研究では、ほとんど注目されることがありませんでした。そこで今回、東ジャワ州のマランにあるセントン火葬場の視察などを行い、当地の火葬事情を調査してきました。

詳細についてはすでに書いてきた通りですが、ここでまとめてみると、マランの火葬事情は、次の4つの特徴をもつことがわかりました。

①主として華人を対象としていること
②元々は土葬が主流だったところに後から火葬の文化を導入したこと
③火葬の理由が墓地の不足やメンテナンスの負担感など合理性の追求に因っていること
④キリスト教と仏教が火葬を行う主要な宗教であること

こうした背景からすると、東南アジアの国々の中では、シンガポールの状況に近い傾向にあると考えられます。要点をまとめると次のとおりです。

調査を行ったセントン火葬場は、2014年から運用されている新しい火葬場です。マランの葬儀社である「ヤヤサン・ゴトンロヨン」が運営しており、主に華人によって利用されているのが実態です。

インドネシアの葬儀場 マラン

「ヤヤサン・ゴトンロヨン」を利用する人たちの65%が火葬を選択し、そのうち8割はキリスト教徒、2割は仏教徒でした。2基の近代的な火葬炉を備えたこの火葬場の建築は、周囲の自然や当地の文化と調和し、利用者の心情も考慮したデザインが採用されているのが特徴です。

火葬場で遺体を炉に送るまでの工程やそれに伴う儀礼は、日本の火葬場の場合と似ていました。しかし、火葬後の遺骨は粉砕され、散骨したり納骨堂に収められたりします。そうした点では、欧米での遺骨の扱いと共通点が多く見られました。

火葬を行うのは華人であることから、葬儀から火葬にかけては、キリスト教あるいは仏教に由来する儀礼だけでなく、中国の伝統的な習慣や考え方に由来する儀礼も取り入れられていました。また、ジャワ島に独自な習俗を反映した儀礼を見ることもできました。

調査が待たれるインドネシアの地方都市での火葬事情

インドネシア セントン火葬場 マラン

今回は東ジャワのマランで調査を行いました。上の写真は、マランの火葬場で撮影したもので、現地の女性スタッフの方に解説をしていただきました。

「インドネシアの火葬研究は、まだまだ」という点を説明してきましたが、イスラム色の濃いスマトラ島や、キリスト教徒が多数を占めるスラウェシ島、ニューギニア島などでの火葬事情についても、ほとんど調べられていないようです。

また、インドネシアにおいて、仏教徒の2倍程度の人口を持つとされるヒンズー教徒の人たちは、火葬を行っているわけですが、今回の調査ではヒンズー教との関わりを持つことができませんでした。これらの点についても、今後ぜひ調査を進めることができればと考えています。

インドネシア主要都市における火葬場の例

ジャカルタのビル街

イギリス火葬協会のデータでは、インドネシアにある火葬場は7ヶ所(7都市)とされています。しかし実際にグーグルマップで検索するだけでも、数多くの火葬場が存在することがわかります。

まだそれぞれの火葬場を視察したわけではありませんが、ここでは主要な火葬場として、ジャカルタ、スラバヤ、バリ島の施設を地図でご紹介します。

ジャカルタにある5つの火葬場

ジャカルタはインドネシアの首都ですが、そのジャカルタには北部を中心に5ヶ所の火葬場があるようです。

(1)krematorium Cilincing
Jl. Kali Baru Timur IV No.5, RT.003/RW.1

(2)Oasis Lestari Crematorium
Jl. Gatot Subroto No.KM 7-8

(3)Krematorium Nirwana
Jl. Muara Tawar, Segarajaya, Tarumajaya

(4)Grand Heaven
Jl. Pluit Raya No.191-193, RT.16/RW.8

(5)King Palace Krematorium
Jl. Kapuk Kamal No.6, Tegal Alur, Kalideres, Kota Jakarta

このうち、最も古い歴史をもち、最も規模が大きいのが、(1)に挙げた「チリンチン火葬場」(Cilincing)です。オープンしたのは1975年で、敷地は1ヘクタールほど。合計で7基の火葬炉をもっているとのことです。

これは現地の大学生(テレビジャーナリスト学科)による取材の映像作品です。編集も上手いです。実際の現場の雰囲気がわかるのではないでしょうか。

スラバヤにある3つの火葬場

スラバヤはインドネシア第2の都市として知られています。中華系のインドネシア人が多く住む都市の一つです。ジャカルタほどの巨大都市ではありませんが、次第に都市としての規模も大きくなり、人口増加も進んでいます。

(1)Krematorium Junrejo
Jl. Diponegoro No.87

(2)Krematorium Sentong Baru
Jl. Raya Trimo

(3)Krematorium Eka Praya
Jl. Kembang Kuning

なお、2019年5月には、スラバヤ市の公営の火葬場が新たにオープンしています。市営の火葬場がオープンすることをとりあげたインドネシア語の記事がこちら。敷地は1ヘクタールで、3基の火葬炉から構成されているようです。

Republika Online - berita terkini, berita hari ini, membahas isu politik, Dunia Islam dan peristiwa terhangat indonesia

この記事の段階では、「まだ施設と道路をつなぐための工事が行われている」としています。実際の見学をしたわけではありませんが、ソーラーで火葬するスタイルとのこと。将来はガスを使う可能性もあるとしています。

値段は、アドミニストレーションフィーとして、安くても80万ルピア。詳細の値段設定は近々公開予定としていますが、300ルピア程度になる見込みだと説明されています。また記事によれば、将来的には納骨堂なども整備する予定とのことです。

