先日、私の住むインドネシア、マランで、自家用車向けのスペアパーツショップ、「SHOP & DRIVE」に行ってきました。
目的は自動車のバッテリー交換です。以前、トヨタのディーラーで車の定期点検をした際に、「そろそろバッテリー交換の時期ですね」と指摘されたのがきっかけ。
そのままトヨタでお願いしようとしたら、「バッテリー交換なら、外のショップさんで交換された方が安いですよ」と、この「SHOP & DRIVE」の存在を教えてくれたのです。
「インドネシアのこういうショップ、はたしてどれくらいきちんとしたサービスを提供しているのだろう?」、そんな興味もあって行ってみました。驚きの結果でした・・・。
【写真:店内の様子。小さい店なのでオープンエアーな感じ】
目次
オートバックスもインドネシアに進出
カー用品店の大手チェーンといえば、日本では、オートバックスやイエローハットなどが有名ですね。オートバックスは、今年(2015年)インドネシアのスラバヤに初出店し、ちょっとした話題になりました。
2013年8月に、現地企業であるインドモービルグループと合弁で、「オートバックス・インドモービル・インドネシア」(PT.AUTOBACS INDOMOBIL INDONESIA)を設立しています。
その後、今年7月に、インドネシア1号店となる「オートバックスA.R.ハキム店」をオープンさせています。
■オートバックス、インドネシアへ初出店…アセアン地域13店舗目 | 総合自動車ニュースサイト:レスポンス
インドネシアのカー用品大手「SHOP & DRIVE」とは?
この「SHOP & DRIVE」は、インドネシアにあるスペアパーツショップで、運営企業は「アストラ オートパーツ(PT. Astra Otoparts Tbk)」。
1998年のスタート当初は「SUPER A」というブランドだったようですが、その後2000年からは、現在の「SHOP&DRIVE」というブランドになりました。
インドネシアのジャワ島だけでなく、スマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島、バリ島、西ヌサ・トゥンガラ州など、20の州にある全83の都市で展開しており、現在の店舗数は、約300になるとのこと。
フランチャイズチェーン方式でも運営されています。
いざ、「SHOP & DRIVE」の店舗へ
トヨタのスタッフからは、地図を書いてまでして、近くの「SHOP & DRIVE」店舗を教えてくれたのですが、Googleで検索すると、マランにも複数の店舗があることがわかりました。
Google map は本当に便利!
近所にある店舗に向かい、店の駐車場に車を入れるとスタッフがやってきました。そして用件を聞かれ、「バッテリー交換をしたい」と伝えると、待合場所に案内されました。
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スタッフが簡単にエンジンルームをチェックをすると、適合するバッテリーを、ショップの棚から探しだします。
【写真:作業中のスタッフの様子】
オススメの理由を添えながら、
「こちらのバッテリーでいかがでしょうか?」と。
それでお願いすると、「かしこまりました。作業に入りますので、待合場所で、しばらくお待ち下さい」
インドネシアにしては珍しく?、一連の動作はマニュアルに沿った、丁寧で、かつキビキビとした対応です。
「新聞や雑誌など、どうぞご自由にご覧ください。
また、テレビもありますので、こちらがリモコンです。
ご希望のチャンネルでご利用ください」
【写真:イスに置いてくれた新聞、雑誌、テレビ・・・。全部は見切れません!】
「SHOP & DRIVE」が取り扱うカー用品の種類は?