バリ島にある7つの火葬場

バリ島は、人口の95%をヒンドゥー教が占めているという特殊な環境です。そのためイスラムの色彩がほとんどなく、土葬ではなく火葬がメインとなるエリアです。

バリでは近代的な火葬場ばかりでなく、現在でも野焼きのような伝統的な火葬もありますが、ここではある程度きちんと整備された火葬場をご紹介します。

(1)Krematorium Santha Yana
Jl. Jaya Sakti

(2)Krematorium Mumbul
Pertokoan Niaga Nusa Dua, Jl. By Pass Ngurah Rai

(3)Krematorium Punduk Dawa Dawan

(4)Krematorium Kertha Semadi
Jl. By Pass Ngurah Rai No.100

(5)Krematorium Centre Mumbul
Jl. By Pass Ngurah Rai No.24

(6)Krematorium Pondok Dawa

(7)KREMATORIUM YAYASAN DHARMA KUSUMA

こうした火葬場がある一方で、バリの王族等の大々的な葬儀も有名です。実際に見に行ったこともありますが、またいずれブログで取り上げたいと思います。

多様性の国インドネシア、少数事例を見ることには価値がある

インドネシアの仏教寺院

ここまで、インドネシアの火葬事情について、東ジャワ・マランの火葬場を事例に解説しました。イスラム教徒が多くを占めるインドネシアでは、イスラム=土葬というイメージがもたれがちです。そのため「土葬」に関心が向くことはあっても「火葬」文化に対する注目は薄かったというのが実情です。

しかし、そんな環境下においても火葬を選び始めているのがインドネシア華人でした。その需要は着実に増えていて、そんな需要に対して、きちんと応えようとしてる火葬場があること。またそれは、インドネシアの大都市のみならず、地方都市にも拡大していることがわかってきています。

インドネシアの大通り

「インドネシア=土葬」というイメージは固定観念であり、インドネシアの華人社会を中心にして「火葬」の世界もあるということをご理解いただければ幸いです。インドネシアには多様性があり、イスラムだけがインドネシアではない、ということです。

ここまで、インドネシアの東ジャワ・マランの火葬場をケースに、華人やキリスト教徒の火葬事情を取り上げてきました。とはいえ、これで全貌が明らかになったわけではありません。実際に調べてみると、「もっと知りたい」「もっと調べなきゃ」という領域が次々に出てくるというのが正直なところです。

バリ島 王族 火葬の儀式 2013年11月撮影

バリ島の火葬事情、スラウェシのタナトラジャにおける火葬の事情など、世界的にも有名な火葬の状況についての視察も必要です。また、なかなか研究の対象とはなっていない葬儀事情もあり、引き続きの調査を続けていきたいと考えています。

そして、ぜひ多くの方に、インドネシアに興味をもっていただきたいと願っています。またインドネシアの主流派を見るだけでなく、ぜひ少数派の動きにも目を配ってみると、意外な面白みが発見できるのではないかと思います。

改めて。死を考えることは生きることを考えることだ

人生 いつ死ぬかわからない

そしてまた、インドネシアの火葬事情を調べれば調べるほど脳裏によぎることは、「死を考えることは、生きることを考えることだ」という点です。

「いつ死ぬかはわからない。だから死を忘れるな」という意味で、ラテン語の「メメント・モリ」という言葉が取り上げられることがあります。「あたりまえ」の事実ではありますが、ついつい忘れてしまいがちなことではないでしょうか。

インドネシアの火葬事情を調べていくと、その「あたりまえ」の事実の重たさが、ひしひしと感じられてきます。海外の葬儀にふれることは、文化体験として貴重なことでもあります。しかしそれだけでなく、「自分の残り人生をどう生きるべきか」という点に思いをはせる好機ともなるはずです。

この点は、すでにブログでも取り上げたことがあります。

「人はいつ死ぬかわからない」という事実にもっと着目しよう、と僕は考える
「人はいつ死ぬかわからない」という事実。事実なのに、ついつい忘れられがちなテーマです。しかし本来であれば、もっともっと注目されるべきテーマだ...

「やってみようか、どうしようか」で悩むのは、いつまでも選択のチャンスがあると思いこんでいるからです。明日もあさっても、自分はずっと元気で生きているはずだ・・・と、根拠もなく信じているからです。そんなふうに書きました。

人生は有限です。でも、まだまだできることはたくさんあるはずです。やりたいこと、できること。とにかく全部やっちゃいましょう。人生の残り時間は、本当にあっという間です!ということを、本ブログの最後のしめくくりとしたいと思います。

【参考】インドネシアの葬儀や火葬に関するブログ記事

最後に、今回の3部作についてリンクをまとめておきます。重複するところもありますが、ご関心のある方は、ぜひご覧ください。

■第1部:インドネシアの葬儀|非イスラムのキリスト教系の葬式と火葬の内容は?

インドネシアの葬儀|非イスラムのキリスト教系の葬式と火葬の内容は?
インドネシアの葬儀(葬式)というとイスラムやヒンズーが取り上げられがちですが、非イスラムであるキリスト教系の葬式の風習について東ジャワ・マランの火葬場を事例に解説します。少数派ゆえ注目されにくい分野。ぜひご覧ください。

■第2部:インドネシアで火葬場見学|東ジャワ・マランのキリスト教華人の場合

インドネシアで火葬場見学|東ジャワ・マランのキリスト教華人の場合
インドネシアの火葬事情について、東ジャワ・マランの火葬場を事例に解説します。イスラム教徒が多くを占めるインドネシア。イスラムといえば土葬ですが、そんな環境でも火葬を選ぶのが華人です。華人社会の葬儀や火葬の特徴を紹介します。
スポンサーリンク

あわせて読みたい関連記事










シェアしていただけると嬉しいです!

フォローする