同社のウェブサイトによると、「SHOP & DRIVE」が主に取り扱っているメイン商品は、オイル、バッテリー、ショックアブソーバーの3点。
対象となる車は、インドネシアで普及しているメーカーの車です。トヨタ、ダイハツ、ホンダ、スズキ、ニッサン、マツダ、イスズ、三菱、キア、ヒュンダイの名前があがっていました。
また、それらメイン商品に加えて、アクセサリーの取り扱いもあります。
ウェブサイトに記載されていたのは、ワイパー、フィルター(オイルフィルターやエアコンフィルターなど)、バッテリー液、ガラス洗浄剤、エンジン洗浄剤、ラジエーター冷却水、ブレーキオイル、室内香水、電灯などです。
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バッテリー交換の待ち時間で、
作業の様子を見たり、店の陳列棚などを見たりしていました。
【写真:ポスター「バッテリーの耐久性ご存知ですか?」】
こういうポスターは、日本でも同じようなものがありますね。
今回訪れたのは、とてもこじんまりしたショップ。
ブログ冒頭に載せた写真は、店の陳列棚ですが、
かなり小さいですよね。
そしてこれが、受付(会計)です。ミニショップですね。
【写真:お店の受付】
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バッテリー交換の作業が終わると、
スタッフの上司と思われる人がきて、
テスターをもって、一緒に数値チェック。
バッテリー以外も、いろいろチェックしてくれて、
各種液の状態の説明を受け、ワイパーの劣化の指摘など。
押し売り感がなくて、親切さも丁寧な印象。
バッテリーチェックで上司の「OK」サインが出ると、
スタッフが私のところへやって来て、
「作業が完了しました。室内の簡単な清掃をさせていただいても
よろしいですか?」と。これ、無料です。
その後、会計のところに行くと、
先ほどの上司の方が、作業内容を説明してくれました。
びっくりしたのは保証の内容でした。
交換バッテリーについて、次の保証がされてるのです。
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「どの店舗でもOK」というのはびっくり。
日本では当たり前かもしれませんが、
インドネシアでこれだけの対応というのは予想外でした。
作成してくれた「保証カード」には、
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なども記載されていましたよ。
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私の感想としては、なかなかすごいじゃん! です。
(すみません、安直な表現で)
インドネシアで、ここまで先進的に取り組んでいて、
さらには各店舗間との連携もできているらしいというのは驚きでした。
カー用品大手「SHOP & DRIVE」の優位性とは?
いっそう「SHOP & DRIVE」に興味を感じてしまい、ウェブで店舗のサービス紹介をいろいろ読みました。
そこに「他社の店舗に比べての優位性は?」という質問があって、次のようにまとめられていて、これまたびっくり。
(2)販売されている商品は本物保証つき。バッテリー製品は18ヶ月保証。
(3)システムによってきちんと定められた値段が提示されていて、値引き交渉は不要。デビッドカードやクレジットカードもOK
(4)商品の提供や交換作業は比較的早く(製品によって15分から60分以内)行うため、予約をしたり長く待つ必要無し。
(5)メカニックはアストラ社の標準基準を満たしている。
(6)お客様ごとの取引履歴はシステムで管理されており、いつ、何を、どの商品でとうような情報が完全に把握できる。
(7)原則として、店舗は1週間のうち7日間オープン(国民の休日にクローズする一部店舗を除く)
(8)無料の付加サービスとして、バッテリー液の状態や、タイヤの空気圧(不足している場合は補充も)のチェック、タイヤ清掃(黒くする)、エアコンフィルターの清掃、ワイパーの状態やワイパー液、ラジエーター冷却水等の状態チェックなど。
(9)1週間に7日、毎日24時間受け付け可能なコールセンターがあり、バッテリー故障が原因で車が動かなくなった場合の助けを得たり、最寄りの「SHOP & DRIVE」店舗の住所や電話番号の情報を得たり、サービスに対する不満を表明することが可能。
という具合です。
実際にどこまで徹底できているかはわかりませんが、きちんとできていたら、インドネシアの企業としてはすごいことだと思います。
インドネシアの旺盛な自動車需要に応える「SHOP & DRIVE」の将来性
「SHOP & DRIVE」は、小さい店舗が多く、取り扱っている商品も限定的です。
日本にあるオートバックスやイエローハットのような、「大型総合店」ではありません。でも、今回受けた、バッテリー交換、液のチェック、室内清掃、ワイバー交換など、どれをとっても対応の良い、無駄のないサービスでした。
取扱商品は限定的ですが、これだけきんとした対応であれば、インドネシアでの需要は高いでしょうね。
というわけで、ついつい熱がこもってしまい、長文ブログになってしまいました・・。
「SHOP & DRIVE」の今後の展開が楽しみです。サービスの質の維持、取り扱い商品の拡充化、ぜひ期待したいです。
【参考】インドネシアの自動車事情に関するブログ記事
こちらの記事も、ぜひどうぞ。